業務委託はやりがいがない?裁量を握り、成果を出すフリーランス人事 くらしと仕事

業務委託はやりがいがない?裁量を握り、成果を出すフリーランス人事

35歳、40歳、45歳──。人生の節目で会社を退職し、独立の道を選ぶ人は少なくありません。

ただし、業務委託で働く場合「任されるのは周辺業務ばかりで、会社員時代のように事業成長を目指す楽しさが薄れてしまうのでは……」というイメージから、ためらう方もいるでしょう。せっかく培ってきた経験やスキルを眠らせたままにしたくない──そう思うのは自然なことです。

オンラインアウトソーシング(※1)「HELP YOU」には、そうしたイメージとは対極にある働き方を実践しているフリーランスメンバーがいます。今回は、採用人事の領域で活躍中の鶴田晃子さんに注目。2024年度、担当ポジションで最も高い売上を記録し表彰を受けた鶴田さんの「裁量のある働き方」をご紹介します。

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※1 オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。

インタビュイー

鶴田晃子さん
新卒で地域のフリーペーパーの編集・営業からキャリアをスタート。その後も学生時代に憧れた採用人事への思いが残り続け、キャリアチェンジを果たす。薬局の運営や福祉用具の販売を手がける企業の採用に従事し、パートナーの部署異動をきっかけに、以前より描いていた「40歳での独立」を実現。2024年度には、HELP YOUで担当ポジションにおいて最も高い売上を記録し、表彰を受ける。戦略的なスカウト技術でお客様の信頼を得ている。

ライター

三代知香
飛騨在住のフリー編集者。会社員時代はIT企業でマーケティングやPM、自社ブログの編集長を経験。メディアの立ち上げ経験を生かし、「くらしと仕事」のアクセス解析や新人育成を通して成果向上に取り組むほか、インタビューライターとして働き方や地方活性化をテーマとした記事を手がける。1児の母。→執筆記事一覧

夫の部署異動が、40歳での独立を後押し

──HELP YOUにジョインする以前は会社にお勤めだったとのこと。独立のきっかけは何でしょう?

もともと「40歳を区切りに独立したい」と思い描いていました。ちょうどその年齢を迎えた頃、夫が転勤のある部署に異動し、ついて行くかどうか悩んだんです。ただ、さまざまな土地に行ってみたい気持ちもありましたし、在宅で仕事ができるフリーランスなら柔軟に対応できると考え、独立の道を選びました。

会社員とフリーランスのいいとこどり?

──描いていたキャリアと家庭の事情がタイミングよく重なったのですね。独立にあたって不安はありませんでしたか?

もちろん不安がゼロだったわけではありません。ただ、独立のタイミングでジョインしたHELP YOUには営業担当がいて、自分の代わりに仕事を獲得してくれます。

フリーランスにとって一番大変な「仕事を取る」部分を担ってもらえるので、とても安心感がありました。あらかじめ案件が用意されている状態から始められるため、完全に自分で仕事を取って対応する自営業とは違い、会社員とフリーランスのちょうど中間のようなバランスで働けていると感じます。

さらに、仲間と一緒に取り組んでいる感覚もあり、心強いですね。

──お客様とマンツーマンで仕事をする「企業専属スタッフ(※2)」の立場からも、仲間の存在は身近に感じられるものなのですね。とはいえ、営業からバトンを受け取れば、一人で動くシーンがぐっと増えます。裁量の大きさは、会社員時代と比べていかがでしょう?

社員でないにもかかわらず、ここまで信頼して任せてもらえる環境に驚きました。ありがたいことに、会社員時代に採用業務を担当していた経験を評価いただき、自由度の高い働き方ができています。

その分、責任も大きくなりますが、適度なプレッシャーを感じながら仕事に向き合える今の環境が心地良いです。

※2 900社以上の業務コンサルティング・サポートを担当するHELP YOUでは、案件ごとに対応のスタイルが異なります。顧客窓口のディレクターを中心にチームを組んで対応するスタイルが基本ですが、一方で「企業専属スタッフ」はマンツーマンでお客様に伴走し、包括的なサポートを行います。

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採用代行の第一歩は「好き」になること

──会社員時代から、採用に携わっていたのですね。担当の一つである新卒向けのスカウト業務では、返信率(※3)アップを実現し、その実績が売上にもつながっています。自社採用と他社の採用代行とでは勝手が異なるかと思いますが、どのように向き合ったのでしょう?

