家族の介護と仕事の両立が叶う。リモートワークの可能性

ある日、家族の病気が分かって介護が必要になってしまったらあなたはどうしますか?
仕事はどうしたらいいだろう。育児、家事は?これからの日本の行く末を考えると、介護の問題は決して人ごとではありません。今回はオンラインアシスタントサービスHELP YOUでリモートワークをしながらご家族の介護をされている山田さん(仮名)にお話を伺いました。

ライター

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

結婚後専業主婦だった自分が、家でできるリモートワークを始めた理由

山田さんは現在パートナーの介護をしながらリモートワークで働いているとのことですが、HELP YOUに登録する以前はどんな仕事をされていたのですか?

高校を卒業後、地元の製造業の会社で7年半ほど経理をしていました。結婚して退職してからはゴルフ場と貸衣装屋さんでそれぞれ1年ぐらい事務職に就きましたが、ほとんどの間は専業主婦でしたね。結婚して2、3年後には夫の病気が分かり、身体介護が大変だった時期があるのでその頃は仕事をしようという気持ちになれませんでした。

HELP YOUの前に、地域でIターンしてきた方がママさんを対象に開いているパソコン教室があり、そこでWordやExcel、Photoshopなどのソフトの使い方を教わりました。

その教室に通われた後は、仕事を紹介してもらえたのですか?

紹介というより、その教室を主宰している方から仕事をもらう感じで。そちらはもうやっていませんが、今仕事で日常的に使っているスプレッドシートの操作方法もそこで教わったものです。実践力がついて、リモートワークを始める土台になったと思います。

先ほど介護が大変でというお話でしたが、なぜリモートワークを始めてみようと思ったのですか?

ひとつは、夫の病気が進行して7年前からベッド上での生活になってしまったので、車椅子でトイレまで移動するための介助などをする必要がなくなったからです。今は日中、10時から19時まではヘルパーさんがいてくださり、その間は在宅であれば仕事ができる環境になりました。

もうひとつの理由は、経済的に少し余裕がほしいと思ったからです。普段家計簿アプリで家計を記録しているのですけど、ある時数万円程度の赤字になったことがありました。夫が難病ということで年金や高度障害の保険などの支給があり、生活に困っているという状態ではありませんでしたが、ちょっと不安を感じました。先々のことを考えて、私も何か仕事をして収入につながればと思い始めたんです。

パソコンを触ることが好きな自分にとって、仕事も気分転換

HELP YOUの仕事はどうやって見つけたのですか?

4年前の春に、インターネットで何かのサイトを見ていたらHELP YOUの求人募集のバナーが出てきました。そこに時給が書いてあって、驚いたのを覚えています。住んでいる地域の平均的な時給に比べて高く、「在宅の仕事でこの時給はすごいな」と。タップして出てきた求人の詳細を見て私にできそうだと思い、応募しました。

その時はお住まいの地域でも仕事を探していたのですか、それとも在宅でできる仕事に絞っていましたか?

「在宅でできる仕事を」と思っていました。ママさん向けのパソコン教室に行ったのも、スキルが身に付けば在宅で仕事ができると言われていたからなので。

HELP YOUではどのような業務を担当しているのですか?

最初の半年間は運営サポート業務で、社員の方のスケジュール管理などを担当しました。それからチームに配属になりクライアントワークに移行し、秘書業務や経理業務をメインで受けています。

時間的配分として、家庭と仕事の両立はどうですか?

子どもがいま小学生と中学生で、学校に行っている間は手が空きます。訪問ヘルパーさんが来てくださっている時間帯の中で、11時から17時を自分のコアタイムと決めています。そこは集中して作業できるようにしていますね。

子どもたちのお稽古ごとの送迎に行って、待機時間が1時間半ほどあるのですけど、車や近くのカフェで仕事ができるのでそういう時間も有効活用できています。

HELP YOUの仕事をする中で、うれしかったことはありますか?

それはやはりクライアント様から「ありがとう」の言葉をいただけた時ですね。初めて担当したクライアント様の業務は今も続いており、私が専属で対応しています。長いお付き合いなので信頼していただいて、「山田さんだけが頼りだなんだよ、お願いしますね」と言ってくださるんです。そうしたら、期待にお応えするためにも頑張ろうとモチベーションが上がりますね。

山田さんはもともと事務経験があったとのことですが、HELP YOUでの仕事を始めてからスキルが伸びた実感はありますか?

