炎上トラブルは他人事ではない。SNS投稿の際に気をつける4つのポイントとは
「炎上が怖くてSNSはやりたくない」という方も、はたまた「SNSはやっているけれど、炎上なんて自分とは無縁だ」と思っている方も、まずは炎上トラブルについて正しく理解し、SNSと上手に付き合う方法を改めて考えてみませんか?
当社・株式会社ニットで広報を務める小澤美佳は、約3年前に企業の広報活動の一環として個人アカウントでTwitter運用を始め、今ではフォロワー数が3万人以上に。日々Twitterで情報を発信し続ける彼女も、炎上トラブルには常に気をつけているといいます。
前回に続き本記事では、小澤のTwitter運用経験から、SNSを正しく活用するための糸口を探ります。炎上が起きるメカニズムとそのきっかけ、投稿時に気をつけるポイントを知ることで、SNSとの向き合い方を今一度見直してみませんか。
目次
ライター
炎上のメカニズムを7つのフェーズに分けて解説
炎上を起こさないためには、その火種を作らないことが何よりも重要です。そのために、まずは炎上が起こる流れを理解し、気をつけるポイントを押さえましょう。
炎上までの流れ
①投稿
┗この時点では炎上していない
②最初の拡散
┗違和感を持った少数の人が拡散する
③最初の炎上
┗同調した人たちが、さらに拡散する
④メディアが注目
┗炎上をメディアが取り上げる
⑤メディアを発端に炎上
┗投稿を知らなかった人も検索し、それを拡散する。個人情報の詮索も始まる
⑥マスブロガーも言及
┗著名人が取り上げることで、ますます拡散される
⑦各方面から注目
┗インターネット上だけでなく、リアルな日常にまで影響が及ぶ
最初の火種は、ごく小さなものがほとんどです。また、本人に悪意はなく、その大半は「うっかり」というケースが多いというのが小澤の所感です。
しかしその小さな火種も、それを目にした人によって少しずつ撒かれれば(②)炎上してしまいます。その炎上はメディアを媒介することにより、さらに燃え上がり、大炎上を起こします(⑤)。この段階までくると、同調圧力が働き、当初は何も感じていなかった人たちまでもが「確かに酷いな」と考えるようになってしまい、もはやその流れは止められないものになってしまいます。
炎上のきっかけは「うっかり」ケースが多い。
つまり、炎上は誰にでも起こり得るのです。大切なのは、火種となる「うっかり」した発信をしないことです。そのためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
炎上させない4つのポイント
小澤は、炎上を避けるために気をつけるポイントを4つ提案しています。
②機密情報や不確かな情報を露出しない
③差別/誹謗中傷をしない
④社会/常識に反した発言をしない
「こんなこと当たり前だよ」と思われた方、そうです。ほとんどの炎上は意図的ではなく、「うっかり」が原因となるケースが多いとお伝えしたように、このような当然の注意を怠ってしまった結果、炎上に発展することが少なくないのです。
例えば、「◯◯業界最大手のあの会社の案件を担当することになりました!」「もうすぐ〇〇社との業務提携が決まりそう!」など、会社の経営や取引状況が露わになるような投稿はしていないでしょうか? 名称こそ書かずとも、企業の情報が特定されるような書き方には十分に気をつけなければなりません。
つまりは、投稿をする前に一呼吸置くということが大切です。「この投稿によって、誰かを傷つけないだろうか」「誰かの個人情報の流出につながらないだろうか」と、一度冷静になってイメージしてから発信する癖をつけましょう。
投稿内容を見直し、一呼吸置いてから発信する。
社員の炎上トラブルに対する企業側の対策も
また、個人でのSNS運用がさらに加速していくと考えられるこれからの時代、企業としても、以下のような対策を講じる必要があると小澤は言います。
・ソーシャルメディア利用におけるガイドライン制定
・炎上が発生した際の社内レギュレーション制定
弊社でもこれらの取り組みが進められ、2022年5月、ソーシャルメディアの運用ポリシーを制定し、広報ガイドラインとして全メンバーに周知しました。これは、トラブルを恐れてメンバーに制限をかけるものではありません。むしろ、SNS発信等で注意しておくべき点、NG事象やヒヤリハットを正しく理解することで、メンバーがさらに安心して発信できる環境にすることを目的としています。
炎上トラブルについて理解を深めることは、SNSを上手に活用する上で不可欠です。その先にあるSNSを通じて体験できるポジティブな側面に、多くの人が出会えますように。
ヒヤリハットを正しく理解することが、炎上回避の第一歩。
まとめ
それでもなお「リスクを恐れてSNS発信を止めるのではなく、リスクを理解した上で『関わる人への愛』を持ち、SNSを有効に活用する人が増えたら嬉しい」というのが、小澤の想いです。リスクの裏側にある多くのメリットにも目を向け、上手にSNSを活用していきたいですね。
アイキャッチデザイン/今泉香織
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