【weekly 働き方改革ニュース】週休3日で生産性が向上した驚きの理由とは

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。今年の夏、試験的に週休3日制を導入した日本マイクロソフトは、期間中の生産性が向上したとする結果報告を公表しました。「しっかり休めば仕事で良いパフォーマンスが得られる」というたぐいの話に聞こえますが、生産性向上の理由は「休みが増えたこと」自体にはなかったことがわかりました。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。→執筆記事一覧

週休3日で生産性が上がる?意外なそのワケとは

この夏「週休3日制」を試したところ労働生産性が約40%も向上したとする日本マイクロソフト。その取り組みの趣旨やその他の成果を同社にインタビューした記事がFNN PRIMEに掲載されました。

記事によれば、同社は約2300人いる全社員を対象に今年8月、金曜日を休みにする週休3日制を試験的に導入。その結果、30分以内で終わる会議が前年の同月に比べて46%増え、1カ月の売り上げを社員数で割った労働生産性は39.9%向上したとのこと。

日本マイクロソフトの担当者は、今回の試みの目的は休みを増やすことではなく業務効率化の促進であったと説明。その背景として、同社の働き方を他の国のマイクロソフトと比較したところ、会議にかける時間が長く、会議の参加人数も多いことがわかったとしています。そこで、働く日数を減らすことで社員が自主的に業務の効率化を図るように誘導。その一環として会議も効率化され、結果的に生産性が向上したというわけです。

会議が多くて長く、参加者が無駄に多いというのは日本の企業に広く見られる傾向。裏を返せば、多くの企業にはまだまだ生産性が向上するだけの「伸びしろ」があることになるのではないでしょうか。

 

社員500人一斉テレワークで見つかった課題とは

政府はこの夏、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、テレワークの実施を呼びかける「テレワーク・デイズ2019」を実施しました。総務省によれば、2887団体約68万人が参加したといいます。

東京・晴海に本社を置くデジタルマーケティング会社「メンバーズ」もそのひとつ。2週間にわたって本社への出社を禁止し、社員約500名がテレワークを行いました11月11日にYahoo!ニュースに掲載されたレポート記事によれば、テレワーク期間中は残業時間が減少し、稼働率は向上したとのこと。

「オリンピック期間中に問題なくテレワークが可能」「来年までに解決可能」と答えた社員の合計は9割近くに上りました。一方で、テレワークを実施するうえでの重要な課題もいくつか見つかったといいます。そのひとつが、「顧客や仕事の内容によっては皆同じようにテレワークはできない」という事実。

世間での浸透度は決して高くないものの、政府の旗振りもあって「様々な課題を一気に解決する最良の働き方」のように受け止められることもあるテレワーク。メンバーズ社が今回の一斉テレワークを通して得た「出社したほうが良い社員もいる」との知見は、テレワークへの過大な期待を戒めてくれます。

 

日本人の6割が「子どもができても仕事を続けるべき」

内閣府は11月15日、「男女共同参画社会に関する世論調査」の結果を公表しました。それによると、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人は61.0%に上り、調査開始以来初の6割台に達したことがわかりました。調査を開始した1992年には23.4%だったため、27年間でおよそ2.6倍に増えた計算に。

反対に、「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい」と答えた人は1992年には42.7%いましたが、今回の調査では20.3%まで減少。子どもを持つ女性が働くことについての意識がこの30年近くでがらりと変わったことを如実に示す結果となりました。そう考えると、この先10年で「女性の働き方」に関する社会の意識がどこまで変化(進歩)していくのかが楽しみに思えてきます。

 

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