※3 送信したスカウトメールやメッセージに対し、求職者から返信があった割合。承諾率とも呼ぶ。

まずはお客様の会社を徹底的に知ることから始めました。自分自身が「この会社が好きだ」と思えなければ、学生さんに魅力を伝えることは私にはできないからです。

技術のある方であれば、自分の感情にかかわらず効果的なスカウトメールを送れるのかもしれません。でも私は、自分もお客様の会社の一員だと思えるくらいにその会社を好きにならなければ、求職者に届く言葉は生み出せないと考えています。だから、そのマインドを意識的につくり込むようにしました。

──前職時代から、そうした向き合い方を?

前職では5年間、採用業務を担当しましたが、最初の頃は自社の魅力が何なのかもよくわからず、ただ客観的な事実を並べて伝えていただけでした。

「こういう会社です」「こんな仕事をします」──。でもやはり「人」の心から出た言葉でなければ、求職者には届かないんですよね。

そこで一度、自分の中に企業情報を取り入れて噛み砕き「自分が本当にいいと思ったこと」を言葉にするようにしました。そのスタンスは、自社採用でも、他社の採用代行でも変わりません。

──まずは、愛社精神ともいえるマインドをつくり込むのですね。

ただ、現在担当しているお客様の会社は本当に素晴らしく、学生さんにホームページさえ見てもらえれば「この会社、いいな!」と感じてもらえる──その確信がありました。無理に気持ちをつくったというよりは、知れば知るほど自然に好きになっていった、と表現する方が正しいかもしれません。

──素敵なお客様に巡り会えたのですね。どんな点が魅力ですか?

福祉事業をはじめ、多様な事業を幅広く展開されている企業で、常にチャレンジ精神にあふれていらっしゃいます。若手社員の提案も積極的に取り入れられるなど、年次にかかわらず活躍できる風土があるのも大きな魅力です。さらに、海外のノウハウを柔軟に取り入れる視野の広さにも惹かれます。

「福祉」と聞くと堅いイメージを抱く方もいるかもしれませんが、お客様が運営する施設はキラキラと洗練された雰囲気で、学生さんにとっても魅力的に映る環境だと思います。

「いい人」とは?ペルソナ設計から丸っと担う

これから出会いたい人物像をお客様と共に描いていく。(※ 写真はイメージ)

 

──お客様に惚れ込むほど真剣に向き合った過程が、採用に好影響を生んでいるのですね。そうした企業の風土を深く理解する姿勢は、求める人物像を描くことにもつながりますよね。実際のペルソナ(※4)設計は鶴田さんが担っているのですか?

はい。最初にお客様へヒアリングを行い、求める人物像を把握しました。いくつかリクエストは頂戴したものの、基本的には「お任せします。『いい人』に送ってください」というスタンスでした。

そこで、ホームページの社員紹介コーナーを読み込み「お客様の会社で活躍している社員の共通点」を抽出。そのうえで改めてお客様とすり合わせを行い、実際のスカウト業務へとつなげていきました。

※4 マーケティングや採用で使われる用語で、ターゲットとなる人物像を具体的に描いたもの。

募集職種に無関心な学生も振り向かせるには

──スカウトを送る対象のリストアップも鶴田さんが?

対象者の選定も私の仕事です。ペルソナを踏まえ、学生さんのプロフィールが登録されている求職プラットフォームから候補者を抽出します。

募集職種は福祉施設の現場スタッフ職のため、まずは福祉系の学部に所属する学生さんが優先です。ただ、それだけでは母数が限られるため、ペルソナに合致する場合は、福祉系以外の学生さんにも幅広くアプローチしています。

──福祉系以外の学生さんにとっては、なかなか自身の進路として実感が湧きにくいのではないでしょうか。

確かに、そうした面はあると思います。ただ、自分の学生時代を振り返ると、職種や業種を一度決めても、必ずしも固まっているわけではありませんでした。私の送るスカウトが、学生さんにとって可能性を広げるきっかけになればと考えています。

また「福祉施設の現場スタッフとして働きませんか?」ではなく「この会社の一員になりませんか?」というメッセージを届けるようにしています。実際にお客様の事業は幅広く、必ずしも職種に縛られる働き方ばかりではありません。

その他大勢じゃなく「あなた」に向けて

──メッセージの出し方一つで印象が変わりますね。スカウトにおいて、他に工夫している点は何ですか?

