翻訳で稼ぐには?フリーランス8年生に聞いた勉強法
フリーランスの魅力は、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に働けること。一方、フリーランスで安定して収入を得るには、常に学び、自身の市場価値を高め続けることが不可欠です。
今回お話を伺ったのは、オンラインアウトソーシングのHELP YOUで活躍し続けて8年目の才田千智さんです。「翻訳」と「ライティング」の分野で、HELP YOU内外から高い評価を得ています。なんと、どちらの分野も実務未経験からのスタートだったそう。
ご本人が未経験の業種にチャレンジすることになった経緯、意外な勉強法、そして長く在籍して分かるHELP YOUの魅力を聞きました。才田さんの歩んだ軌跡から、長期的に活躍するためのヒントがきっと見つかるはずです。
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目次
インタビュイー
ライター
「リモートワーカーだけで仕事ができるの?」という衝撃
HELP YOU(※1)に入るまでのことを教えてください。
元々は特許事務所で働いていましたが、長女出産にあたり育児に専念をするため退職。長女が幼稚園生になった時、次女を妊娠中でしたが仕事探しを始めました。ですが、次女は出産直後にダウン症であることが分かり、病院や療育に通うため仕事探しはいったん見送ることにしたのです。
※1 在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。
その後、また働くことを考え始めたのはどんなきっかけだったのですか?
次女が幼稚園に上がったのがきっかけです。次女は幸い元気に育ってくれて、長女も小学生になり、時間ができたので再び仕事をしようと考えました。ただ、私が住む郊外エリアから東京都内へ通勤するとなると、ドアツードアで最低でも1時間弱はかかります。また、小学校や幼稚園の急なお迎えなどに対応しにくいため迷っていました。
ある時友人と雑談をしていると、偶然仕事の話になったのです。彼女は、パートナーの仕事の都合で海外も含め各地を転々としているので「仕事をしている」と聞き、驚きました。「え!?どんな仕事をしてるの?」と、色々聞きだしたところ、リモートワークをしているとのこと。
場所や時間にとらわれずに働けることに大きな魅力を感じ、応募することに。仕事を離れてから何年ものブランクがあったので、採用される自信はありませんでした。とはいえ、仮に今回不採用だったとしても、今後の学びになるという気持ちで臨みました。合格した知らせを聞いたときはびっくりしました。
偶然がきっかけだったなんて!今でこそリモートワークという働き方は浸透していますが、当時は一般的ではなかったのでは?
HELP YOUではメンバー全員がフルリモートワークをしていると聞き、「リモートワーカーだけで仕事ができるの?」と衝撃を受けました。入社手続きやセットアップに関する質問をすると、すぐに回答が返ってくるので「さすがに人事・労務関係者はオフィスに出社して対応しているのだろう」と思っていたら、後でリモートで対応していたことを知り、驚いたと同時に、画期的な働き方だと感銘を受けました。
未経験だった「翻訳」「ライティング」が仕事の中心に
現在は、翻訳とライティングの分野で活躍されていますが、最初は未経験だったそうですね。どのように始められたのでしょうか?
