キャリアアップを諦めない。地方生活で見つけた私らしい働き方

転勤族の夫と共に、兵庫県西宮市から高知県に引っ越した尾西久美子さん。在宅でフリーランスの仕事しながらも、音楽のおかげで地域にとけこむことができたそうです。今後も全国に転居する可能性がある中で、キャリアアップを実現させつつ、楽しんで暮らす秘訣とは。お話を伺ってきました。

ライター

荒巻知美
愛知県名古屋市出身、山口県在住。大学卒業後、営業、教育関係の職に携わった後、出産を機に退職。転勤族の妻であることから、居住地に縛られずキャリアアップする方法を模索し、2017年10月にHELP YOUにジョイン。現在はライティング業務のほか、採用業務などを担当している。また、別会社にて採用担当としても活動中。

就職氷河期で苦労の末にたどり着いた広報の仕事

尾西さんのご出身はどちらですか?

生まれは和歌山県ですが、父が転勤族で、幼いころは全国のあちこちに住んでいました。
その後、中学から大学までは(アメリカ留学を挟みましたが)兵庫県神戸市で暮らしていましたので、出身というと神戸になるのでしょうか。
卒業後は京都の会社に就職しました。

就職先はどんな会社でしたか?

私が就職活動をしていた時期は、リーマンショック後の就職氷河期。
就職先がほとんどなく、正直「どこかの会社から内定が出たらラッキー」くらいの気持ちでいました。

そんな中で、京都のジュエリー会社に出会い入社しました。
ブライダルジュエリーを扱っている会社で営業事務を経験した後、広報の部署に異動し、幅広い業務を担当しました。
例えば、自社のジュエリーがファッション雑誌や結婚情報誌に掲載される際に、商品紹介などの文章を考えるのも仕事の一つです。

また、新しいジュエリーを発売する時に、商品名やコンセプトを考えたこともありました。広報だけではなくマーケティングの視点も必要な業務なので苦労しましたが、その分やりがいはありましたね。

退職をしたきっかけは?

結婚を機に西宮に転居したことが理由です。

西宮から京都まで通うことが難しくなってしまい、転職をして市役所の一般事務の仕事に就きました。
市役所では、データを打ち込む仕事などを約1年半担当していましたが、やはり広報の仕事をしたいと思い転職活動を開始したんです。

希望通りの転職先は見つかりましたか?

はい、神戸にある財団法人で広報の仕事に就きました。

この財団法人は、研究機関や大学を支援していて、その活動のPRを担当していました。前職で扱っていたジュエリーと異なり、目には見えないものなので、最初はどう情報発信したら良いかがわからず戸惑いましたね。また、業務を進めるにあたって医学や薬学などの知識が必要だったのも苦労したことの一つです。

このタイミングでコピーライターの講座を受講し、広報として勉強ができたことで、充実していた時期でもありました。

キャリアの可能性を広げるためにリモートワークを選択

現在は高知県にお住まいとのことですが、西宮から引っ越した経緯を教えていただけますか?

夫の転勤が理由で、2018年10月に高知へ転居しました。
夫は転勤族なので、今後も不定期に日本全国を転々とする可能性があります。

HELP YOUでのお仕事は、高知に引っ越してから始めたのですか?

ええ。高知に引っ越して、しばらくは現地の仕事を探していました。

これまでの経験を活かしたいと考え、求人サイトやハローワークなどを利用して、正社員で広報関連の仕事を探してみたのです。
西宮に住んでいた時には、求人サイト上に広報関連の仕事がたくさん並んでいたのですぐに見つかると思っていました。でも、いざ高知で正社員の仕事を探してみると、介護や看護師、工場での仕事がほとんどでした。そのため、「自分のキャリアが断絶してしまう」と危機感を覚えました。キャリア継続の方法を考えた時に、在宅で仕事ができる可能性に気付きました。
不定期で転勤があること、今後も転勤先でこれまでの経験を活かせる仕事に出会えないかもしれない、と考え「これだ!」と。

HELP YOUに出会ったのはこのころです。「広報の仕事を続けていきたい」「文章を書いていけたら」。そんな思いで応募しました

HELP YOUに入ってみてどうでしたか?

それまでリモートワークの経験がなく、自宅で仕事をすることをあまり想像できないまま始めました。

HELP YOUに参加した当時は、戸惑うことも多かったですね。

例えば、対面では「これ」や「あれ」で伝わる内容を、リモートワークの場合には文章で分かりやすく説明しなけれいけません。また、チャットで流れてくるたくさんのメッセージから、自分にとって必要な情報を取捨選択することが難しいなと思っていました。

今では、テキストでのコミュニケーションにも慣れ、HELP YOUで働けることのメリットを感じています。

HELP YOUに参加して良かったと思うのは、どういった部分ですか?

一番大きいのは、この先引っ越しても新しく仕事を探さなくて良い点ですね。

そう思う根底には、私自身が仕事を見つけることに苦労した経験があります。
今後、引っ越しをしてどこに住むか、またその地域に希望の仕事があるかすら分かりません。そういった状況下で仕事をしていない「空白の期間」ができることに不安を感じていました。
また、職場での人間関係を一から構築することも大変ですよね。

HELP YOUに所属することで、安定して仕事ができることにとても大きな意味があるなと思っています。

HELP YOUで働くことで大変と感じたことはありませんでしたか?

