駐在妻が海外で働くときの5つの壁。それでもできる仕事とは?

夫の海外転勤に帯同する「駐妻」達が、現地でできる仕事を紹介します。

「駐妻」という言葉を知っていますか?夫が海外駐在勤務になり、それについていく妻のことです。夫の海外赴任が決まったとき、妻は「海外駐在に帯同するか、日本に残るか」という選択肢を迫られます。そして帯同した場合も、仕事を退職する場合がほとんどで、自身のキャリアについて悩む妻が多いのです。夫の海外駐在について行った妻が仕事をするのが難しい理由と、解決策になるかもしれない新しい働き方をご紹介します。

ライター

Click&Clack
30代子持ちの名ばかりフリーライター。小さなものから大きなものまで。趣味はエッセイと短歌。

夫の海外転勤先で仕事をするのが難しい5つの理由

(1)これまでの仕事を続けることが難しい

日本で会社員、パート・アルバイトなどしていた場合、海外に行くことになれば、当然続けることが難しくなります。必然的に帯同する妻のほうが仕事を辞めなくてはなりません。一部の企業では、家族の海外駐在期間休職を認め、帰国後に復帰できる「配偶者転勤休業制度」がある場合もありますが、取り入れている企業は一部の企業に限られ、まだまだ利用者は少ないのが現状です。

(2)ビザの問題

夫の赴任先で働こうとする場合、駐在する夫に帯同するためのビザでは、就労が認められない国があるのを知っていますか。現地で就職先を見つけ、就労ビザへと切り替えるという方法もありますが、現地企業がそこまでして、駐在員の妻を雇うかといわれれば、現地の人を雇う方が簡単です。こうしたビザの手続きが大変ということもあり、海外での仕事を諦める人が多いのです。(※反対に、駐在員の夫に帯同という場合でも、アメリカやシンガポールなど、就労可能な国もあります。赴任先の国や州など個々のケースに応じてよく確認しましょう。)

(3)夫の会社が現地で妻が働くことを禁止している

夫の会社が、駐在先で妻が働くことを禁止しているケースもあります。会社に個別に交渉して許可される可能性もありますが、そこまでして働くことに気が引けて、諦める人がほとんどです。また、妻の労働を禁止する理由として、夫の会社が妻の扶養手当、海外赴任手当を高額で出していることがあげられます。個別に働くことの許可を受けた場合、そういった手当や、一時帰国のための飛行機代などの福利厚生がなくなってしまうこともあります。

(4)納税手続きが面倒

現地で働く場合、その国の法律に従って納税する必要があり、確定申告や年末調整などの手続きをする必要があります。国や州によってルールが異なる上、夫の会社での確定申告の手続きにも影響があることもあり、手続きの煩雑さに二の足を踏む人もいます。

(5)言葉の壁

上に挙げたさまざまな課題をクリアできたとして、現地で働くには言葉の壁を超えなければなりません。そうした場合、まずは現地の語学学校に通うなどして語学力を身につける必要があります。外国語に長けていない人は、現地の日本法人に勤める、現地にいる日本人向けの教室を開くといった日本語での仕事を考えるという方法もありますが、すべての人がこうした仕事に就くことができるとは限りません。

海外転勤妻の課題をクリア!海外でも働ける方法とは?

最近増えてきた、クラウドソーシングやオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)など、自宅でインターネットを使って日本のクライアント向けに行う仕事は、海外でもインターネット環境さえあれば手軽に始められ、特別な資格や技術がなくてもできる仕事です。

ビザの問題

転勤先の国ではなく、インターネットにより日本のクライアントから収入を得るのであれば、就労可能なビザがなくても問題ない、という国もあります。(国や州によって異なるので詳しくは、転勤先の国の規定を確認してください。)

夫の会社との交渉

夫の会社で妻の就労を禁止している場合でも、現地で外に出て働くのでなければ、妻が仕事先でトラブルに巻き込まれるといった心配もなく、許容される可能性が高いです。また、ビザや納税の手続きなどで会社とやり取りする必要がなければ、気づかれることもないため、黙ってこっそりと始める、という方もいます。

納税について

現地の会社で働くのではなく、日本のクライアントのために働いて日本円で得る収入について、日本の税法では、「非居住者」(日本国内に住所がないか、現在まで引き続き1年以上日本国内に居住していない人)は、日本で働いて獲得した所得でなければ課税されません。滞在している国で税金を納める必要があるかどうかは、その国のルール次第です。収入額によっては何もしなくて良い場合もあります。仕事を始める前には、海外在住であることをクラウドソーシングなどのサービスを提供する会社に伝え、相談してみることをおすすめします。

言葉の壁

日本のお客さん向けに仕事をするため、言葉の壁は問題ありません。海外にいながら日本語を使って仕事ができる安心感があります。

クラウドソーシングやオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)の仕事内容とは?

クラウドソーシング

(1)データ入力

クライアントからの依頼に沿ってデータを入力する仕事です。コピペのようなものから、自分で指定されたデータを検索して収集するものまで、レベルはさまざまです。単価は低いですが、パソコンさえあれば誰でもできるので、コツコツとやれば一定の収入になりやすく、クラウドソーシング初心者にも始めやすい仕事です。

 

(2)文字おこし

音声データをテキストに書き起こして、文章として入力する仕事です。インタビューや講演会などの音声を聞き、Wordなどのテキストにします。音声を聞きながら文字を打ち込むので、慣れるまでに時間はかかります。しかし経験を積めば短時間でできるようになり、継続的に一定の収入が見込めます。タイピングが早い人におすすめです。

 

(3)海外ライター

海外在住者としての経験を生かしたライティングの仕事は人気の高い仕事です。書き方はコラムのようなものから、専門的な内容のものまでさまざまありますが、特に海外生活の情報を発信したい旅行系のサイトは人気が高く、単価の高い仕事です。ライティングは案件の数も多く、良い記事を作成したり、経験を積んだりすれば単価のアップも見込めます。

 

(4)翻訳

語学が堪能な方には、翻訳の仕事がおすすめです。翻訳のプロでなくても、日常会話ができればOKというようなレベルのものから、論文や専門的な内容まで難易度はさまざまです。自分の語学レベルに合ったものを選べば、翻訳は他の案件に比べると単価の相場が高く、スキルのある人には人気の高い仕事です。

 

(5)デザイン・プログラミング

デザインやプログラミングの仕事は求人が多く、スキルがあればどこでもできるため、海外でもできる仕事の1つです。自分のスキルに合った仕事が見つけやすく、高単価になりやすいのが特徴です。長期的な契約となることが多く、仕事量は多いですが高収入につながりやすい仕事です。

オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)

近年では、海外にいながらも日本の企業から仕事を請け負うスタイルが増えています。さまざまな企業の在宅スタッフとして、業務委託契約を結びお仕事をします。資料作成やリサーチ業務、ライティングなど仕事内容は多岐に渡ります。日本で得た経験を生かした仕事をすることも可能です。オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)がクラウドソーシングと大きく違うところは、チームで仕事をするところです。Skypeなどを利用したミーティングや打ち合わせもあり、海外でも一人で仕事をしているという孤独感なく働くことができます。

まとめ

まずは調べてみよう

現地の会社に就職したり、現地のお客さん向けに仕事をしたりするのに比べると、格段にハードルが低いのが日本向けのクラウドソーシングやオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)という仕事です。現在導入している企業やクラウドソーシングサイトが続々と増えていますので、興味がある方は、調べてみてはいかがでしょうか。

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