灼熱の国スーダンに夫とくらし、オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)として輝く毎日

夫の海外赴任で住み始めたスーダンでオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)の仕事をする宇治川紗由里さんにインタビューしました。

北アフリカ・スーダン共和国に夫婦二人で生活し、英語学校に通いながらオンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)サービス「HELP YOU」のワーカーとして仕事もしている宇治川紗由里さん。そんな宇治川さんに、現地での生活の様子や、オンラインアウトソーシング(在宅ワーカー)としてどんな仕事をしているのか、お聞きしました。

インタビュアー(ライター)

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

夫の赴任で初めての海外生活 そして「HELP YOU」との出会い

夫の職場でスーダンの人とコミュニケーションする宇治川さん

いつ頃から、どうしてスーダンで暮らしているのですか?

夫の海外赴任のため2014年4月からスーダンに住み始め、2016年7月には離れることが決まっています。2016年9月からは、スウェーデンで生活する予定です。夫の仕事の都合上、今後数年の間はどこか一カ所に定住することはなさそうです。スーダンは、私にとって初めての海外在住国です。それ以前は、ずっと日本で暮らしていました。日本では、結婚を機に前々職を退職。夫が数年以内に海外勤務になる予定だったので、前職は3年の契約期間で働いていました。夫の海外駐在の時期が、ちょうど契約更新時期だったため、前職を辞め、夫と共にスーダンで暮らすことにしました。

「HELP YOU」での仕事は、どういった経緯で始めたのですか?

スーダンに来てから、最初は現地で働ける場所がないか探していました。でも当時は日本企業が一社もなく、私には英語でのビジネス経験もなかったので、就職活動は思うようにいきませんでした。また、もし仕事が見つかったとしても、数年で別の国に移住することが分かっていたので、「土地に縛られない仕事ができれば」と思い、在宅ワークを探し始めました。それで、「HELP YOU」の仕事と出会いました。

「HELP YOU」での初仕事は、どんなことでしたか?

最初に依頼をいただいた仕事は、クライアントの商談の議事録作成でした。これには正直驚きました。でも、商談の最初から最後までの録音を聞くことで、クライアントの商品説明を聞くことができ、商談中にお客さまがどんな反応をするのかも、まるで自分が商談の場に参加しているかのように知ることができました。さらに次の仕事の依頼は、この商談を基にした提案資料を作成すること。こうやって理解を深めて仕事をつなげていくのかと、新しい仕事のスタイルに驚きました。

私自身、前職でクライアント先に出向いて商品説明をしたり、提案したりする仕事をしていたので、抵抗なく初仕事をさせていただくことができました。自分が商談をしているかのようにさえ感じ、とても楽しいお仕事でした。

現在の仕事内容は?

今は主に、クライアントが営業先へ提案する資料作成、報告書作成、営業リスト作成などをしています。これからWEBで新しいサービスをリリースしようとしているクライアントを担当していて、テストサイトのチェックや、改善点のまとめなども行っています。新サービスリリース前の緊張感が、オンライン越しに伝わってきていて、「少しでもお力になれれば」と思いながら、お仕事をさせていただいています。

以前勤めていた会社で、WEBサイト運営の経験があったので、新サービスのリリースや、サイトのユーザビリティ改善など、これまで培ってきたことを少しでも活かせればと思っています。

日本との時差や気候を考慮し、仕事は午前中に

仕事をする宇治川さん

1日のスケジュールは? 日本との時差など、気をつけていることはありますか?

1日の流れは、だいたい次のような感じです。

6:00 起床
6:30 朝食
7:30 洗濯などの家事
8:30 「HELP YOU」の仕事
12:00 昼食
13:00 英語学校に向けて移動(ローカルバス+徒歩)
14:00 クラスメートと授業前におしゃべり(アラビア語を教えてもらう)
15:00 英語学校の授業
18:00 帰宅
19:00 夕食の支度&夕食
20:00 英語の勉強
22:00 就寝

日本との時差は、マイナス6時間です。

朝起きて、まずメールをチェック。既に日本は午後なので、急ぎの依頼がないか確認します。できる限りクライアントと接点を持てるよう、午前中を仕事の時間にしています。ミーティングにもこの時間を使います。それから、スーダンは日中40℃を超える灼熱の国なので、暑くなる前に仕事をしたいという理由もあります。

急ぎの案件があれば、夜に対応することも。日本から見たら、「寝ている間に依頼していた資料が完成している!」といった感じでしょうか。また、スーダンはイスラム国家なので、週末は金曜と土曜日。つまり日曜が業務日になるので、週末に依頼をいただいた仕事が月曜の朝には完成している、ということも可能です。

時間の柔軟性とチームのサポートで、海外生活を満喫しつつ仕事もできる

宇治川さん

今のワークスタイルのメリットは?

