2017年9月9日 更新

完成した「働き方改革実行計画」。女性が注目すべき5つのテーマ

働き方改革実現会議がとりまとめた計画のポイントを解説

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政府は3月28日、働き方改革実現会議を開き「働き方改革実行計画」を決定しました。これについて安倍総理は「日本の働き方を変える改革にとって、歴史的な一歩である。」と発言しています。

昨年9月から有識者らで会議を重ね検討された内容は多岐に渡りますが、女性が働く上で特に注目の5つのテーマについてご紹介します。

 

 

1.非正規雇用の処遇改善

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非正規社員にとって今後待遇差改善のチャンス!

安倍総理が「世の中から『非正規』という言葉を一掃していく」と宣言し、特に注力したテーマです。昨年末に策定された「同一労働同一賃金ガイドライン案」を元に、今後国会審議を踏まえてパートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の改正を進めていくことになりそうです。

ただし、法施行の実施時期については企業活動に与える影響の大きさを鑑み、十分な準備期間を設けるとされています。

「同一労働同一賃金ガイドライン案」で示された賞与や福利厚生など具体的な取り扱いについては、こちらの記事でご紹介しています。

基本給のほか賞与や福利厚生も。「同一労働同一賃金ガイドライン案」で示された具体例 - くらしと仕事

基本給のほか賞与や福利厚生も。「同一労働同一賃金ガイドライン案」で示された具体例 - くらしと仕事

 

2.長時間労働の是正

時間から質の評価へ。時間に制約があっても活躍の場が広がるチャンス!

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先日「上限規制案」についてご紹介した記事では、「年720時間」の月あたりの上限を何時間にするかということが争点となっていましたが、経団連、連合の両会長と安倍総理の会談を経て「月100時間未満(休日労働を含む)」の残業を容認する形で決定しました。

労働基準法で定められた「1日8時間、1週間で40時間」を超えて労働させる場合、今までは労使で協定を結べばいくらでも長く働かせることができました。今回の計画では、その上限を「原則月45時間、年間で360時間」とし、これを超えると罰則が課されることになります。ただし、一時的に業務量が増加する場合、「年720時間」までは時間の延長を認めるという特例も認めることとなりました。

また、初期の規制案では触れられていなかった「インターバル規制」についても、法改正により事業者の「努力義務」とすること、国として制度の推進をすることが明記されています。既に試験的に導入されている企業も多く、今後広がりを見せそうです。

「インターバル規制」についてはこちらの記事で概要をご紹介しています。

幸せにくらし、働くための第一歩。最低限の休息を確保する「インターバル規制」 - くらしと仕事

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自動車の運転業務等、現在は適用除外とされている業種もあり、いくつかの業種は期間的猶予や特例を設けつつ、今よりも厳しい規制を課していく方向です。全体としては過度な働きすぎがないよう、これまで以上に行政による取締りが厳しくなりそうです。

 

3.女性が活躍しやすい環境整備

再就職やキャリアアップに向けて手厚い支援を受けられるチャンス!

リカレント教育など、職場で求められるスキルに直結する講座の受講に対する「教育訓練給付金」の 引き上げと、給付を受けられる条件が離職後4年までだったところ10年まで対象者の拡大を実現すべく、2017年度中に法律を改正予定です。

社会保険労務士や消費生活アドバイザーなど…大学で行われているリカレント教育の中身については、こちらでご紹介しています。

働き方改革実現会議でも議論。主婦の再就職のチャンスを作る「リカレント教育」とは? - くらしと仕事

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また、女性にとって働きやすい会社かどうかを見分けるものさしが信用できない場合もある…ということを以前に「くるみん」マークは信用できない? 働きやすい企業を見分けるヒントでご紹介しましたが、女性の管理職比率等、女性が活躍するための指標がより見やすくなるように、必要な制度改正を検討することも今回の実行計画では盛り込まれています。

「くるみん」認定については男性の育児休業取得に関する認定基準を直ちに引き上げるとされており、男性の育休取得推進の動きを後押ししそうです。

 

4.病気の治療と仕事の両立

病気にかかっても仕事と両立できる社会に!

働き方改革委員の一人である生稲晃子さんは、がんの治療をしながら女優業をされている自身の経験を元に「主治医、会社、産業医・カウンセラーのトライアングル型のサポート体制」の必要性を訴えられていました(治療と仕事の両立は身近な問題。女優・生稲晃子さんが「働き方改革実現会議」の議員を務める理由でご紹介しています)。今回、医療機関と企業を結ぶ「両立支援コーディネーター」によるトライアングル型のサポートにより患者に寄り添う両立支援の体制を構築するという目標が掲げられました。

『働き方改革実行計画』より

『働き方改革実行計画』より

また、実行計画では不妊治療についても触れており、医療面だけでなく就労の両立についても拡大して支援をしていくとしました。

 

5.柔軟な働き方がしやすい環境整備

テレワークの導入で働き方はより柔軟に! 副業・兼業で仕事の幅を広げる

最後に「くらしと仕事」として注目するものに「テレワークガイドラインの刷新」「副業・兼業の推進に向けたガイドラインの策定」という事項があります。

テレワークは時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、多様な人材が活躍できる社会へ向けて今後ますます重要と捉えられています。

これまで国は会社員向けの「雇用型テレワーク」について調査や提言を行うことが多かったのですが、経産省で「雇用関係によらない新しい働き方」研究会が報告書を発表するなど、今後はフリーランスなどの「非雇用型テレワーク」や、副業・兼業についても働き方のための制度の整備や支援などが活発化していきそうです。

 

この先を見据えた働き方を

実行計画に掲げられた各対応策は、平成29年度から平成38年度の10年間をかけて実現していくスケジュールが引かれています。現段階でではあくまで計画のため、フォローアップのための会合を設置し進捗状況について調査・見直しをしていくとしています。10年というと、かなりの長期間ですが、1年後・3年後どのように働いていたいのか……、今から必要な行動を取っていくために、私達も当事者として今後に注目したいところです。

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西谷 じゅり 西谷 じゅり