リモートワークで、不妊治療と仕事の両立!働く女性が妊活しやすい環境へ

オンラインアシスタントサービスHELP YOUにてリモートワークをしながらご夫婦で不妊治療に取り組まれているという、地方在住の佐藤さん(仮名)。転勤妻ということもあり、HELP YOUでリモートワークという働き方を知るまではやりがいのある仕事に出会えなかったといいます。現在に至るまでの仕事探しの困難と、不妊治療の経緯について伺いました。

ライター

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

転勤妻になり、見知らぬ土地へ。仕事探しと妊活のスタート

HELP YOUを使ってリモートワークを始める前は、どんな仕事をされていましたか?

地元北海道で、駅近くのファッションビルの広報を8年半ほどやっていました。ポスターや冊子を作成する仕事です。

夫が転勤族で、結婚式を挙げた1カ月後に転勤が決まってしまい本州へ引っ越すことに。それで私も仕事を辞めて、夫について来ました。

 

赴任先でも、就職活動をしたのですか?

はい、ところがハローワークで「ここは田舎だから、あなたが働きたいような広報の仕事はありません」と言われてしまいました。

それでも「前職の経験を活かせる仕事がしたい」と思い、紆余曲折を経て行きついた先がHELP YOUでのリモートワークという働き方だったんです。

 

就活ではどんな苦労がありましたか?

赴任先で就活を始めたところ、夫が転勤族なので「正社員で働くのは難しい」と言われて派遣登録をしました。さらに妊活していると言うと「妊娠したら辞めるんでしょう?」と、1~3カ月だけの短期の仕事しかもらえないんです。

また、派遣の仕事は職種の選択肢が少なく感じました。これまでにやったことのないテレアポなどの仕事だったので。地方にいると公共交通機関が少なく、車の運転ができないと通えない職場がほとんど。私は自動車免許を持っていなかったので、通勤面でも条件をクリアするのが難しかった。

そんな風に自分の中でこれだ、と思える仕事にはめぐり会えないまま、日々が過ぎていきました。

そして、就職活動しながら妊活を始めました。「どうしよう、このままじゃいけないな。妊活にお金もかかるし……」と思っていたところで、ようやくHELP YOUを見つけました。インターネットで求人を見つけて、応募したのが昨年7月です。

 

今後家庭の状況が変わる可能性を考えると、HELP YOUの仕事は続けたいと思いますか?

もちろん。妊活もそうですが、転勤族だからこそHELP YOUに出会えて良かったという面もあります。

うちの場合は転勤で全国、全世界どこに行くか分からないので、どこに行ったとしてもできる仕事、子どもがいてもできる仕事であるHELP YOUに出会えたことは本当に良かったと思っています。

子どもがほしいと思ってから、不妊治療を受けるまで。夫婦で向き合うまでの努力

妊活しようというのは、最初にご夫婦で話し合われたのですか?

もともと結婚式が終わったら、と夫婦で話していました。ところが転勤になってしまったのでバタバタして。引っ越してきて数カ月後に就活を始め、それから妊活も。初めのうちは病院には通わず、自分たちでと思っていました。

数カ月経って、年齢的に通院した方がいいのではと思い、近くのレディースクリニックに通い始めました。できるだけ早く子どもを、という気持ちがあったので。

 

不妊治療について、パートナーは協力的でしたか?

最初は全然協力的ではなかったですね……。男性でも女性でも一般的に、妊娠しにくいと女性側に問題があると思ってしまう人が多いのではないでしょうか。ですから、私が「ちょっと病院に行ってくるよ」と言うと夫は「行ってくればいいんじゃない?」という感じでした。もちろん、悪気はないんですよ。

それでまず私ひとりでレディースクリニックへ行き、診断してもらいました。クリニックからは「旦那さんも検査した方がいいですよ」と勧められました。これは、どこの病院でも必ず言われます。夫に伝えると「え、俺はいいよ」と。通院する度に言っていたのですけど、「行きたくない」と5回目ぐらいまでは消極的でした。

 

現在は、ご夫婦で力を合わせて向き合っているのですか?

今は完全に夫も協力してくれています。というのも、検査の結果でどうやら夫の方が原因の多くを占めていると分かったんですよね。検査結果を見せても、当初は「体調のせいだよ」と言っていました。

少しずつ積み重ねていって、夫に納得、理解してもらうまでに1年以上かかりました。

 

男女関係なく、検査結果はショックですよね。

夫も自分に原因があるなんて、露ほども思っていなかったのでしょう。結果を聞いても納得できなかったんだと思います。

私の方にも原因がゼロだったわけではなくて、女性によくある婦人科系の病気を抱えていました。でも、それが大きな原因ではないとクリニックで言われました。医師の話では、不妊の要因は男性と女性で大体五分五分なのだそう。

最終的に夫も納得してくれたのは、クリニックを変えてからでした。

 

病院を変えたのは、どうしてですか?

