アラフォーから在宅ワークを始めた専業主婦の漂流記
フリーランス、在宅ワークのキャッチコピーとして「自由に仕事が出来るから子育てママにはぴったり!」という言葉は常套句となりつつあります。こう聞くと、ついバラ色のワークライフバランス像をイメージしますが、実情はどうでしょうか。
もともと慎重派の私がフリーランスとなって、もう半年が経ちました。専業主婦歴8年を経て40歳で「社会に戻りたい!」と決意したとき、なぜフリーランスを選んだのでしょうか。厳しさを覚悟してからたどり着いた、在宅ワーママの現実とは?
目次
ライター
もう会社や組織や国のルールに振り回されたくない
埼玉ムーミンバレーパークの撮影スポットで
3年前の私のTwitterを見ると、「玄関に着くやいなや泣いた」というつぶやきが目に止まります。この日はちょうど、幼稚園3歳児保育の抽選会に見事に外れた日でした。18名定員に22名の希望者。私はまさかの22人目(実話)。「こんなことってあるの?」と現実を受け入れられず、呆然としてしまいました。
当時ワンオペ育児に疲労困ぱいしていた私は、この保育に賭けていました。そして、やっと子供を預けられると大きな期待を寄せていたので、この残念な結果にとことん落ち込みました。
改めて考えると、なんでこんなに環境に振り回されなければいけないのか。夫の転勤や保育の受け入れ体制など、社会事情は理解できます。しかし、そこを踏まえても余りあるほどに、世間は家事や育児といった日常の現実を無視していないでしょうか。
子供を預けないで働く方法なんてある?
しかし、落ち込んでばかりもいられないので、とりあえず現実を受け入れて、子供を預けないで働く方法はないのかなと探してみました。
ネットで検索すると、在宅ワーク、フリーランス、いろいろなキーワードが出てきます。ぼんやりとパソコン画面を眺めますが、専業主婦歴10年弱の私には、どれもこれもハードルが高く思えてしまう。
それでも在宅仕事を求めて派遣登録を試みました。しかし、やはり出勤が前提で、働くためには下の息子を一時間離れた実家に預け、上の娘も学童へと預けなければならないという問題が噴出して、頓挫したのでした。
もう、今度は腹が立ってきました!
いっそのこと正社員を目指して幼稚園生の息子は保育園に、小学生娘は学童か!と思うものの、今度は家事と育児の問題がひょっこり顔を出します。一人で毎日家事と育児、そして仕事を回すなんて曲芸です。夫にそれらをお願いするとしたら、激務に近い仕事のため転職を考えなければならない。そこまでの思い切りはさすがに難しかったです。
在宅フリーランスで、専門性を高められる仕事?
さて、そうなると私の働き方の正解とは何でしょうか。「思い切って専門性を身に着け独り立ちするべきなのでは?」と、私はここで本気で考え始めたのです。
そんなときに、以前から「在宅ワーク」という検索でひっかかっていたHELP YOUが気になってきました。
HELP YOUは経験がなくても実績を積める様子。なぜそんなことが可能なのか当時は分かりませんでしたが、それが自社の掲げる企業理念やビジョンに基づいているのだと、今では納得できます。
特に「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンから、メンバー自身がさまざまな仕事の選択肢を増やすために、各々スキルを身につけて欲しいのだと感じています。
入会の際ちょっと厳しめな仕事体験が課されますが、そこをクリアして、意欲があればチャレンジ出来る環境があるのです。
実際に、先日はPPT資料作成育成プロジェクトの募集がありました。ライティング初心者の私も、この「くらしと仕事」でデビューしました。「とにかくチャレンジさせてくれる」「ダメでもまたガンバレ!」と言ってくれる土壌があるから、スキルアップの意欲を高めることができます。
相当厳しいと思っていた報酬面
半年前、報酬単価を見てこれは厳しいなぁと思っていました。でも、同じような登録会社も大体単価は同じ。専門性を有していない場合は仕方がないと考えていました。
今後、独り立ちしたいと考えるならば、まずはこの単価で踏ん張ってノウハウを学ぼう。そのためにはまず、継続的な仕事を得たうえで、「スキルを伸ばせる仕事にチャレンジしよう!」「仕事の選り好みはする!」と決心しました。その結果、現在HR(HELP YOU運営)の仕事と、ライティング、オンラインファシリテーターの三本軸で働いています。
当初希望していた報酬は入会後3ヶ月でクリア!自分でお金を得られることが、こんなにも自分を自由にしてくれて嬉しいものだと、報酬が入金されたときは、一人自宅で小躍りしました。
ルワンダ、トルコ、ニューヨーク、静岡、山形、大阪、神奈川のメンバーが集うHRチーム
地球儀でルワンダの位置を確認。赤道に近いけど、日本より涼しいこともあるんだって!
