収入と創作を両立する|マルシェ参加で見えた自分の可能性
収入を得るために働くこと、自分らしくあるために創作すること。そのどちらも手放さずに生きていけたら──そんな思いから、私はフリーランスという道を選びました。
2025年秋、HELP YOU(※1)が社内向けに開催したオンラインマルシェ「HELP YOU MARCHE(以下、オンラインマルシェ)」に参加した私は、その選択が間違いではなかったのではないかという小さな手ごたえを感じました。
数字だけみれば、創作による収入はまだ十分な水準とはいえません。むしろ、ここまで「折れずに」創作を続けられたこと、そして、その土台として、収入と創作を両立する仕組みが出来上がりつつあること。自分の可能性を感じることができたのは、まさにこの二点でした。
収入を得ながら創作を続ける日々のこと、そしてその先に少しだけ見えてきた未来について、少しお話ししてみたいと思います。
▶︎自分の未来を自分で選ぶ。HELP YOUの働き方を知る
目次
ライター
クリエイターとして生きる自分の未来が、少し見えた日

これから、注文通りのカラーで商品を用意して、丁寧にパッキングして、お客様のもとへ郵送します。その商品が誰かの日常の温度を少しだけ上げることができたらと願って──
フリーランスとして生活の安定を図りながら、クリエイターとして多くの方に自分の作品を届けること。その夜、私の思い描いた未来が、少し見えたような気がしました。
「これはヒットしそうだ」「売上が伸びそうだ」というのとは少し違います。今のところ、クリエイターだけで生きていけるだけの売上が確保できている訳ではありません。
それよりも、あの日、私の心を強くしてくれたのは、この一年ほどかけて模索してきた自分の働き方、後で述べる「二重戦略」が、機能し始めたのではないかという小さな手ごたえでした。
フリーランスとして生きる|私の生存戦略
一度書かせていただいたことがあるのですが、(1)頭に情報が入りすぎて疲れる、(2)創作活動をしていないと感情が死んでしまう、という2つの理由で、私が健康に生きていくためには、フルタイム勤務を辞めて別の働き方を選択する必要がありました。
現在は、パソコン講師や家庭教師などの時間単価の高い仕事に、時間的な融通が利きやすい在宅ワークを組み合わせて生活をしています。
二つの活動を同時並行で進める
「二重戦略」という言葉ですが、これは自分のエネルギーを「今すぐ現金化できる活動」と「将来性が期待できる活動」の二つの活動に並行して投入するという考え方を意味しています。
私の場合、「今すぐ現金化できる活動」にあたるのがパソコン講師、家庭教師、在宅ワークで、「将来性が期待できる活動」にあたるのが創作です。
私でいう創作活動のように、何らかのライフワークを持っている人の中には、ビジネスとして成立しづらいけれど、やらなければ気が済まないという人が一定以上存在する、というのが私の直感です。
彼らの中には、収入をいったん度外視してライフワークで賭けに出る人もいます。しかし、大抵の人は、やりたいことを後回しにして、収入を得るための活動を最優先させるのではないでしょうか。私が正社員でフルタイム勤務をしていた時、まさにそのような状況でした。
ライフワークに全てを賭けることでも、収入だけを最優先することでもない、第三の方法として、私が選択したのがフリーランスになることでした。
フリーランスになって、ちょうど一年が経とうとしています。フリーランスになってよかったと思えるのは、働く時間を自分で選べるということです。一定の収入を確保しながら、余力を残して創作活動に取り組むという仕組みをつくり上げることができたのです。
「今」を守りながら「未来」を育てる
それでも、曲げてはいけない事実として、私の現在の収入はフルタイム勤務時よりも下がっているということを述べておかなければなりません。正社員を辞めてフリーランスになる時、私は確かにリスクを負いました。創作のために「今すぐ稼げる活動」の分量を下げたことの最大の副作用はここです。
そのかわり、私が生き生きと毎日を過ごすこと。「今すぐ」に結果が出ないとしても、創作活動を通じて「未来」につながる芽を育てること。これは、フリーランスとして生きていく上で私が大切にしている点です。そして、私の選択を後押ししてくれた妻と、何度も確認しあっている一番重要な約束です。
「今」を守るのと同時に「未来」を育てる戦略があるからこそ、リスクを受け入れることができるのです。

