【weekly 働き方改革ニュース】ネット通販全盛時代の陰に過重労働が

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。人材サービスのアデコが貨物運転手を対象に実施した調査により、ドライバーの多くが少ない睡眠時間と長い拘束時間を強いられる厳しい労働環境の下で働いている実態が明らかになりました。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

貨物運転手の厳しすぎる労働実態

人材サービスのアデコは、運送業界で正社員もしくは契約社員として勤務する全国の貨物運転手400名(長距離200名・短距離200名)を対象に実施した働き方に関する調査の結果を発表しました。

それによると、貨物運転手の1日あたりの平均的な拘束時間は「8時間~13時間未満」が最も多く、全体の6割を占めるとのこと。また、全体の2割が「1日の拘束時間が15時間を超えることが週に3回以上ある」と答えたといいます。稼働日の平均的な睡眠時間は、「4時間未満」が6.5%、「4時間~6時間未満」50.5%という結果に。短い睡眠時間で長時間ハンドルを握り続ける過酷な勤務実態が見えてきます。

当然のことながら、疲労による事故の危険も高まります。この調査では、回答者の5人に1人にあたる84人が「睡眠不足や疲労が原因で事故を起こしたこと、もしくは起こしそうになったことがある」と回答しました。スマホをタップするだけで玄関まで物が届く便利さがトラックドライバーの過酷な労働によって支えられている現実は、私たちの日常がいかに危うい基盤に上に成り立っているのかを考えさせられます。

 

電通社員が毎朝答える10の質問とは

ウェブメディア「ビジネス+IT」は10月16日、電通の働き方改革について紹介する記事を掲載しました。電通といえば2015年に起きた新入社員過労自殺事件の記憶がまだまだ新しく、これを受けて2016年に労働基準法違反で是正勧告を受けたことを覚えている人も少なくないはず。この記事でもそうした背景にさらりと触れつつ、その反省を踏まえて同社が2016年から労働環境改革に取り組んでいることが紹介されています。

なかでも興味深いのは、毎朝社員が社内イントラにログインする際に、体調や気分などを尋ねる質問に答える必要があるというしくみ。10問の中からランダムに1問が表示され、これを6段階の顔絵文字で答えるとそれが記録されていき、社員は自分自身でコンディションの変化に気付きやすくなるといいます。

10問の中には、「最近、睡眠状態はどうですか?」「最近、笑っていますか?」など、比較的ストレートに体調や気分を訪ねる質問があるとのこと。1日の始まりにあらためて自分自身の状態を認識するのは、とても良いことに思えます。

その一方で、質問の中には「最近、仕事で自分の責任を果たせたと感じる機会はありますか?」「最近、自ら仕事を創り出していると思いますか?」といったような、過労自殺に関連して問題となった「電通鬼十則」を思い出させる項目も。巨大企業・電通は本当に生まれ変わったのか否かが明らかになるまでには、少し時間がかかりそうです。

 

ITベンチャーが社内メールを禁止した理由とは

ウェブメディア「JB Press」は10月18日、『「テレワークは大企業だけのものに非ず」は本当か?』と題する記事を掲載しました。日本テレワーク協会が主催する「テレワーク推進賞」で、そうそうたる大企業と並んで優秀賞を獲得したITベンチャーのFIXER社の取り組みを、現場でテレワーク推進に奔走したキーパーソン2人へのインタビューを中心に紹介しています。

全編が示唆に富む内容で、テレワークに関心がある経営者や現場社員なら大変興味深く読めるはず。なかでも、情報共有のツールを絞るために社内メールを禁止したことや、拠点同士をビデオ会議システム常時つなぎ、互いの仕事風景を大画面で映し出すといった同社の工夫は、「なるほどその手があったか」と言わずにはいられません。

この記事は、「いずれテレワークを導入できない企業は窮地に立たされる」と警鐘を鳴らす言葉で結ばれていますが、同社の取り組みとその成果を知れば、決して大げさな言い方ではないことがわかります。ぜひお読みください。