HRチームの人事業務は思っていたものとは違って、入退会の手続きやメンバーからの問い合わせ対応、簡単なシステム周りの仕事です。
今、HRチームは「グローバルHR」と銘打って、24時間対応出来る体制を整えつつあります。現在はルワンダ、トルコ、ニューヨーク(以下NY)、ドイツ、ケニアと世界各国のメンバーがチームに在籍しています。
ミーティングでは真夜中のNYとオンラインでつなぎ、NY担当者から「基本的に涼しいから部屋にはエアコンがない」など、現地の様子を聞いて驚くこともしばしば。
また、トルコのメンバーがウクライナ戦争の影響を話してくれたりと、日本にいるだけでは知り得ない世界の実情を、思いがけず知ることもできます。
専業主婦時代の行動範囲は半径1㎞程度でしたが、たったの半年で一気にグローバル化。人生というのは分からないものです。
最近、子供達も地球儀を前に世界各国の話をして欲しいとせがむようになりました。「ママは今日こんなに遠いところにいる人とお話しをしたんだよ」と地球儀を指して話すと、「どんなところなの?」と調べてみたり、子供達の世界も一緒に広がっている気がしています。
新しいシステム、新しいツールを知る喜び
HRの仕事のなかで、とにかく楽しいのは新しいシステムに触れることです。Googleの「スプレッドシート」という言葉すら知らなかった私は、初めて見る各種ツールに「こんなことが出来るようになったのか!」と驚きを感じる毎日。一方で、私は8年間どれだけ世間から取り残されていたのかと苦笑いしてしまいます。
特に、先日RPAというツールを使って、作業が自動化された時の喜びたるや、関係者全員神輿に担いで一人で持ち上げたくなる気分でした。作業イメージ動画が送られてきたときは、驚きと感動で「すごい!」と叫んでしまいました。10項目以上の作業が、全て自動的に行われるのです。
ミスも無くなり、精神的な負担も減り、他の業務に丁寧に時間を割くことが出来るようになりました。
ライティングとオンラインファシリテーションの仕事
オンラインファシリテーションの仕事は、担当が無くとも二日に一度は練習しています。
自分の得意業務と報酬目当てで初めた仕事がHRの仕事であるならば、ライティングとオンラインファシリテーションの仕事は、私の好きとスキルを伸ばしたくて始めた仕事です。
活字が好きで学生の頃から夢に見ていた物書きの仕事。まさか40歳で夢が叶えられるとは思いませんでした。そろそろ本格的にライティングの勉強を始めたいと考えています。
オンラインファシリテーションもプレゼンが好きだった私には、楽しい仕事の一つです。プロの司会経験がある方がいて、口語表現についてレクチャーを受けることもあります。そんな「目から鱗」の司会スキル情報が、日々私の糧になっています。
朝のおねしょ対応だって大丈夫
ワークとライフのバランスについてはバッチリ可能です。以前、息子がベッドにおねしょをしてしまいました。その日は雨天。コインランドリーに直行!と思い「午前中はこの理由でパソコンを開けられない状況です」と、各担当者に連絡しました。
乾燥待ちの車の中、スマホで仕事の連絡を取っていたところ、システム担当の方が「早く復旧しますように」とメッセージをくれました。おねしょシーツが復旧!?と大爆笑でしたが、こんな状況を許してくれる環境にとても感謝しています。
平日の習い事も余裕だが、正社員との差はもちろんあり
夏休み中平日の習い事対応もOK
夏休みの平日、息子のサッカー送迎と見学、ボーイスカウトに所属している娘の平日送迎も余裕です。「おねしょ処理で午前中はコインランドリー」を笑って許してくれる職場ですから、外出も問題ありません。フリーランスとして、時間や場所に縛られず働ける環境の中、自分の仕事をきちんとこなせば、こういった状況でも対応可能です。
正社員を選んでいたら、間違いなく許されないこの環境には満足していますが、反対に稼げば稼ぐほど、正社員が受けるような社会保険制度などの優遇はなく、個人事業主として自分で全て負わなければなりません。
「時間や働く場所は自由になるけれども、すべて自己責任」に納得するのか。或いは「就業時間の制限や、出勤、やりたくない仕事も引き受けるけれども、その分制度の優遇を受けるか」といった選択は各々違うでしょう。
どちらの選択をしても、自分らしく働けるのであれば、それが正解なのだと思います。
しかし私が正社員ではなく、この働き方を極めたいと思うのは、前述の幼稚園の抽選会に落ちた経験から国の制度を知りたいという思いがあることと、自分の力を試してみたいという気持ちがあるからです。
何よりビジョンに共感。「人」の良さに助けられている
毎日楽しい!しかない
夫から最近「今の仕事に出会えて良かったね」と声をかけられます。それだけ私は以前よりもいきいきとしているようです。
正直、今はこの仕事だけで生計は立てられません。しかし、この先もっと専門性を高めて、3年後、5年後には夫の収入に近づきたいと考えています。
しかし、継続して目標を達成するために一番重要なことは、実は報酬ではなく、また業務内容でもない、同僚にあるのかなと思っています。
HRチームの上司が、以前新しいシステム導入の際に「これでメンバーの皆、楽になるかなぁ」と、ミーティングでつぶやいていたことを思い出します。彼女にとって仕事の喜びは、メンバーの利益や利便であることが、日々の発言で垣間見えるのです。
そして、同僚であるメンバーはとにかく皆さん本当に優秀。学ぶべき事が大変多い。自分の生き方をコントロールしている方々を多く見受けられることは、私に勇気を与えてくれ、この組織に所属していることをとても誇らしく思わせてくれます。
まとめ
しかし、考えていくにつれ、子育てや家事などと両立するためには、この働き方が今のベストなのではないかと思っています。
とにかく働きたい。だけど「アルバイトではなく、きちんと自分のキャリアを高めたい」「家事育児とのバランスも取りたい」そんな希望を持って夫と沢山話し合い、在宅ワークに賭けてみました。
とにかくチャレンジだけしよう!と、一歩踏み出してからあっという間に半年経って、取り巻く世界が激変しました。勇気を持ってエントリーボタンをクリックして本当に良かったです。
皆さんも、世界を広げたい、自分のキャリアをもっと広げたいと思ったら、是非一度チャレンジしてみませんか。
トップ画像 ボーイスカウト神奈川連盟相模原第五団提供
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