【weekly 働き方改革ニュース】AI導入で業務時短?働く障害者への支援、効率化が難しい業務
1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。今回は7月30日から8月5日までの間に報じられたニュースや調査結果の中から、注目したい3つの話題をご紹介します。
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ライター
さいたま市AI導入で9割時短
さいたま市は8月2日、固定資産税の調査業務に政令指定都市では初めて人工知能(AI)を導入すると発表しました。
建物を新築・増築したり取り壊したりすると固定資産税の課税額が変わる可能性があるため、市ではこれまで毎年航空写真を撮影し、業者に委託して前年度の写真と見比べさせていたといいます。ところが、業者によってその精度にバラつきがあるうえに明確に違いを判別することができない物件も多く、結局職員が現地に出向いて再調査する事例が多発していたとのこと。
今後は航空写真の照合にAIを活用することで、比較の精度が飛躍的に向上。年間600時間近くを要していた作業時間も63時間まで短縮できるとしています。どの自治体も予算と人員の不足に悩んでいるだけに、さいたま市のAI活用事例は今後全国の自治体にも広がっていくのではないでしょうか。民間企業にとっても大きなヒントとなりそうな事例です。
働く障害者にも介助を
れいわ新選組の参議院議員が国会に初登院したニュースにともなって、常時介護が必要な障害者を対象とする「重度訪問介護」サービスの制度が議論の的となりました。この制度では国と自治体が費用の大部分を負担しますが、現状では通勤や仕事中にサービスを受けることができません。
今回、れいわの議員に対しては議員活動中の介助費を例外的に参議院が負担すると決定したことで、社会全体で賛否両論が沸き起こりました。こうした状況を受けて根本匠厚生労働大臣は2日の記者会見で、現行制度の見直しについて議論する考えを表明。「障害者が働きやすい社会を目指す上で、働く際に必要となる介助は重要な課題だ」と語りました。
働き方の多様化により、「重い障害を負っていたり、通勤が難しかったりする人が仕事に就くのは難しい」という時代は過去のものになりつつあります。実態に即した制度改正が早期に行われることを期待したいものです。
効率化したくてもできない業務とは
AIやRPAの導入により様々な業務の効率化が進められるなか、8割以上の経営者が「効率化が必要」と感じながらも抜本的な対策に至っていない業務の存在が明らかになりました。
ネットプロテクションズが全国の経営者・役員610名に行った調査によると、その業務とは「決済業務」。取引先数が100社を超えると、9割以上の経営者が決済業務の効率化を意識していると回答しました。
一方で、決済方法を請求書払いとしている企業は約9割。さらに、経営者の6割が自ら決済業務を行った経験があり、「請求書の発行、封入れに半日かかってしまう」「入金確認が取れず、催促電話に一日費やした」といったコメントも寄せられたといいます。
改善策として多くの経営者が挙げたのは、業務フロー改善やシステムの一部改善。一方で、専門人材の採用やアウトソースをしていると答えた経営者は多くありませんでした。自社の経営状態やキャッシュフローに関する情報はなるべく経営陣だけにとどめておきたいとする心理が働いているのかもしれません。
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