最初に通ったレディースクリニックは、県の特定不妊治療費助成事業の指定外だったんです。助成が適用されるのは大学附属病院や不妊治療専門の医療機関で、地方だと数が少なくて。住まいから離れた地域になりますが、助成が適用される専門クリニックに通おうと夫を説得しました。

不妊治療で有名なクリニックのセミナーに夫婦で行き、そこでも検査をしてもらいました。夫に関しては、これまで他のクリニックで出ていた検査結果と同じ。それで納得してくれたようです。

医師から喫煙習慣のある人は「タバコは絶対止めてください」と止められるんです。ヘビースモーカーの夫は、禁煙にも抵抗があったのかもしれないですね。

妊活のスケジュールに合わせて、仕事を調整できるリモートワークの良さ

リモートワークで働きながら通院というと、会社に通勤されている方よりは時間の融通が利くのかなと思います。そういうメリットは感じていますか?

もちろんです。妊活にもいろいろな方法がありますが、私たちは初めから顕微受精という方法を勧められました。顕微授精をするためには、休みを体の周期に合わせて取得しなければならず、それがすごく大変です。手術をして卵子を取るのですが、その手術前の1週間は排卵誘発剤の注射をしなければいけません。私の場合は自己責任で、自分でその注射をしていますが、病院によっては、その注射のために1週間毎日午前中に通わなくてはいけない。こういったお休みの調整は、体の周期に合わせて取得しなければならないので、1カ月前から休みの予定を組むことが無理なんです。

病院や受けている治療方法が違っても、体に合わせて休みが必要になるのは同じです。生理や排卵に合わせて病院へ行ったり、行った結果また2日後に来てくださいとなったりする。普通に会社勤めをしながら治療されている方なら、仕事と通院のバランスを取るのがものすごく大変だと思います。

 

リモートワークの業務でも納期があると思います。佐藤さんは仕事とのバランスが取れていますか?

私は今ライティング案件を主に受けていて、多少納品期日までに猶予があるので大丈夫です。急きょ休まなくてはいけなくなった場合でも、他の方が代わってくださるので調整ができています。周りの人が手を差し伸べてくれる環境は、ありがたいですね。

 

仕事と治療の両立で、他に苦労されていることはありませんか?

今の私の状況だと、特に苦労はしていません。

ただ、不妊治療をするにはお金がかかります。顕微授精は特にお金がかかる方法なので、1回の手術費用に大体50~60万円はかかってしまう。収入を得るためには仕事をしたい、でも仕事の休みもなければ通院ができない。仕事と収入面のバランスを考えながらという不安はあります。

 

そういったご事情の中で初めてリモートワークを体験されてみて、この働き方を選んで良かったというメリットは何でしょう?

まず、リモートの良さで感じているのは、ストレスが少ないこと。

ストレスは不妊の原因にもなると言われていて、「なるべくストレスを抱えないで」と医師に言われるんですね。でも、ストレスを抱えないようにというのは実際難しいですよね。

普通に仕事をしていると人間関係だったり、通勤電車だったりと多少はストレスになることがあると思います。その点、リモートで自分のリラックスできる環境を整えて仕事ができるのは良いですよね。

 

それから、HELP YOUの場合は仕事のボリュームを自分で調整できるので、仕事関係で迷惑をかけてしまうのでは、という心苦しさが少なくて済みます

私の場合は他のメンバーの方々にシフトの相談をすると「代わりますよ」と言っていただいているので、ありがたいなと思って。優しい気配りの言葉をもらうこともあって、転勤族でなじみのない土地にいますから、そういう気遣いが心の支えになっている部分もあります。

不妊治療は女性だけの問題ではない。多くの人に知ってもらえたら

社会や周囲に対して、こうなってくれたら妊活、不妊治療をされている方でも働きやすくなると思うことはありますか?

会社勤めされている方の場合、急きょ休みを申請しないといけないことがたくさんあると思います。それを言う際に、どうしても心苦しい。できれば妊活に対してもうちょっと世の中の人たちが知識を持って、こういう状況なんだと理解してくれるようになるといいな、と思います

分からないからこそ、急に休まなくてはいけない状況を多少詳しく話さないと理解してもらえない。私はあまり不妊治療にネガティブなイメージを持っていないので、仲の良い友達には話をしています。でも、誰にも話したくないという方がきっと多いですよね。

妊活に対しての理解を多くの方が持ってくれたら、妊活中の女性ももっと働きやすくなるのでは?と思います。

 

両立に苦しんでいる方がいたとしたら、かけたい言葉はありますか?

まず、妊活というのはパートナーはもちろん、働く職場の人とか話を聞いてくれる友人とか、周りの人の協力なくしてひとりでできることではないと思うのですね。

デリケートな話なので誰も知らないところで、自然妊娠でも人工授精でも、失敗するたびに落ち込む女性はすごく多いと思います。ですから、もし落ち込む場合はパートナーや家族、誰かに支えてもらいながら、ひとりでがんばらないでほしいと思います。

それから、妊活する上で仕事を退職されてしまう方も多いと思います。私が今リモートワークをしているように、仕事にもいろんな選択肢があることを心のどこかに留めておいてもらえたら。本当につらくなってストレスを抱えすぎるのであれば、選択肢はあって別の働き方もできるんだよ、と伝えたいです。

まとめ

今回、不妊治療と仕事の両立というデリケートなテーマにも関わらず、丁寧にお話くださった佐藤さん。「こうしてお話することで、多くの方が妊活への理解を深めてくれたら」との思いで、ご自分の体験と今の状況を教えてくださいました。
私たち編集部員も初めて知ったことが多く、世の中の人が広く知識を持つようになれば働く女性も妊活しやすくなるのでは、という言葉にうなずくばかりです。