2017年1月5日 更新

ママが子どもの隣で働ける、新しい仕事のスタイルを提供〜ママスクエアさんインタビュー

保育園でも在宅でもない新しいワーキングスタイルを提供する「ママスクエア」は、ワーキングスペース、親子カフェスペース、キッズスペースを1か所に設置。子連れ出勤し、隣のスペースで子ども達が遊ぶなか安心して働けると、ママたちに大好評のようです。場所を提供する企業側にも大好評なそのしくみを、株式会社mama square事業企画本部の執行役員 青山真実子さんと、マーケティング室の栁川みなみさんから伺いました。

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株式会社mama square事業企画室の執行役員 青山真実子さん(右)と、マーケティング室の栁川みなみさん(左)

子どもの隣で仕事に集中できる喜び

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— ママスクエアは職場とキッズスペースが同じ場所ですが、そこで仕事をする人だけが子どもを預けられるのですか?

現在展開している7店舗中4店舗は、ショッピングモールの中に出店をさせていただいています。そこでは、ママスクエアで併設しているカフェにいらっしゃるお客さまのお子さんもお預かりできます。

— そこで働いているママは、皆さんお子さんを預けていらっしゃるんですか?

別の保育園に子どもを預けつつ働いている方も一部いらっしゃいます。でも、仕事を再開するにあたってブランクが気になる方は、いきなり保育園に預けてフルタイムで働くのではなく、まずは子どもと一緒にママスクエアに来てライトに働いてみることができるのも良いようですね。

— 預けられている子どもの年齢は?

基本的には幼稚園に上がる前の乳幼児なので1歳台から3歳が多いですね。

— キッズスペースでは、どのような保育活動をされているのでしょうか?

基本的には事故のないように楽しく遊んで過ごしてもらっています。皆さんだいたい3~4時間の勤務時間ですが、9時半から5時までほぼフルタイムで働かれる管理者のママさんも1~2割いらっしゃるので、1日お子さんが飽きないよう、ダンス、歌、工作などのプログラムをキッズスタッフが考えて提供しています。今後、民間の教育系企業との教室開催や、大学と連携をした専門プログラムなども提供していく予定です。

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— 平均3.5時間の勤務時間ということですが、皆さん何時位から出勤されるのですか?

ほとんどの方が午前中にいらっしゃいます。上に幼稚園のお子さん、下に1歳のお子さんがいる場合、上のお子さんが幼稚園に行った後10時に出勤して1時半に退社するというパターンが多いですね。あるいは幼稚園が終わってからお子さんを連れてきて2時すぎから夕方までという方もたまにいらっしゃいます。

中抜け可能な設定にしてあるので、途中で上のお子さんを幼稚園に迎えに行ってまた連れてきて夕方まで仕事もできます。

— その時は、下のお子さんは置いていってもいいのですか?

ママスクエアは「託児所」ではないので、下のお子さんは連れていってもらいます。「託児所」というのは、お子さんを預けてママがその場を離れられるのですが、ママスクエアのキッズスペースは、よく車屋さんにあるキッズスペースと同じ扱いなんです。
これには、認可外保育所や託児所ではないので届出が必要なく、スピード感を持った出店ができるという利点があります。ただ、お子さんの安全が一番なので、認可外保育所を基準とした壁や床、家具の配置などを確保した状態で内装施工をすることで、いつでも認可外保育施設の申請ができる準備もしています。

— 六本木ヒルズの「サテライトママスクエア」は、他とはしくみが違うのですか?
(参考:会社員ママが子どものそばで〜 新しい働き方を可能にするサテライトママスクエア by HOLLYWOOD がオープン

「サテライトママスクエア」は、ハリウッドビューティー社が100周年に向けた事業として、弊社とコラボで運営している施設です。複数の企業様のサテライトオフィスという形で、ワーキングスペースとキッズスペースをシェアして使っていただいているのですが、ヒルズの中に限らず近隣の企業様も必要なブース数を契約されています。各会社のセキュリティなどの課題はありますが、ママ社員に早く復帰してもらいたい企業様が利用されています。こちらの場合、フルタイムで利用される方が多いですよ。

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— ママスクエア内での仕事内容を教えてください。

週3回4時間勤務でシフトを組んでいて、基本的にはコールセンター業務が主です。リクルートさんやオイシックスさんの営業アポイントなどもしています。その他原稿作成などもやっております。お子さんが急に熱を出してママさんがお休みすることなどもあるので、そこのリスクヘッジができるよう業務フローづくりに力を入れ、ママさんのサポートもしています。

— 在宅よりもママスクエアに来て仕事をしたいママさんが多いのですか?

ママスクエアで仕事をした方がはかどりますし、子どもを預けるお金もかからないですし、福利厚生で併設のカフェ(一部店舗)でとても安くお子さんのご飯も食べさせられるんですね。キッズプレートは100円なんですよ。

— 100円ですか?! それはありがたいですね、料理や片づけの時間も仕事に費やせていいですね。

働いていない日も割引で飲食できるので、お休みの日に利用するママさんもいらっしゃいます。

 

ママのキャリアを活かせる環境づくりからスタート

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— ママスクエアを始めたきっかけを教えてください。

代表の藤代には子どもが3人いるんですが、子育てが大変そうな奥様に「子ども達を見ているから、息抜きで映画でも観ておいでよ」と言い、奥様が一人でお出かけされたんです。2時間位で戻ってきたんですが、奥様はとてもスッキリされていたそうなんですね。その顔を見て、お母さんたちも好きな事をしたり休む自由な自分の時間が必要だと思ったそうです。