ライティングに関しては、文章を書くことが好きだったものの、仕事にしたことはありませんでした。ただ、前職で社内のメールや文書をまとめることが多かったので、「自分にもできるかも」という思いがあり挑戦。仕事の中で実践しながら工夫や改善を重ねて学びました。
翻訳は、和訳の経験はありましたが、英訳は難しくて自分にはできないという思い込みがありました。ある時、HELP YOU内で英訳担当者を募集しており、なかなか引き受ける人が見つからない状況でした。勇気を出して引き受けることにしたのです。
実際に翻訳の原文を受け取ると、どこから手をつけていいかわからない状態。書かれている日本語を深く理解し適切な訳をするために専門用語のリサーチをするのにも時間がかかりましたが、工数が決まっていたので翻訳との時間配分も気にしなければならない。途中で投げ出すわけにもいかず、手探りの状態で行いました。提出する瞬間は本当にドキドキしましたね。
このお仕事をきっかけに英訳の仕事を始めることになったのです。
まだ経験が浅かった頃は、どこに時間がかかりそうか、どこが難しいのか、など見積もりが困難に感じました。簡単だと思っても予想以上に難しい場合や、追加で情報を調べなければならない場合もあり、当初見積もっていたより時間がかかってしまうことも。
この経験から、事前に把握すべきことを確認する他、発生し得る作業を想定し、タスクを細分化して見積もることで、より正確な工数を出せるようになりました。
色々な経験を生かして今の才田さんがいらっしゃるのですね。
長く経験を積んでいると、高く評価された部分だけがピックアップされて、すごいと思われがちです。しかし、時には「クオリティが希望と違います」というフィードバックを受けることもありました。
そのような瞬間は、クライアントに申し訳ないやら悔しいやらで「もうやめたい」と思うこともありました。ですが、「本当にやめたいのか」と自問自答してみると、「やっぱりこの仕事が好きだから、続けたい」という気持ちが本音でした。そうしてまた、改善していこう、と決意できるのです。
素晴らしいですね。自分の好きなことに真っ直ぐ向き合う姿勢が、継続につながっているのだと思いました。ところで、HELP YOUには、秘書や営業事務、経理、人事など、幅広いお仕事がありますが、その中でも才田さんが翻訳・ライティングの2つに分野を絞った経緯をお聞かせください。
最初の頃は色々な仕事を受けて、業務量を増やしていました。業務量に応じて収入も増えることに喜びを感じていたからです。ですが、仕事が増えすぎて自分の心に余裕がなくなってしまいました。そんな時、「自分はどんな風に仕事がしたいのか」「何が一番大事か」を改めて自問してみたのです。
そうすると、仕事だけでスケジュールを埋めるのではなく、時々余白をつくって、スキルアップや趣味に没頭する時間に充てることも大切だと気が付きました。そうすることで仕事にも新鮮な気持ちで向き合え、「勉強で身につけたスキルを仕事でも使ってみよう」と楽しむ側面も増えていきます。
この考え方が転機となり、せっかくなら自分の好きを伸ばして、仕事をしていきたい、と思いました。翻訳とライティングの2つの軸に絞ったのはそのためです。
定期的に仕事の棚卸しをして、業務の量や内容を調整できるのが、HELP YOUの良いところの一つです。
勉強のコツは「勉強からあえて離れる」こと!?
元々英語は得意だったのですか?
私が初めて英語に出会ったのは、中学生の時です。当時は子ども向けの英会話スクールなどは一般的でなく、それまで英語の知識は全くと言っていいほどありませんでした。りんごは英語で「ringo」だと思っていたほどです。初めて出会った英語について勉強しなければ、と決意しました。それから、NHKの語学講座などを利用して学習を続けてきました。
英語の教師を目指していた時期もありましたが、英語を学んで人に教えるよりも、英語をどう使っていくかの方に興味があることに気付き、英語学部でも教育学部でもなく法学部に進学。その後、特許の翻訳をしたいと考えて特許事務所に入りました。実際特許の翻訳は専門用語も多く難しすぎたのですが、特許の出願から権利化まで一通りの流れを学ぶことができました。
仕事で成果を出すために、ご自身で勉強されていることはありますか?
私は机上で知識を身につけることに加えて実践、つまり仕事を通じてスキルアップを目指すようにしています。なぜなら、実践からしか得られないノウハウがあるからです。幅広い翻訳案件を扱うHELP YOUは、そうしたノウハウを習得する機会にあふれています。
具体的な翻訳案件の例として、契約書、社内文書、提案書、ブログ、ホームページなどがあり、内容に合った表現を選ぶことが必要です。「文法的に間違いではないけれど、この媒体には適していない気がする」という感覚は実践の場だからこそ養うことができます。
また、翻訳文を「書く」だけではなく「読む」機会があるのもHELP YOUの魅力です。翻訳の正解は一つではなく、他のメンバーが作成した英文をチェックしていても自分が想定したものと完全一致することはほとんどありません。翻訳者がどういう意図で翻訳しているのかも考えてチェックするようにしています。
これらの経験は実践の場でしか培えないことです。一つの仕事から得たノウハウを次の仕事に生かし、経験を積み重ねるようにしています。あくまでも、質の高い成果物を提出することが前提ではあるものの、結果的にスキルアップにつながっています。
また、「勉強からあえて離れること」も重要だと考えています。
勉強から離れるのですか!?
