伝わる資料にするために|プロに学ぶ資料作成のコツと心構え くらしと仕事

伝わる資料にするために|プロに学ぶ資料作成のコツと心構え

会議やプレゼンなど、何かと使う機会の多いPowerPoint。おしゃれなデザインの資料テンプレートが簡単に手に入る時代ですが、なんだか上手くまとめられない、そんな悩みはありませんか?

オンラインアウトソーシング(※)「HELP YOU」には、「伝えたい内容が伝えたい相手に伝わる資料」を作成するスペシャリストのチームがあります。「資料作成プレミアム」というサービスで、企業向けに高品質のPowerPoint資料を作成、納品しているチームです。そのチームのメンバーである田野倉理沙さんは、意外にも、HELP YOUにジョインするまで資料作成の経験はほとんどなかったそうです。そんな田野倉さんに、資料作成のプロとなるまでの経緯や心構えなどを聞きました。
※オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス

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インタビュイー

田野倉理沙さん
大学卒業後、総合人材サービス企業で法人営業、教育系出版社で編集・DTP制作を経験しフリーランスとして独立。複数企業と業務委託契約を結び、資料作成やデザイン制作を請け負っている。HELP YOUでは、資料作成のスペシャリストが集まるチームの一員として、日々さまざまな企業の資料作成に携わる。

ライター

りっつ
新卒で入社した会社で、3度の産休育休を挟みながらも、16年間企画や営業を中心に働く。一方、縁があり憧れの島暮らしを家族で決意。島の暮らしに慣れるためにも、自宅で働ける場所を探して、2024年6月よりHELP YOUにジョイン。現在は、ライティングを中心に時間に縛られない働き方を実現。→執筆記事一覧

HELP YOUジョイン前に作成した資料は1点

──HELP YOUにジョインする前は、資料作成の仕事はほとんど経験がなかったと伺いました。それまでは、どのような仕事をされていたのですか?

大学卒業後は、新卒で総合人材サービス企業に入社しました。法人向けの営業部に配属され、人材派遣サービスの新規開拓のために飛び込み営業や、就業しているスタッフの面談などを担当しました。

このとき、後輩の研修を行うために作ったスライド資料が、HELP YOUにジョインする前に作成した唯一の資料かもしれません。

この会社には、2年弱在籍しましたが、場所や時間にとらわれないフリーランスという働き方に興味を抱き、退職を決意しました。その後、手に職をつけ、ゆくゆくは独立したいと考えて、転職先に選んだのが出版社です。

大学受験向け予備校の教材をつくっている教育系の出版社で、物理や化学、生物など理系教材の編集、DTP制作(※)、校正を担当しました。初めて経験する仕事でしたが、幸いなことに教えてもらえる環境が整った職場だったので、llustratorやPhotoshop、InDesignなども一通り使いこなせるようになりました。

そして、2年ほど勤めた後、2021年に念願のフリーランスとなったのです。
※DTP制作:Desktop Publishingの略。印刷物のレイアウトやデザイン、原稿作成、編集などをパソコン上で行う作業のこと。

──フリーランスになってから、すぐにHELP YOUにジョインしたのですか?

田野倉さんご自宅のお仕事スペース

そうです。フリーランスになってから、割とすぐにジョインしました。
前職を退職した勢いで開業届を出したものの、どのような仕事をメインにするか、分野はまだ定まっていませんでした。ただ漠然と、前職でのDTP制作やデザインソフトのスキルが活かせる仕事ができたらいいな、と考えていたのです。

そこで、HELP YOUにジョインし、さまざまな仕事にチャレンジしながら、今後の方向性を探ることにしました。

現在では、複数社と業務委託契約を結び、説明会やプレゼンで使用する資料の作成、図解やインフォグラフィックなど資料内で用いるイラストの制作などの依頼を受けています。また、デザイナーとしてデジタルパンフレットやリーフレットなども制作しています。

資料作成のスペシャリストが集まるチームとは?

──資料作成のスペシャリストが担当する「資料作成プレミアム」とは、どういったサービスでしょうか?

