テレワーク月間にプレ金……。各種キャンペーンを働き方を変えるきっかけに

賛否両論あるキャンペーンも使い方次第です。

世間は働き方改革で盛り上がっているけれど、うちの会社ではどこ吹く風……。トップは改革に前向きだけど、中間管理職が今までのやり方を変えたがらない。――そんなこんなで、「私の働き方は一向に変わらない!」とモヤモヤしていませんか? 今回は「私ができる働き方改革」のひとつとして、働き方改革に無関心な上司や同僚に働きかけ、一歩を踏み出してもらうためのヒントをお届けします。

 

ライター

やつづかえり
『くらしと仕事』初代編集長です(〜2018年3月)。コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』を運営中。『平成27年版情報通信白書』や各種Webメディアにて働き方、ICT、子育てなどをテーマとしたインタビューを執筆しています。2013年に第一子を出産。

Google が六本木に無料で使えるテレワークスペースを開設

11月は、「テレワーク月間」です。「テレワーク月間」とは、いくつかの省庁や民間企業などで構成される「テレワーク推進フォーラム」が2015年に始めたキャンペーンで、毎年11月に、様々な企業や団体がテレワークの実践やセミナーなどを行っています。例えばGoogle は、今年(2017年)の11月1日から30日の間、無料で利用できるテレワークトライアル施設「Google テレワークラウンジ」を開設しています。

 

 

Google は2014年に「Google Women Will プロジェクト」を立ち上げ、日本の企業の働き方改革を支援する取り組みを続けてきました。昨年は31社からのべ2000名が参加して「未来の働き方トライアル」を実施し、例えば在宅勤務にトライした人は、それ以前と比べて在宅勤務への印象がかなりポジティブに変化したことが分かっています(「未来の働き方トライアル」の内容と結果についてはこちらの記事を参照)。実際に経験してみることで不安が払拭され、効果が理解できるのならば、経験できる場を提供しよう――、というのが今回の「テレワークラウンジ」開設の狙いのようです。

 

「Google テレワークラウンジ」概要

場所:東京都港区六本木 6-2-31 六本木ヒルズノースタワー 1F
期間:2017 年 11 月 1 日(水)~ 2017 年 11 月 30 日(木)
平日 9:00 – 17:30 / 土日祝日 10 : 00 – 17 : 30 ※セミナー時間を除く
対象:テレワークを体験してみたい企業、団体、個人

※利用方法等、詳しくはこちらをご覧ください>> Google Telework Lounge

話題性のあるキャンペーンに「乗っかる」という方法

今回「Google テレワークラウンジ」を紹介したのは、こういった話題性のあるキャンペーンは、周りの人を巻き込むきっかけとして使えるからです。

 

「Google がこんな場所を作ったらしいですよ。在宅勤務ってどんな感じか、試してみましょうよ」というのは、いきなり「うちの会社に在宅勤務を導入しましょう」よりは言いやすいですよね。直属の上司に提案しても「急になに言ってるの?」となりそうであれば、人事や総務、あるいは「働き方改革プロジェクト」など、何かしら社員の働き方というものを検討しているであろう人たちに持ちかけると実現しやすいでしょう。

 

「Google テレワークラウンジ」は無料なのに加え、企業での利用の場合は事前予約も可能。ノートPC「Chromebook」やテレビ会議システムなどのツールの貸出しもあるそうなので、「会社のパソコンを持ち出すこともできないから、在宅勤務なんて……」という方も、とりあえず試してみることができます。18時半頃からは、ほぼ毎日のようにテレワークや働き方に関するセミナーも開かれているので、同僚たちと「テレワーク体験→セミナー受講」という流れも良さそうです。

 

テレワーク・デイやプレミアムフライデーを上手く活用した例も

「Google テレワークラウンジ」は首都圏近郊の方でないと利用しにくいですが、11月のテレワーク月間に合わせて、他の会社や団体によるテレワークや働き方改革を支援する活動が増えています。例えばマイクロソフトの「働き方改革ムーブメント」というウェブサイトには、イベントやセミナー、様々な企業の働き方改革の事例などが豊富にまとめられています。うまく「乗っかる」ことができそうなものを探して、周りの人を誘ったり、「同業他社さんではこんなことやっているみたいですよ」と情報共有したりするのも手です。

 

国は今年から、7月24日を「テレワーク・デイ」とし、同じ日に一斉にテレワークをすることを呼びかけました。これをチャンスと捉え、「テレワーク・デイに合わせて1日だけやってみましょう」と呼びかけて自社でテレワークをやってみたという方の声をいくつか聞きました。「好評だったのでテレワーク月間にまたトライします」という方もいて、やはり一歩踏み出して実績を作ると、動きやすくなるのだと感じます。

 

今年2月に始まった「プレミアムフライデー」も、「月末の忙しい時に早く帰れるわけがない!」など不評ではありますが、例えばユニリーバは毎月末金曜日の夕方から「プレミアムフライデーセミナー」を開催し、広く一般から参加者を募集しています。他の会社でも、プレミアムフライデーに合わせた早帰りを促す、社員向けの勉強会や近隣の他社との交流会を開く、など積極的にキャンペーンに乗っかり、自社なりの時間の活用方法を見出しているところがあります。

 

それぞれの仕事の事情もあり、「テレワーク・デイ」や「プレミアムフライデー」のように、「同じ日に一斉に」というのが難しいケースは多々あるでしょうし、無理に合わせる必要は全くありません。ただ、「私たちも何かできないか?」といったことを考える、同僚や上司との会話の中で「働き方」という話題を出す、そのきっかけとしてこういったキャンペーンのニュースをうまく利用することをおすすめします。

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