もちろんあります。HELP YOUでのお仕事は、業務委託契約です。
成果物を期日までに納品して初めて報酬がもらえます。ある意味、成果主義ですよね。どんな雇用形態でも成果を出すことは大前提ですが、正社員時代と比べて強く意識するようになりました。納期までの限られた時間で、いかにクライアントの意向に沿った成果物を出せるかがポイントです。

また、私自身で納期管理をするため、ときには断わらなければいけないことも……難しいなと思います。

最初の頃は、自身のリソースを把握して業務量をコントロールするのが難しく、依頼を受けすぎて大変な思いもしました(笑)。

HELP YOUでは広報や文章を書く仕事ができていますか?

はい。今はライティングの業務をメインで担当しています。

現在担当している業務は即時対応ではなく自分のペースでこなしていけるので、このお仕事を今後も続けていきたいなと思っています。

音楽が、高知の生活にとけこむ手段だった

高知の方と触れ合う機会はありますか?

はい。実は、不定期ですが定食屋さんでアルバイトをしていて、その時に地元の人と交流しています。

それはどういった経緯で?

吹奏楽の市民バンドに所属し、週に2回、練習に参加しています。
そこで出会った友人のご実家が定食屋さんなので、お店が忙しい時に手伝いにいっています。

地域の方と交流ができるのはいいですね。

そうですね。楽器を演奏すること自体が楽しいという思いももちろんあります。ですが、それ以上にその地域のコミュニティーに参加し、友人ができたことが、私にとってはとても意味のあることでした。
一日中家に引きこもる心配もありませんし、生活するにあたっての必要な情報、例えば病院の情報や、おすすめの飲食店などを聞くこともできます。

音楽があればどの県に行ってもその地域の輪に入っていけるので、楽器を演奏していてよかったなと思います。

練習場所となる会場までは、楽器を車に乗せて運転して行っています。
実は高知に引っ越すまではペーパードライバーだったのですが、今では1人で運転して出かけられるようになりました(笑)。高知に来てがんばったことの一つですね。

幼いころから楽器を演奏していたのですか?

中学生のころから吹奏楽部でテナーサックスを演奏していました。
当時は、学校の楽器を借りていましたが、母の勧めもあり、5〜6年前に自分の楽器を手に入れました。
父も以前は転勤族だったので、母は転勤してその土地になじむことの大変さを理解していたようです。「楽器があれば、どの県に行っても交流ができるから、自分の楽器を買ったら?」と言われてテナーサックスを購入しました。

結果論にはなりますが、音楽を続けていたからこそ、高知を満喫できていると思っています。

フットワーク軽く、新しいことにチャレンジし続けたい

今後やってみたい仕事など、目標は考えていますか?

短時間でクオリティの高い成果物を仕上げたいですし、幅広いジャンルの文章を書けるようになっていきたいです。例えば、理科系などの未挑戦のジャンルや長文の案件にチャレンジしたいと考えています。

仕事の幅を広げるためにも、自分ならではの強みを増やしていきたいですね。

現在はHELP YOUでのライティングを主軸にしていますが、常に新しいキャリアの可能性を探っている状況です。HELP YOUでライティング以外のお仕事をする可能性もありますし、もっと地域に根付いたお仕事にフォーカスするかもしれません。自分のワークスタイルを決めつけず、他に良い方法が見つかったら柔軟に取り入れていけたらいいなと思っています。

今後もさまざまな県に住む可能性があるとのことですが、どんな暮らしをしていきたいですか?

私は、転勤族であることをデメリットだと思いたくないなと思っています。
その土地でしかできない暮らしを楽しみ、友人を作り、社会にとけこんで過ごしていきたいです。

また、先ほどの仕事の話とも重なりますが「絶対にこの生活を続ける!」と決めず、やってみたいことや楽しいことにフットワーク軽く挑戦し続けていきたい。そんな風に思います。

30歳を越えると新しいことを始めるのに勇気が要ります。でも臆せずにチャレンジしていきたいですね。

全国転勤があることを楽しめるのは素敵ですね。

ありがとうございます。以前の私は、仕事=会社勤めだと思っていました。
ですが、今はどこにいても仕事ができるとわかりました。「リモートワーク」という手段を通じて社会と繋がり、キャリアップしていることが私にとっては自信になっています。

どこに行っても、楽しんで生活できたらいいなと思います。

編集後記

「転勤族の夫」の妻であることを楽しみ、その土地の生活を満喫している尾西さん。楽器を片手に、その土地・社会にとけこんだ暮らしをしています。
仕事も生活も「こうあるべき」「こうしなければ」といった固定観念を持たず、フットワーク軽くチャレンジし続けることが、地方での生活を楽しく過ごすためのポイントになったようです。
現状をネガティブにとることなく、前向きにチャレンジし続ける姿勢が素晴らしいと思いました。尾西さんの今後のご活躍が楽しみです。