HELP YOUの資料作成代行サービス「資料作成プレミアム」では、お客様の伝えたい内容を整理し、高品質な「伝わる資料」をオーダーメイドで作成しています。

クライアント企業から依頼されたプレゼン資料や会社説明会用の資料、研修資料などの作成を、1つの案件に3~4名で対応します。案件により異なりますが、平均すると1案件10〜20枚くらいの資料をご依頼いただくことが多いです。

構成、デザイン、チェック、アドミン(進行管理)と役割が分かれており、主にアドミン役がクライアントとやりとりします。1案件を、チームで対応するので、完成した資料を複数の目でチェックしている点も特長です。私がジョインした2021年当時は5名でしたが、現在も10名の少数精鋭メンバー(※)で対応しています。
※「資料作成のスペシャリスト」と認定されるためには、過去に作成した資料の審査に合格する必要があります。

──スペシャリストチームで仕事をするには、Illustratorのスキルなども必要でしょうか?

「資料作成プレミアム」では、基本的にPowerPoint形式でクライアントに納品するので、Illustratorのスキルは必ずしも必要ではありません。しかし、Illustratorが使えると、ビジュアル表現の幅がぐっと広がりますし、「伝える」ためのツールを複数持てるので、強みとなります。

Illustratorは、PowerPoint上にはない質感を足したり、立体的なグラデーションやイラストを作ることが可能です。私自身はIllustratorで作ったパーツをPowerPointに配置するなどして、デザインの提案の幅を広げるようにしています。

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失敗から学んだ資料作成のコツ

──資料作成をするうえで、大切にしていることはありますか?

旅先のノルウェーにて仕事中の田野倉さん

「伝わるかどうか」を大切にしています。
クライアントが私たちに資料作成を依頼する理由は、資料そのものがほしいのではなく「何らかの課題を解決したいから」であることを、いつも頭の片隅に置くようにしています。たとえばサービス資料なら「自社サービスの認知を広げたい」、採用説明会資料なら「望む人材を自社の応募につなげたい」など、課題を解決するためのツールの一つとして資料が必要なのです。

「資料作成プレミアム」でも「伝わる資料を作る」ことを目標としていますが、私自身は「伝わる資料」=「読み手が行動を起こしてくれるような資料」だと捉えています。資料を通じて読み手に行動を起こしてもらうには、機能的な部分(ロジック)だけでなく、相手に訴えかけるための情緒的な部分(ストーリー性やデザイン性)の両方が大切だと考えます。

資料作成においては見た目のおしゃれさやセンスが求められると思われがちですが、いくら見た目が良くても内容が薄ければ、資料の機能としては不十分でしょう。一方で、いくらロジカルな構成であっても、ストーリーやデザインなど情緒的に訴えかける要素がなければ、なかなか読み手の行動に結びつかないのではないでしょうか。

──フリーランスが資料作成を上達させるために、必要だと思うことは何でしょうか。
1つ目は、自ら学びにいく姿勢だと思います。
フリーランスの働き方は、会社員とは異なり、自ら動かないと学ぶ機会が得られません。私も、資料作成の仕事を始めたばかりの時は、視覚的に訴えかけられるビジュアルを作りたいと思い、本やオンライン講座などを活用してデザインを独学で学びながら、仕事を請けていました。

HELP YOUの資料作成案件では、複数人で資料を作る機会もあります。上手な方がいたら、どのようなところがなぜ良いと感じたのか、自分の中で言語化してみると練習になるかもれません。

2つ目は、案件の場数を踏むことだと思います。
知識をインプットするだけでなく、場数を踏むことも同じくらい大切です。案件を重ねるほど「ボールの打ち返しかた」が分かってきて、変化球にも対処できるようになります。私自身も、ジョイン当時は知識や経験が少なかったのですが、実際に手を動かして案件を担当するうちに、自発的に提案ができることが増えてきました。

やっと「ボールの打ち返しかた」がわかってきたのはフリーランスになって1年たった頃でしょうか。デザインだけでなく構成も提案するのか、どのようなテンプレートを作ったら納品後もクライアントが使いやすいのかなど、これまでの経験をもとに何を提案したらよいのかが、判断できるようになってきました。

また、作成する資料の枚数が多ければ多いほど、主観的になってしまい、客観的に見られなくなることがあるので注意が必要です。私は、作成したその日には提出せず、次の日の朝に再度全体を見直してから提出するようにしています。

──資料作成の仕事を請けるうえで、外せないコツはありますか?
納品物のイメージをクライアントとすり合わせることです。クライアントの考えるイメージと私の考えるイメージが異なっていれば、何度もやり直しが必要になってしまいます。

