アメリカの心臓外科医から日本企業の正社員へ転身 みらイズムの目指す世界観に共鳴

アメリカで心臓外科医になり、帰国後は医療業界のプロジェクトを中心としてコンサルタントとして活動した後、現在はプロフェッショナル人材に特化したマッチング事業を行う「みらいワークス」の正社員として働く久野芳裕さん。アメリカへ戻らず日本で働き始めた理由や、フリーランスと正社員両方の働き方を経験した今思うそれぞれの良さについてお聞きしました。

インタビュアー(ライター)

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

心臓外科になるため渡米。帰国後、友人の手伝いからコンサルタントに

久野さんはアメリカで医師になられたそうですが、その経緯を教えていただけますか?

高校までを日本で過ごし、アメリカの大学へ単身で留学しました。その後、現地のメディカルスクールに進んだ後、医師として数年間働いておりましたが、「一回日本に帰りたいな」と思って、10数年ぶりに帰国したんです。当時は、すぐアメリカに戻るつもりでいたので、友人に会ったりしていました。日本の医師免許を持っていないので、こっちでは医師の仕事もできませんし。そうこうしているうちに、コンサルティングファームに勤めていた友人から「時間があるなら、ちょっと手伝ってくれない?」と頼まれて「帰るまでの数カ月ぐらいなら」と、病院経営のサポートや製薬企業の新規事業企画のサポートなどを業務委託でするようになったんです。

みらいワークスとは、どのようにして出会ったのですか?

日本のフリーランスのマーケットには、どういう仕事があるんだろう?」と思って、ネットでいろいろ検索していた時に偶然見つけました。それでみらいワークスに登録して、何件か仕事を紹介してもらったのが、みらいワークスとの出会いです。登録から間もないタイミングで、会社まで来てくれないか?と、みらいワークスの取締役から呼び出されたんですよ。「あれ、何かしたかな?」なんて思っていたら「弊社で一緒に仕事をしませんか?」とオファーをいただきました。

その時は他の仕事もあったので、平日2日ぐらいならいいかな、という気持ちでみらいワークスから業務委託を受けて、みらいワークスで仕事をすることになったんです。

それまでの自分のキャリアは、医療・ヘルスケア業界でのキャリアが大半だったんですが、みらいワークスにはIT業界をはじめ、いろいろな業界とのつながりがあり、それぞれに特化したプロフェッショナルの方から登録していただいているので、彼らと関わりからは、非常に多くの学びがありました

みらいワークスでの自分の業務としては、実際にコンサルタントとして現場に入るケースと、クライアントと参画いただくコンサルタントとの間に業務責任者として関わるケースがあり、自分1人だった時では工数的に決して関わり切れない数のプロジェクトに関わる事ができたんです。それに面白さを感じました。

そして、多くのプロジェクトに関わる中で、日本の医療業界もまだまだ変革の可能性があると感じたんです。そこで、みらいワークスとして医療業界にもっと深く関わっていきたいと思い、「ヘルスケアプロフェッショナル.jp」の企画書を作って、代表の岡本に提案し、サービス開始のタイミングで自分は正社員になる事を決めました。

正社員になっても、自分の根本的な働き方にはあまり違いがない

現在はどういう業務をされているのですか?

現在はヘルスケア事業の他に、新規事業企画・推進グループマネージャーという肩書きで、主に代表と2人で新規事業企画を担当しています。

担当業務としては、みらいワークスの主力事業である人材紹介もしていますが、アライアンスですとか、お取引のある企業様と一緒に働き方改革を進めたり、私自身も1コンサルタントとしてプロジェクトに参画させていただいたりとか、いろいろやらせていただいており、自分自身のミッションとしては、様々な活動を通じて、みらいワークスの目指す世界観である「プロフェッショナル人材が活躍できるエコシステムの創造」に繋げていく事です。

会社員からフリーランスになるケースは比較的よくあると思うのですが、フリーランスから正社員に、というのは珍しいのでは?

