【weekly 働き方改革ニュース】東京都、介護休職支援企業に50万円支給

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。従業員の介護休業取得を推進する企業に奨励金を支給する東京都の制度がスタートしました。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。→執筆記事一覧

東京都が介護離職ゼロを目指す

 

東京都は公益財団法人東京しごと財団と連携して、従業員の介護休業取得を推進する企業に対して奨励金を支給する事業を今年度から開始しました。その受付が9月17日から始まったのに合わせ、同財団はあらためて制度のPRに乗り出しています。

この制度は、東京都と連携してテレワークを導入するなど働きやすい環境を整え、従業員に介護休業を取得させた都内中小企業に対して50万円の奨励金を支給するというもの。介護休業から原職に復帰し、3カ月以上継続して雇用されているケースが対象となります。

制度導入の背景には、労働市場での人手不足感が続く中で全国で年間約10万人が介護のために離職している現状があります。介護離職者は、即戦力でなおかつ管理職に就いている割合の高い40~50代が多く、企業にとっても大きな損失になっているとのこと。そこで、テレワークなど働きやすい環境を整えることで介護離職を防ごうというのが制度のねらいです。50万円の支給に実効性があるかどうかは賛否が分かれそうですが、介護による休業・復帰が当たり前のこととして受け止められる社会の実現に向けて一歩を踏み出したとはいえそうです。

 

働き方改革「よく知らない」のに批判的?

 

日本マーケティングリサーチ機構が実施した調査により、今年度から華々しくスタートした「働き方改革」が実はそれほど理解されていない現状が浮き彫りになりました。

20代から70代までの男女1500人あまりを対象にしたこの調査によれば、「働き方改革」の内容を「完璧に理解している」「ほとんど理解している」と答えた人は約半数。残りの半数は「何となく知っている程度」「知らない」と答え、約半数が詳しい内容を知らないことが明らかに。

その一方で、「今回の改革で労働環境が良い方向に変化すると思うか」という質問では、「どちらかというと思わない」「全く思わない」と回答した人が6割にも上りました。つまり、働き方改革の内容をよく知らないにもかかわらず「どうせうまくいかない」と考えている人が多いという、少々首をかしげる結果に。

労働者自身が働き方改革の内容を知っておかなければ、会社がそれを守っているかどうかを判断できないはず。会社に改善を求めたり、場合によっては会社に見切りをつけて転職を考えたりするためにも、正しい知識を身に着けることが不可欠ではないでしょうか。

 

「発想の時間」を確保できない会社員の現実

 

新たなものを生み出すクリエイティブな仕事において、実際に手を動かす前にさまざまなものを見聞きしてイマジネーションを高めたり、落ち着いて構想を巡らせたりする時間は欠かせないもの。しかしながら、野原ホールディングスが設計士約1100人を対象に実施した調査により、会社員の難しい現実が明らかになりました。

 

調査によれば、設計やデザインに必要な「クリエイティブな発想のための十分な時間」を確保できている設計士は半数以上。しかし、その時間帯は、「18:00以降」「深夜」「休日」といった業務時間外が6割以上に上りました。もともと時間を確保できていない人も含めると、およそ8割が発想の時間を業務時間内に確保できていない現実が浮き彫りに。かといって、オフィスに黙って座ったままで「クリエイティブな発想」が生まれるかといえば当然そうではないはず。テレワークの導入を含め、それぞれの職種に合った柔軟な働き方があらゆる業界で浸透していかない限り、この問題の解決は難しいのかもしれません。

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