実は、このことは経験から学びました。
フリーランスとして活動を始めた頃、HELP YOUではないのですが、最初にクライアントと確認したコンセプトの認識が異なり、何度もやり直しをしたことがあります。当時のことを振り返ってみると、失敗した原因は言葉ですり合わせようとしていたことだと考えられます。

クライアントから「ワクワクするイメージ」と言われたときに、私が考えるイメージとクライアントが考えるイメージは異なるかもしれません。そのときに、簡単なイメージ画像を見せるなど、視覚的に認識合わせを行えば、何度もやり直すこともなかったのだと思います。

資料作成は、後になればなるほど後戻りが大変です。今でも依頼時に「お任せ」と言われることがありますが、その場合には最初に複数案を提案して、クライアントと認識のすり合わせをしています。

【MEET UP2022レポート】60分で変わる!?パワポ資料作成講座-「みる」「つくる」「比べる」でスキルアップする新感覚ワーク-

伝えることの楽しさを発信したい

──田野倉さん自身は、これからどのようなキャリアプランを描いていますか?

トレッキングに訪れた浄土平湿原

まずはクライアントの満足を第一に日々の仕事に取り組むのが目下の目標です。スライド資料の作成依頼を受けることが大半なのですが、インフォグラフィックや図解、イラストなど、何かを「伝える」ことにおいて資料作成以外の方法もスキルアップし、クライアントの求めることに幅広く対応できるようになりたいです。

また、まだ思い描いている段階ではあるのですが、いずれは資料の枠を飛び越え、「伝えることの楽しさ」を発信できるような仕事もしてみたいと思っています。
自分の考えを表現して人に伝えることは、学生から社会人まで、人生のあらゆる段階で求められるスキルではないでしょうか。私は幼い頃から、自己表現が苦手でした。でも資料作成の仕事と出会ったことで、視覚的に情報整理をしたり、ビジュアルで表現することで、コミュニケーションを手助けする役割を担えるかもしれないと感じたのです。

そこで、PowerPointなどの身近なツールを活用し、視覚表現の可能性を伝えるワークショップが開催できたら楽しそうだと考えています。

──最後に、これからフリーランスとして資料作成を請け負っていきたいと考えている方へ、メッセージをお願いします。

豪雪地帯の只見町にて、お子さまと2ショット

資料と聞くと「会議資料」などを連想し、退屈でつまらないと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、私は資料作成の仕事を行えば行うほど、単なる情報伝達手段ではないということに気付かされました。伝え方やビジュアルによる表現次第で、読み手に行動を促したり、人と人を結ぶコミュニケーションツールの役割を担ったりすることが可能です。

もし資料作成の仕事に興味関心を持っている方がいれば、実際に手を動かし、その奥深さに触れてほしいと思います。

私は、フリーランスになった当初から資料作成をメインの仕事にしようと思っていたわけではありません。しかし、「これまでのスキルや経験を通じて人の役に立てる」「仕事をしている時間が楽しい」と思うことができたのが、資料作成の仕事でした。

資料作成の仕事に限らず、フリーランスとして働くことに関心があり、何を仕事にすればよいのかと悩んでいる方がいたら「人からよくほめてもらえる(=人の役に立てる)」「この仕事をしている時間が楽しい」と思えるようなことを、興味のおもむくままに突きつめてほしいと思います。

自分がつくった資料で、クライアントに「すごくわかりやすいですね」「素敵ですね」と満足いただけたときは、本当に嬉しいですよ。

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まとめ

資料作成を楽しいと感じ、自ら学び続ける田野倉さん。そんな田野倉さんの資料作成に対する姿勢が、次々と新しい依頼を呼び込んで来るのだと感じました。また、自分の好きなことを突きつめて仕事にすることや物事を上達させるために大事な心構えなど今回の取材を通して資料作成のみならずフリーランスとしても大切なことを教えていただいた気がします

田野倉さんの所属するチームは資料作成に特化したチームです。このようにフリーランスでありながら、プロとしてチームで仕事ができ、さらに技術を高め合えるのはHELP YOUならではの魅力ではないでしょうか。

▶︎ フリーランスでもチームで働ける。HELP YOUに興味を持った方はこちら
https://va.help-you.me/

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