私が関わってきたフリーランスの人たちで言うと、「会社員」という働き方を完全にNOだと思っている人は、そんなにいない感じがしますね。

みらいワークスには、業務委託案件の紹介事業の他に、一般的な人材紹介事業部もあれば、「大人のインターン」というお試し期間付きの就職支援サービスもありますので、みらいワークスを介して業務委託で参画していた方が、その参画先企業で正社員になったという方も少なくありません。

私の場合も、元々がフリーランスだったので、「正社員で働くってなんか制限多そうだな」とも思いましたが、みらいワークスで業務委託で参画させていただいていた期間に、働き甲斐と働きやすさを感じましたので、この会社なら正社員でもいいや、という思いで入社させていただきました。

「正社員として働くこと」に抵抗を感じる人というのは、どういうことが理由だと思いますか?

現在フリーランスで仕事をしている人には、いくつかのタイプがあると思います。会社の枠にしばられたくないとか、いろいろなことをやってみたいという個人事業主の人、何かやりたいことがあって起業した人、家庭の事情によってフリーランスに、という人もいます。

例えばマーケティング業務のプロフェッショナルであれば、1社の中で1社員として仕事をするよりも、複数の会社でマーケティング業務をしてみたいという気持ちからフリーランスになった方もいれば、独立した後に所属していた会社から業務委託を受けて仕事をしている方もいます。

なので、正社員という働き方に抵抗を感じる人とは?に対する回答としては、正社員という雇用形態では出来ない働き方を希望する方となる気がします。

みらいワークスの登録者で、久野さんのようにクライアント企業の正社員になることも?

多くあります。それを踏まえて、「大人のインターン」を正式なサービスとしてスタートしたというのもあります。もともとクライアント側に人を採用したいという意思がある場合もあれば、仕事を進めているうちに「正社員になってほしいので、調整してもらえないだろうか」と言われるパターンもあります。事業会社やベンチャー企業などに多い印象ですね。

人材紹介は、結局恋愛と一緒。企業も人もお互いに「こんな人がいい」と言って条件に合った方をエージェントが仲介人的に紹介し、お見合いする。ただ、本当に合うかは付き合ってみないと分からないですから。人と人のことなので、相性の問題だと思います。

久野さんご自身は、1年経って「正社員での働き方」というものが見えてきましたか?

私の場合は、新規事業担当というのもあり、結構自由にやらせてもらっています(笑)なので、正社員になって働き方が大きく変わった感じはしていないですね。私はあまりチームプレイには向いていないと思っていたのですが、みらいワークスでは同じ目標を目指す仲間と仕事が出来るので楽しんで働いています

日本に、みらいワークスに残って働く理由。医療業界の働き方改革に貢献したい

当初はアメリカに戻ろうと考えていたとのことですが、こうしてみらいワークスに残ったのはなぜでしょう?

今も、日本の医療業界を変えたいという想いが変わらずあります。変える為には個人で何かをやるよりは、みらいワークスという組織として何かを成し遂げた方が早いなと思いました。

医療業界にはやはりいろいろな課題があって、働き方にしばりがあったり、医師の働きの内容に対して収入面でバランスが取れていなかったり。海外で仕事がしたいと思う医師がいても、日本に戻ってくる場がないとなかなか実現することができなかったり、挑戦したい気持ちがギャンブルのようになってしまう世の中は、どこか不自然ですよね。

もっと働き方に選択肢があるように変えていきたいと思ってました。その世界観が、みらいワークスの企業理念と完全に一致しているんです。それが今ここで働いている一番大きな理由です。

弊社が掲げる社員の行動指針に、「みらイズム」というものがあります。挑戦・主体性・チームワーク・変化・持続的な関係という5項目で、これを実行していれば自ずと結果がついてくる。数字的なノルマではなく、クオーターごとにみらイズムに則って仕事ができたかで評価をするんです。そういう会社の理念に共感できるかどうかが、社員として働く時に重要になってくると思いますね。

今後、いま目指しておられる医療業界の働き方改革が実現してきたと感じたら、フリーランスに戻ってまたアメリカへ、という可能性もありますか?

勿論あり得ます。自分にとって、みらいワークスが挑戦の場じゃないと思えば、違うところへ行くこともあると思います。

取材後記

アメリカへ留学、そのままアメリカで医師として働いていた久野さん。帰国後はフリーのコンサルタントになり現在は会社員と、日本では稀なキャリアの持ち主だと思うのですが、「日本の医療業界をより良いものにしたい」という思いが根底にあることが分かりました。自分の将来を限定せず、これからも挑戦を続けていくという久野さんの言葉に清々しさを感じました。