例えば資格などは語学学習にとって必要な時期ももちろんあるのですが、合格や高得点ばかりに執着してしまうと、その枠から出ることができなくなってしまいます。
私は英語圏の人がSNSなどで実際に使っている英語に触れるようにしています。
あと意外と重要なのが、普段から分からないことをこまめに調べることです。私は他の人よりもGoogle検索の頻度が高いと思っています。英語に限らず日本語の表現や、ニュースに自分の知らない国が出てきたりすると、すぐGoogle検索を利用します。
それはとても大事ですね!分からないことがあっても、特に調べずにスルーしてしまいがちなので。
はい、こまめな検索の積み重ねが今の仕事にも生きていると感じています。
占い、翻訳、ライティング、みんな本質は同じ!?
才田さんはHELP YOU内で多趣味な方として知られています。例えば、英語に加えてフランス語も勉強されているとお聞きしました。
はい、フランス語は仏検3級(※2)まで取得しました。長年英語を学んできたので、語学をマスターする方法って他の言語にも有効なのか気になって、全く知らない言語にチャレンジしようと思って始めました。
※2仏検…正式名称を実用フランス語技能検定試験といい、フランス語の能力を客観的に測る日本独自の試験。3級はフランス語の基礎を一通り習得した状態で、標準で200時間以上の学習時間が必要。
独学で仏検3級まで取得するのは素晴らしいことです。それに加えて、才田さんは占いもお得意だとか。
得意ではありませんが、好きですね。実は占いの本質は翻訳やライティングと一緒なんですよ!
それはとても興味深いですね。どういう点が一緒だと思われますか?
翻訳も占いも、そしてライティングも目の前にあるものを言語化する点ですね。まだ形になりきっていないものを整えて明確にするのが、本当に好きなんだと思います。
バラバラなことをしているように見えて、実は私の中では一貫しているのです。
この場にいて良かったと思える、HELP YOUの魅力
改めて才田さんから見たHELP YOUの魅力を教えてください。
「人」が面白いですよね。さまざまな経験、背景や能力のある方がいて、話を聞くたびに引き込まれてしまいます。普段生活していると、母親同士や近所の友人など出会いというのは限られてしまいがちですが、それ以外で色々な方に出会える機会があるのは素敵なことです。
「くらしと仕事」で一緒に働く仲間のインタビュー記事を読んでいると、子連れで海外に移住する話や、最近は男性も子育てのために働き方を変えているという話を聞いて驚きました。仕事以外でゆっくり話をすることはできないことが多いですが、個性豊かなメンバーに出会うと、ついつい突っ込んで話を聞いてしまいます。この場所にいられてよかったと思います。
また、HELP YOU運営チームのフットワークの軽さも魅力の一つです。
例えば、HELP YOUではメンバーの居住地の名産品や特技を生かしたモノ・コトを販売するオンラインマルシェが年に1度開催されています。毎年魅力的な商品ばかりで、つい散財してしまいます。
実は私も今年、占いと英語学習相談で出店することになりました。今までは、自分で出店するのは経験もないし難しいと考えていました。その思いを前年度のアンケートに書いたところ、今年は運営チームが簡単にできる方法のアドバイスをしてくれたので実現することができたのです。
このように、HELP YOUは「挑戦したいけど方法が分からない」と思っている人に、可能な道を提案し、後押しをしてくれる、そしてマルシェのようなメンバー全員が楽しめる場所を提供してくれる、それが本当に魅力だと思います。
誰かの学びのきっかけとなる存在へ
才田さんの将来の展望についてお聞きしたいです。
一通りの翻訳やチェックは経験することができたので、次のステップ、つまり後進を育てる段階に差し掛かっていると感じています。とはいえ、教えることはあまり得意ではないので、手取り足取り教えるのではなく、素材や情報を提供し、その人たちが自由に学ぶことを促したいと考えています。誰かが学ぶきっかけを引き出す、そんな存在となることを願っています。
まとめ
同時に、HELP YOUは好奇心を持って挑戦し、努力し続ける人を応援する仕組みが整っていることを改めて実感しました。その仕組みがあるからこそ、才田さんをはじめ多様な働き方をするメンバーが集まるのではないでしょうか。
もし、色々な背景を持つ人に刺激を受けながら働きたい、フリーランスとして面白く働き続けたいとお考えであれば、 ぜひHELP YOUへの応募を考えてみてください。新しい出会いや発見が待っているかもしれません。
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