玄関に貼ってある我が家の「社訓」は笑顔と収入
マルシェまでの日々|働きながら創作する
この「二重戦略」の下で、私はマルシェへの出店準備を進めながら、収入のための活動を止めないという姿勢をキープしていきました。
自分のリズムで働く
収入を一定水準に維持しながら創作にもエネルギーを投入するために、私は少し特殊な働き方をしています。
1日を朝、昼、夜の三つの時間帯に区分して、1日の労働時間を2時間×3回=6時間という設計で仕事をするのです。1日8時間ほど稼働する日を週に何日か作るのが理想なのですが、妻との約束を果たすためには、現状はこれが妥当なラインになっています。
稼働時間を減らすことによる収入への影響を少なくするために、パソコン講師や家庭教師など、時間単価の高い仕事を優先的に入れるようにしています。
在宅ワークはこの働き方と非常に相性がいい、ということもすぐに分かりました。在宅ワークの案件の中には、クライアント企業と同じ営業時間内で働くような案件もあります。一方で、成果さえ出れば働く時間帯は自由という案件もあります。私は両方のタイプの案件を受注していますが、特に後者のように時間の自由が利く案件を組み込むことで、自分のリズムで働くことができていると感じます。
こうして、時間的にも精神的にも、余剰のエネルギーを確保することができました。そのエネルギーは、創作活動に投入するためにあったのでした。
本当に届けたい作品とは何か?|試行錯誤の日々
マルシェが開催されることを知った時、私は絵本作家のためのワークショップに参加中でした。参加者が一つの物語を創作するという課題が大詰めを迎えていた頃です。「自分の作品をたくさんの方に届けるためには、ここは逃げてはいけない」と思った私は、マルシェ出店の申込みをしました。
これまでも、雑貨づくりやイベントの出店、イラスト制作の請負など、創作に関わる活動を行っていました。しかし、今回のマルシェに出店するにあたり、全ての作品、言葉、行動の根っこになるようなブランドコンセプトを、根本的に練り直す必要性を感じていました。
本当に誰かの心に届く作品を生み出す人は、心の中に宝石のような核をもっている。
絵本のワークショップで何度も絵本のラフを書き、フィードバックを頂き、他の受講生の世界観を目の当たりにしたことも、そのような考えを深める一因になったかもしれません。
「本当に届けたい作品とは何なのか?」
自分との長い対話が始まっていました。

「はなまる○」と「ありがとう」のメッセージシール
創作に関するマイルールの中に、どんなに調子が悪い時でも、必ず何かに取り組むというものがあります。
例えばとても疲れた日、イラスト1つ書くということさえ、高いハードルのように感じることがあります。そんな時でも、作業をコマ切れにして、これ以上はできないだろうというところまで分割します。例えば、「鉛筆を削る」「スケッチブックを開く」「らくがきでいいからイラストを1つだけ描く」…。そうして「さすがにこれなら、今の状態でもできるでしょう」というものを1つ、または、2つピックアップしてとりかかることにしています。
一つのタスクを何工程にも分けて、長い階段を上るように、数日かけて完了させる。こうすれば、まとまった創作時間がとれなくても確実に前に進むことができます。
そうしてブランドコンセプトが決まりました。
「誰の心にも、普段は声に出さない、静かな本音がある。誰かが本当にその人らしく生きるために必要なのは、その本音に従うこと」
そして、このコンセプトの下で生まれた第一号の商品が、マルシェに出品した「はなまる〇」「おつかれさま」「ありがとう」という3つのメッセージシールでした。
マルシェを通じて体感した「自分の可能性」
今回のマルシェに参加して、私は自分の未来を少しだけ垣間見たような気がしています。お客様との交流やマルシェまでの日々の中で、「これだ!」と思える手ごたえを感じたのです。
心の底からやりたいと思えること
お客様とのやりとりの中で、印象に残っている出来事がありました。シールを買ってくれたお客様から、そっと後日談を教えていただいたことです。

「お守りみたいに持ち歩いています」と教えてくれたシール
これは私にとって、とても嬉しく、とても勇気を頂いた言葉でした。
ただ生きていくことさえ、大変なことの連続です。そんな状況を、ガラッと変えてはくれないけれど、優しく照らし続ける作品というのは存在します。いつか自分もそのような「小さな灯り」を作るものになりたいと思っていたからです。
私の作品が、そんな風に誰かに届いた。
これこそ、私が心の底からやりたいと思えることなんだと確信したのです。
「二重戦略」が動き出した感覚
自分の作品が本当に誰かの心に届いたとしたら、それが1人であっても100人であっても、私にとっての価値は、実は同じです。大切な1人が元気でいてくれることと、100人が元気でいてくれることが比較できないのと全く同じ理由からです。
その点、私の作品を気に入ってくださる人がいた、それだけで大成功なのです。
しかし、創作活動を「将来性のある活動」にするという観点から見れば、私の活動にはまだまだ研究の余地があります。それでも、今回のマルシェ出店で感じた確かな手ごたえがありました。
それは、収入を得るための仕事をしながら、創作活動を通じて未来の種をまくという私の戦略が軌道に乗りつつあることを実感できたことです。
マルシェ出店のために、コンセプトを最初から考え直し、それに基づいて商品作りを行い、ネットショップをリニューアルしました。その間、収入を得るための仕事と創作活動を、自分が潰れることなく両立できました。少しではありますが、収入アップの機会までありました。このことは、私にとって大きな自信になっています。
今はまだぎこちなく歩いている道ですが、「これからもこの道を歩いてみよう」と思っています。
まとめ
フリーランスになって一番大きな変化を実感したのは、働く時間を自分で設計することです。仕事も創作も、自分のリズムを大切にしながら向き合うことができるようになりました。
今回のマルシェでも、仕事と創作を両立させながら取り組み、お客様からも貴重なリアクションを頂きました。マルシェ出店を通じて、自分の選んだフリーランスという道に今までよりも確かな自信を持つことができました。
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