幼児虐待が多い中、子どもの笑顔のためには、母親が心身ともに健全でなければという想いからお母さんたちが子どものことに気兼ねなくお友達と食事をしたりおしゃべり、1人でゆっくりできる場所が必要だということで最初に「スキップキッズ」(現在は「ディアキッズ」として運営)という親子カフェを作ったんです。

当時そういうカフェは日本初でとても好評で、店舗が増えていきました。カフェ店員の面接に応募してくるママさんは、大変優秀で色んな経歴を持たれているのに、普通の会社では子持ちということで面接までたどり着けなかったという方も多かったんですよ。 そこで、親子カフェという業態にワーキングルームをくっつけて、弊社が仕事を受託し、ママさん達が子どもを預けながらそこで働ければ、力のある人たちが実力を発揮できる。これが日本中に拡がっていけば、全国のママさん達の力を最大化させられるんじゃないかということで、ママスクエアという形になって、去年川口のララガーデンに1号店をオープンしました。

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— 7店舗を1年半でオープンさせておられ、すごいスピードですね。

1号店オープン以降、予想以上に反響がありまして、こちらから営業したわけではなく、モールさんの方から「ぜひうちのモールに出店してほしい」とお声掛けいただくようになったんです。

— 今後もどんどん出店数を増やしていくんですか?

はい。特に今出店を予定しているのは行政と連営するかたちのものがとても多いです。話題性もありますし、市や町の政策に沿って問題解決を具現化できるものなので、誘致のお話がたくさんあります。関東だけでなく、東北、関西、福岡にも予定しております。

— 出店数が増えていく中で、業務内容も変わってくることはあるんでしょうか?

コールセンター業務にこだわらず、様々な仕事の受託をしていきたいです。オイシックスさんのような商品・サービスですと、ママさんならではの観点からの営業がご好評いただいているので、主婦だからこそ活かせる仕事をメインにしていきたいです。

関西、福岡、東北などでも、都心の仕事をテレワークでできますし、あるいは住んでいる地域のモノづくりに関わっていくなども今後やっていけると考えています。

— ママさんたちが働ける選択肢が増えていきますね。

今まではお子さんは実家に預けるか保育園に預けるかしかなかったと思うんですが、ママさん達の働き方はもっと選択肢があって自由に選べる。その中のひとつとしてママスクエアがあるんですね。まだまだ「3歳児神話」というのがあって、子どもを預けて働くことに反対する旦那さんや姑さんもいるけれど、「ママスクエアなら子どもがそばにいるからいい」と、働くことに賛成してくれるケースもあるようです。そういう意味でのハードルも下がっていいですよね。

 

ママも企業も行政も喜ぶしくみ

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— 利用しているママさん達からはどんな反響がありましたか?

最初はライトに入ってくるママさんも多いんですね。まずは仕事の勘を取り戻す感覚で入社してみたけど、ここで働き始めて「やはりキャリアを目指したい!」と人生観が変わり、社内で管理職を目指す方もいらっしゃいます。ママさんから「私は働くママのロールモデルになる!」と熱いメールをいただいた時はとても感動しましたね。自分の存在意義は子育てだけじゃないというところに気付かれる方が増えてきています。

— ママスクエアが入居する施設からの反響はどうですか?

ショッピングモールですと、普段週末しか店舗に来ない主婦の方が平日も仕事で来てくれて、夕飯のお買い物やお子さんのものを買われるという流れもできて、喜んでいただいてます。パートナー企業には鉄道会さんもいて、経営している商業施設にママスクエアが入っていることで沿線の街のブランド力が上がり、ファミリー層を呼べるというところで評価をいただいています。

— 行政との連携が増えているというお話もありました。

9月末に奈良県の葛城市に初めて行政連携モデルを出店しました。古い空き家をリノベーションして、地元のママさん達の雇用を創出すること、カフェスペースでは今後シニアの方をスタッフとして採用も考えています。

街が抱えている問題は様々なので、その問題を解決するよう、行政と一緒に考えています。たとえば待機児童の直接的解決にはならないとしても、新たな選択肢にはなりますね。空き家問題でしたら、その空き家をリノベーションして施設として使ったり、シャッター商店街を使うことで商店街や街自体を活性化させたり。マスクエアを誘致することによって解決できることは、待機児童の問題だけでなく幅広いですよね。

— 色んな問題が一気に解決できますね!
今後ママスクエアさんと同じようなサービスが増えたら、幸せに働き続けられる女性が増えると思いますか?

代表の藤代は「単体でやるつもりはなく、ある程度形になってきたらうちのノウハウを公開する」と言っています。同じ事業に取り組んでいく方が増えて、全体で数を増やして社会にイノベーションを起こしていきたいです。

— その方法ならさらにスピードアップして、文化にもなっていきそうですね!
今後、新たな事業展開の予定はありますか?

働くこと、保育のことをクリアできたら、次はママさんをとりまく環境を楽にしたいというビジョンがあります。たとえば働くママが求める乳幼児向けの教育サービスなど、教育機関などとコラボして作っていったりですとか、他にも食、美容、住まい、保険、旅行などの企業さんと提携しながらやっていく予定です。

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インタビューを終えて

代表の藤代さんの子供の笑顔を増やしたい、という想いからスタートしたママスクエア。子育てだけじゃない自分の生きがいを見つけるママが増えてきたことを感じました。ママ自身の能力やママならではの特性を活かせる環境や職場があることを、もっと多くの方に知ってほしいです。
ママさんだけでなく、企業や行政の問題解決にも貢献し、情報をオープンにして社会を変えていくというママスクエアの動きは、きっとものすごいスピードで全国に広まっていくことでしょう。

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サリー 富多 サリー 富多