20代で転職する?しない?(基本編)キャリアアップを考えるあなたへのアドバイス
20代中盤を過ぎると、転職するなら今のうち?と迷う人も増えるでしょう。転職した方が良いのかどうか、する場合はどんな風に転職先を探したら良いのか、人事採用担当として働き、自分自身も転職の経験がある筆者がアドバイスします。
社会人生活も3年から5年経つと、仕事にも慣れて周りが見えるようになり、漠然とした不安に襲われたり、今の仕事や働き方をこのまま続けても大丈夫だろうかという疑問が頭に浮かぶこともあるでしょう。キャリアアップという観点から、転職を考えた方が良いかどうかと転職する場合の自分に合う会社を探すポイントを、人事採用担当として20代の女性を中途採用してきた経験と私自身の転職経験を踏まえて紹介します。
目次
ライター
今後の人生をどう送りたいか、人生の方向性とキャリアアップ
自分のやりたい仕事や向いている仕事に就けば、不安が全て解決し、日々の生活が充実するわけではありません。仕事も含めた自分の人生を今後どのようにしたいか、時間をかけて内面を見つめ直しましょう。その際、ぼんやりとしたイメージではなく、自分の望む具体的な生活、例えばどこに住んでどういう働き方をしたいのか、好きなこと、得意なこと、どういうことをしているときが楽しいのか、何を大事にしてどういう考え方を持っているのかなど、働き方を考えると共に自分の人生や志向を分析しましょう。大事なことは、転職してもしなくても、仕事のキャリアと自分の生きたい人生の方向性が合致することで満足度が高まるように、キャリアをステップアップさせることです。
思いつき転職のリスク
労働観の変化や人材の流動化で、転職が珍しくない昨今、それでもその場しのぎの安易な転職はリスクを伴います。一般的に、転職回数が20代で2回、30代で2,3回以上だと、次からの転職活動が非常に厳しくなるでしょう。特に選考倍率の高い求人の場合など、転職回数が多いという理由だけで、採用の選考対象から外すという企業があるのも現実だからです。転職に失敗し、再度転職をくり返すことのないよう、将来のキャリアについて納得がいくまで、しっかりと考えましょう。
本当に転職した方が良い?
今のあなたの状況は転職活動をする必要が本当にあるかどうか、よくある転職の理由をもとに検討してみましょう。
30代を前に、「このままではまずい」という焦りから
なぜ「このままではまずい」のか? まず、焦りや不安の内容を具体的に言葉で書き出してみましょう。漠然とつかみどころのない状態では、不安はどんどん広がるばかりです。言語化することで、対処法が見えてきます。また、今の職場の良いところ、悪いところも振り返ってみましょう。まだ学べることはないでしょうか。そして、転職する場合としない場合のメリット、デメリットもそれぞれ書き出して比べてみましょう。
- 焦りや不安の具体的内容
- 今の職場の良いところ/悪いところ
- 転職する場合としない場合のメリット・デメリット
この3つのリストを見ながら、自分は何が不安なのか、本当はどうしたいのか、改めて自分の心に問いかけましょう。自分のなりたい姿や目標、やりたいこと、自分の得意なことなどが明確になるまでは、やみくもに求人に目を通すよりも、今いる場所でベストを尽くして、経験を積みましょう。
結婚や子育てなどライフイベントとの両立が難しそうだから
「ライフイベントを迎えると仕事を続けることが難しそう」、「辞める以外に選択肢がない」と思う理由は何でしょうか。会社で前例がないから、そういう風潮だからという理由で、どうせだめだろうと早急な判断をしていないでしょうか。1,2年以内にライフイベントを迎える具体的な予定があるのではなく、いつかはそうなりたいと考えているという状況でしたら、「どうしたら働き続けることができるだろうか」「働き続けてほしいと思われる人材や実績は何か」という視点で、自分の仕事や職場を見てみましょう。4,5年も経てば世の中の風潮も変わるものですし、何なら自分が第1号として前例を作るのも良いでしょう。仕事のやりがいを重視するのか、ライフイベントを迎えても働き続けられることを優先するのか、自分の一番大事なところは何か確認しましょう。その上で、どうしても今の仕事や会社の方向性と自分の将来が合致しないということでしたら、優先度を明確にして転職活動をするのも良いでしょう。
他にやりたいことがあるから
まずは、社内の人事異動などで、自分のやりたい仕事ができる可能性がないか、試みましょう。それでも、今のままでは叶えられそうにない、もしくは新しいキャリアを築きたい、より専門性を追求したいということであれば、次のステップとして転職を考えるのも良いかもしれません。未経験でも挑戦したいことがあったり、得意なことや貢献できることでもっと自分の能力や可能性を追求したいのでしたら、それを生かせる場所が他にもあるかもしれません。
転職先を探すときの大事なポイント
なぜ転職するのか
転職をした方が良いと決めた場合、「何のために転職をするのか」「転職してどうなりたいのか」「転職をすることでどういうメリットを得たいのか」「今後の自分のキャリアアップにどのくらい役に立つか」をはっきりさせましょう。やみくもに求人を検索し、条件の良さに惑わされ転職後に後悔しないためにも、自分の転職に対する考えを確認しておきましょう。
どこへ転職するのか
職種、業種、会社の規模、勤務地や就業形態など、今の仕事と変えるところと変えないところを明確にしましょう。職種を変えず同業他社もしくは異業種に移るのか、未経験の違う職種へ転身するのか、今までの経験やスキルを上手く活かせるよう、キャリアアップへの戦略を練りましょう。
会社を選ぶ基準は自分らしさで
100点満点全てが満たされる会社はなかなかないものです。希望する条件に優先順位をつけ、絶対に譲れないことを明確にしましょう。そして、自分が重視しない条件は満たされなくても構わないとあきらめることも必要です。ただし、今の職場の不満ばかり気にして、その正反対の条件の仕事を探すあまり、恵まれている事柄は次の会社でも当然得られるものと思い込まないよう気をつけましょう。また、自分に合う会社の見つけ方として「やりがいが高くキャリアアップが望める」「成長意欲を満たせる」「中途入社の割合が高い」「将来性がある」「給与が良い」「女性が活躍している」「福利厚生や育休制度が活用されている」など、一般論でいろいろと言われていますが、その尺度は自分にとってどうなのでしょうか。周りの情報や雑誌などのランキングに振り回されるのではなく、自分が本当に必要とする条件を基準としましょう。
自分にとって働きやすい会社とは? いきいきと働いている自分を想像できますか?
どのような仕事ができるかだけでなく、どのような人と働くのかも大切です。社風や組織の文化、職場の雰囲気が自分の志向や価値観に合うか確認しましょう。人事担当者以外の人と会う機会や働いているところを見る機会があれば、言動や応対の様子から職場の雰囲気を感じ取りましょう。転職後のオフィスに毎日通勤しているところを想像したら、のびのびと楽しく働くイメージが湧くでしょうか。自分に合った環境でいきいきと能力を発揮できるでしょうか。入社後の自分の姿が前向きに想像できることは、転職を成功させる大事な要素です。
最後に
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