「リモートワーク実践BOOK」は実践者はもちろん家族や関係者にも読んでほしい!
くらしを大切にしたい人のためのリモートワークのガイドブック
今、「リモートワーク」「テレワーク」「在宅勤務」などと呼ばれる働き方をする人が増えつつあります。今年から毎年7月24日を「テレワーク・デイ」とするなど、国は企業に対してテレワークに積極的に取り組むよう呼びかけていますし、クラウドソーシングなど、個人が好きな場所で仕事をできるしくみも充実してきているからです。
今リモートワークをしている、あるいは近々することになりそうという方や、自分はやらないけれど、家族や同僚、部下、取引先などでリモートワークの人がいる――、そんな方々にご紹介したいのが、「暮らしと仕事の質を高めるための リモートワーク実践BOOK」です。
目次
ライター
世界各地のメンバーとの10年以上のリモートワークで蓄積されたノウハウを公開
「暮らしと仕事の質を高めるための リモートワーク実践BOOK」を作ったのは、世界100カ国以上のパートナーとゆるやかなネットワークを形成し、企業や自治体に対して、環境問題やCSRといった領域での支援をしてきたエコネットワークスという会社です。
この会社はみんなが集まるオフィスを持たず、4人の経営メンバーも、プロジェクト毎に関わるパートナーたちも、それぞれが暮らす場所からオンラインでつながって協働するというスタイルを、10年以上続けています。エコネットワークスが続けてきたワークスタイルの意義とノウハウを、より多くの人に伝えたいということで、昨年この冊子をまとめるプロジェクトが始まり、私(『くらしと仕事』編集長 やつづか)も少しお手伝いさせてもらいました。
リモートワーカー本人だけでなく関係者向けの内容も網羅
この冊子の特徴はなんといっても、以下の4つのパートで構成されているという点です。
- ワーカー編(オフィスに縛られたくないすべての働く人へ)
- マネジャー(上司、プロジェクトリーダー)編(メンバーが目の前にいなくて不安なリーダーへ)
- 経営者編(リモートワークで働く人を不幸にさせないために)
- クライアント編(社内、社外問わず、仕事の依頼者)(やっぱり会えないと仕事は頼めないと思っている方へ)
リモートワークを円滑に行うには、本人の努力だけでなく、仕事の割り振りや評価をする上司、制度や文化を作る会社、そして仕事を発注したり成果を受け取ったりするクライアント、それぞれの理解や工夫が必要であるため、全方位に向けた内容となっているのです。
自分が該当する部分だけでなく全部のパートを読むと、リモートワークに関わるそれぞれの立場の視点が理解でき、よりコミュニケーションしやすくなるはずです。さらに、自宅で仕事をすることがあるという方は、同居する家族にも読んでもらうと良いでしょう。仕事と生活の場が重なっているということは、家族の生活にも影響を与えますし、家族の協力なしに成り立たないことだからです。
今の働き方を振り返るきっかけにも
「実践BOOK」の中から、私が気に入っているフレーズをいくつかご紹介します。
●これからの社会を生き抜いていくためにもリモートワークは今後の必須スキル?
●望む / 望まないにかかわらす?、誰て?も一生のうちて?リモートワークをする/させる機会はあり得る、避けて通れない
●暮らしの質を高めるために必要なことて?もあり、今後は「基本的な権利」となっていくかも
「暮らしと仕事の質を高めるための リモートワーク実践BOOK」”はじめに”より
今は「リモートワークなんて関係ない」と思っている人でも、これから10年以上働き続ける見込みがあるなら、きっと自分や近しい人がリモートワークをする機会に直面するのではないでしょうか。さらに進んで、育児や介護といった制約があっても働き続けられるように、あるいは個人のくらしをより充実させるために、「リモートワークをする権利」が確立される未来も夢ではないのでは……、そんなふうに思います。だから、リモートワークのノウハウはみんなに知っておいてほしいのです。
・常に20%の余裕を持つ
・自分なりの就業規則を作る
・営業時間を態度で示す
「暮らしと仕事の質を高めるための リモートワーク実践BOOK」”ワーカー編 レベルアップのための一歩”より
「オフィスを出たら仕事終了」という区切りのないリモートワークだからこそ、働きすぎには注意です。自分の時間や健康は自分で守らないと、無理していることに気付いてもらえないのも、リモートワークの課題。だから、働きすぎないためのコツを知ってほしいと思います。
アウトプットとがんばりの両方を評価する仕組みを作る
「暮らしと仕事の質を高めるための リモートワーク実践BOOK」”マネジャー編 悩ましい評価・育成”より
よく、在宅勤務ではがんばっている部下の姿は見えない。だからがんばりではなく成果を見るように、評価制度を変えなければいけない、という話を聞きます。これは一理あり。でも、一緒に仕事を勧めている限り、様々な手段で連絡を取り合っているはずで、「同じ空間にいないとがんばっているかどうか分からない」というのもおかしな話ではないでしょうか?
「うちは完全に成果のみで評価します」というのもひとつのやり方ですが、その人の成長も見据えた長期的な関係を保っていこうとするなら、「がんばりも評価する」というのもありです。どちらをとるかは、リモートワークの有無とは関係ありません。ただ、リモートワークの場合はどうやって「がんばり」を見える化するか、そこを考えるのがマネジャーや経営者の仕事だと思うのです。
これ以外にも、あらためて普段の働き方を振り返るきっかけになる言葉が満載の「リモートワーク実践BOOK」、ぜひ読んでみてください。
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