私の場合は、夫婦二人で生活しているので、そんなに家事の負担は多くありません。ただ、日本での生活と異なって、電気料金やインターネットなどの各種支払を毎月それぞれのオフィスまで出向いて払わなければいけなかったり、車を持っておらず、近くに食材が十分に揃うスーパーもないので、バスで買い物に行ったりと面倒なこともあります。また、日本のように快適に外食できるお店も多くありません。日本食レストランは一軒もありませんし。ですから、ほぼ毎日自炊して、夕食に友人を招くことも多いです。もし私が普通に会社勤めをしていたら、お国柄発生する雑多なことや、頻繁に友人を夕食に招待することなど、すべてをやるのは難しいと思います。

また、せっかく海外に住んでいるので、現地の人と触れ合う時間や、言葉(アラビア語)を学ぶ時間もつくりたいと思っています。会社勤めをしていると、平日の昼間は仕事で時間を取られてしまうので、そういう時間を取ることが難しくなると思います。今は、英語学校に通って勉強しつつ、現地の友人をつくって、アラビア語も教えてもらっています。孤児院でボランティアしたり、日本語を教えることもしています。「HELP YOU」の仕事は、自分で働く時間を決められるので、海外に住んでいるからこそ出来ることを100%やって、仕事もする。そういう生活が出来ています。

寂しくなることはありませんか?

「HELP YOU」ではチームで仕事を進めるので、「ひとりで仕事をしている」という孤独感がありません。特に私は、日本との時差がある中お仕事させてもらっているので、対応できない時間を他のメンバーがサポートしてくれるのは、本当に心強いです。また、一人で悩むとなかなか仕事がはかどらないこともありますが、チームに相談をすると、スピーディーに最適なアドバイスがもらえるので、そういう点も「HELP YOU」ならではだと思います。メンバーみんなが、それぞれの知見を惜しむことなく出し合い、サポートしてくれる。バーチャルで働いているとは思えないくらい、お互いに信頼していてとても頼もしいです。

また、「HELP YOU」ではクライアントとSkypeで顔を見ながら打ち合わせをするので、クライアントを身近に感じて、安心感がある中お仕事することができます。テキストだけのやりとりだと、コミュニケーションの相違が発生しやすいですが、そういう心配もありません。安心感や信頼感があるということは、仕事へのパフォーマンスにも大きな影響があると思います。

仕事に対して、家族の理解は得られていますか?

夫には「仕事をしていなかった時期よりも、充実して楽しそうだね」とよく言われます。また、たまに夫の事務所で仕事をさせてもらうこともあります。スーダン人に囲まれて日本の仕事をするのも、なかなか良いものです。現地のスタッフも、私がどんな仕事をしているのか興味深々。日本の仕事のスタイルを教えたり、エクセルやワードの使い方を教えてあげたりして、交流を深めています。

夫の職場で仕事をする宇治川さん

自分らしく働いて、やりたいことも全てやる!

今の働き方を、他の人にも勧めたいですか?

他の人にも、「どこでも好きな時に、仕事ができるよ!」と教えてあげたいですね。パートナーの転勤や、育児、家族のサポートなど…人生には色んなことが起きると思います。でも、そんな時にも何かを諦めたり我慢するのではなく、自分らしく働いて、やりたいことも全てやる!それが、「HELP YOU」を通じてなら実現可能なのではないかと思います。

私にとって「HELP YOU」は、新しい働き方を実現することをサポートしてくれる、心強い存在です。グローバル化、IT化と世の中が急速に変化する中で、「どう働き、どう生きていくか」を、より真剣に考える必要があると感じています。何かを諦めたり、我慢したりせずに、自分らしく生きることを多くの人が実現できたら、本当に素敵だと思います。バーチャルで、クライアントとワーカーを繋ぎ、最高のパフォーマンスで仕事ができる。そんな世界をもっと広めて欲しいですね。

取材後記

何かを諦めたり我慢したりしない 「自分らしい生き方」

初めての海外生活、それも日本とはまったく環境の違うスーダンでの暮らし。文化の違いも楽しんで積極的に学びながら、その中で「働くこと」を諦めない。宇治川さんのお話からは、いきいきと輝いて、自分の人生を味わっている様子が伝わってきました。私たちも、様々な環境にあっても「自分らしい生き方」ができるよう、挑戦していきたいですね。

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