10万人のクチコミに見る、残業削減した企業に対する女性からの評価
残業削減が女性社員に与えるメッセージとは?
残業時間を減らすことによって女性の働き方はどう変わるのでしょうか? 10万人の社員クチコミによる調査で、「働き方改革」の検証が行われました。就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」を運営する株式会社ヴォーカーズは、「10万人の社員クチコミによる『働き方改革』検証」を発表しました。
残業時間が減少し始めた2014年と、2017年それぞれにVorkersに投稿された社員のクチコミを比較し、「残業時間が減少したことで、働く現場で何が変わったのか」を調査・分析しました。なお、この調査は社員のクチコミを元にしているため、企業が計測している残業時間ではなく、サービス残業も含む実態に近いものとなっています。
目次
ライター
月平均残業時間は2012年の45時間から2017年は32時間に減少
2012年以降、Vorkersに投稿された「回答時現職」の社員による平均残業時間の推移を集計した結果、2014年以降から継続した残業時間の減少が見られ、2017年の月間平均残業時間は32時間という結果になりました。つまり、3年間で月間12時間の減少です。残業に対する企業の意識は大きく変化したと言えます。
残業が減った会社と減らない会社、社員の評価はどう変わる?
残業時間が減少し始めた2014年から2017年の間に「10時間以上残業が削減できた企業」と「残業が削減されなかった企業」について、クチコミ投稿者による各指標の評価点変化率を比較しました。その結果、「人材の長期育成」の指標において、10時間以上削減できた企業は削減できなかった企業に比べ、評価点の上昇率が高く3倍以上の差がつきました。長時間労働の是正によって、「長く働いていける」という気持ちの高まりがこのような評価の伸びを生んだと考えられます。
女性からの評価は「風通し」に関しても大きく影響
女性からの評価にスポットを当てると、「人材の長期育成」に加えて「風通しの良さ」でも大きく差が出る結果となりました。10時間以上の残業時間削減が社内の風通しと「長く働いていける」という感覚において、女性に与える影響の大きさが伺えます。特に残業時間が削減されなかった場合の評価点の落ち込みが目立ちます。女性活躍において長時間労働の是正は非常に重要であると言えます。
長く働く意思のある女性に入社してもらいたかったら、残業削減への取り組みが不可欠!?
今回の調査結果を踏まえ、女性にとって長く働ける会社は残業時間削減の取り組みが行われている会社である、と少なからず言えるのではないでしょうか。残業削減した企業について、特に女性からの「人材の長期育成」の評価が大きくアップしているのは、長時間労働の状態では子育てや介護をしながら働き続けることが難しいため、そこを改善している=「社員のライフイベントも見据えて長期的に育成していこうという意思が感じられる」ということなのだと考えられます。今後、長く働こうという前向きなモチベーションを持つ女性の雇用を促進するためには残業削減への取り組みは不可欠でしょう。このような取り組みが、より女性の活躍する場を広げ、結果として社会に貢献する企業として世の中から評価されていくことへとつながっていくのだと思います。
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