日々の仕事を通して、クライアントに合わせていろいろなソフト、アプリを使います。それはHELP YOUにジョインしていなければ使わなかったであろうものですから、自分でもすごくスキルが伸びたと思っています。

HELP YOU以外にも類似サービスはありますが、その中で選んで働き続けている理由は何でしょう?

チーム制で、チームごとにディレクターがいて他のスタッフさんとシフトで動けるというところに良さを感じています。自分の体調が悪くなったり、子どもの行事があったりする時に調整できるのは助かりますね。

他社の大手クラウドサービスに登録したこともありますが、そっちは少しの期間やらないでいると、もう案件が終了していました。継続して働きたいと考えている人には不向きかな、と思います。

地域差がある介護サービスの状況

仕事と介護、両方を担っていらっしゃいますが、リフレッシュできる時間はありますか?

19時以降も夜勤のヘルパーさんがいてくださることがあるので、そういう時にゆっくり長風呂するのがリラックスできる時間ですね。お風呂にスマホや本を持ち込んで、1~2時間ぐらい入ります。

それと、こうして仕事をしていることも気分転換になっていると思って。もしリモートワークをしていなかったら、メリハリのない毎日を過ごしていた気がします。

うちの場合は、結構ヘルパーさんがケアに入ってくださり体制が整っている方なので、仕事がしやすい環境だと思います。それでも、月に何百時間までは来ていただけるという時間より、実際は少ないのが現状です。

それは地域的な問題なのですか?

そうです、ヘルパーさんの人手が足りないんですね。夫と同じ病気でも地域によってはヘルパーさんがおらず、完全に家族で介護している方もいらっしゃるようです。逆に、東京だとヘルパーさんが多いので、24時間365日体制で来てもらってひとり暮らしをしている方も。

今後もしも山田さんが外の仕事に出たいと思われたら、それは可能なのですか?

いえ、無理ですね。専属で来てくださっているヘルパーさんが急に体調を崩されたり、天候が荒れて来れなくなってしまうことも。そういう場合は私が夫のケアをするので、外に出て仕事を、というのはちょっと考えられません。

これからの子どもたちの学費を考えて。蓄えが心のゆとりに

仕事のペースとしては、現状で満足していますか?

この4年間で自分の作業時間もいただく報酬も段々上がってきているので。自分の中で目標にしていたよりも今では報酬額が上回っています

経理業務はどうしても月末月初に仕事が集中するので、これ以上増やそうとはあまり思っていないです。ただ、月の半ばでリソースに余裕がある時にスポット案件があれば、挙手することもあります。基本的には現状維持でやっていけたら良いなと思って。

お子さんの将来的な学費などを考えると、山田さんが早いうちに在宅の仕事を始められたことはプラスになっていますよね。

金銭的にも精神的にもプラスになっていると思います。友達からも「家でお仕事してるって聞いたけど、どんなことしてるの?」と何度か聞かれたことがあります。私がリモートワークを始めた頃は、まだそれほど一般に知られていなかったので、どんなことをしているのか想像ができなかったみたいですね。

HELP YOUのサイトを教えてあげたのですけど、実際に応募するところまで動いた人はまだいないようです。みんな子どもにお金がかかるからと、収入面で気になったようです。

今後の目標があれば教えてもらえますか?

これから子どもにお金がかかるので、スマートに貯金をしたいなと思っています子どもが何かやりたいと言った時、応援してあげられるように。上の子はこの春から中学生になりましたが、進学前から塾に行きたいと言い出したので、希望を叶えてあげようと思いました。今後も頑張って備えていこうと思っています。

まとめ

結婚して数年後に夫の難病が分かり、現在は介護のかたわらリモートワークで収入を得ているという山田さん。地域的なヘルパー不足の問題もあり、今後も外へ出て働くことは考えにくいそうです。お子さんたちの学費のためにも備えていきたいとお話してくださり、ご家族との生活を明るく楽しいものにしようとしておられる気持ちが伝わってきました。