「あなた」に向けてスカウトを送っていることが伝わるように心がけています。私自身、過去に転職活動をした経験から、どんなメッセージなら心に届くのかを学びました。誰にでも当てはまる内容では応募意欲は高まりませんが「自分に向けて書かれている」と感じられると、その会社に好感を持てるんです。

だから、学生さんのプロフィールや「学生時代に頑張ったこと」を踏まえて魅力を読み取るようにしています。短い文章から人柄の全てを知ることはできませんが、学生さんが「ここを見てほしい」と思っているポイントは必ずある。それを汲み取るようにしています。

例えば、部活動やサークル活動でリーダー経験がある学生さんの場合「リーダー経験に惹かれてスカウトしました」ではなく「相手に寄り添うようなリーダーシップに魅力を感じました」と具体的に書くのが大切です。ざっくり書いた方が誰にでも当てはまり、外す可能性は減りますが、やはり相手に届く言葉にするには具体性が欠かせません。

1通につき2分、深い顧客理解が効率を生む

──それほど学生さん一人ひとりに向き合うとなると、膨大な時間が必要なのでは?

月に45時間ほど稼働していて、1日の稼働は2〜3時間です。1日に送れるスカウト数にはシステム上限があり、複数のプラットフォームを併用しても約50件。1通にかける時間は1〜2分で、ひな形があるので想像するほど負担はありません。

──でも、スカウトメッセージを「書く」時間以上に「考える」時間がかかりそうですし、名前の間違いなどミスも許されないなかで、その時間に収められるのはすごいですね……!

正直なところ、最初はお客様のことを知るために業務外で自分の時間を使った時期もありました。これが正しい方法とは思いませんが、その時間があったからこそ、今は自信を持って日々のスカウト業務に取り組めています。

先輩の背中を追いかけ、企業の「顔」へ

──採用の仕事に思いを持って向き合われている様子が伝わってきます。そもそも、なぜ採用の仕事を?

学生時代に出会った採用担当の方が皆さんとても魅力的で、その姿に憧れたのがきっかけです。特にN社の採用担当との出会いは今でも鮮明に覚えているほどで、採用担当が企業のイメージに与える影響は大きいと実感しました。だからこそ、お客様の企業イメージを損なわないようにという意識は常に持っています。

──では、新卒の就職活動ですでに人事を目指していたのですか?

はい、学生時代から人事の仕事には憧れがありました。ただ、新卒でいきなりその仕事に就いたわけではありません。

学生時代に出会った採用担当の方から「まずは広い視野で社会経験を積んだ方がいい」とアドバイスを頂き、最初に選んだ仕事は地域のフリーペーパーの編集・広告営業でした。振り返れば、当時の広告制作の経験が「企業の魅力を読み取るスキル」につながっていると感じます。

このように学生さんのキャリアに少なからず影響を与えられるのも、採用という仕事の魅力です。

パソコンが不得意でも在宅人事になれる

──これほど思いと裁量を持って活躍されている鶴田さんの存在は、フリーランスへの転向を考えている同世代の方に希望を与えるかと思います。ただ切り出された業務を「こなす」だけでない、フリーランスの働き方が見えてきました。

ありがとうございます。実はHELP YOUにジョインする以前はパソコンが得意ではなく、正直、泣きそうになる場面もありました(笑)。今でも「得意です」と胸を張って言えるかというと……。

それでも、こうして「お役に立てている」と実感できる日々を過ごせています。裁量を持って働けることも、成果が目に見えることも、当初は想像もしていませんでした。不安を抱えながらも一歩踏み出した先に、理想の環境があったんです。

まとめ

フリーランスの仕事は、切り出された周辺業務を淡々とこなすだけではありません。最初は補助的な立場から始めたとしても、お客様を思い、戦略に踏み込むうちに気付けばプロジェクトの要を担っている──そんなケースもあります。

鶴田さんのように「お客様の一番のファンであろうとする姿勢」が信頼を生み、結果的に裁量ある働き方につながっていくのでしょう。

これまでに培ってきた経験を眠らせたくない。けれど、もっと自由な働き方にも挑戦してみたい。そんな思いを抱いている方は、ぜひHELP YOUでその一歩を踏み出してみませんか?

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