モンゴルの遊牧民から学ぶ「最高の人生」の叶え方

「最高の人生とは?」と聞かれたら、どんな生き方を思い描きますか?欲張りな私が思い描くのは、キャリアもプライベートもやりたいことを全部叶えていく人生。でも現実はやりたいことに自信が持てなかったり、見えない空気に合わせて勝手に自分を苦しめていたり・・・そんなモヤモヤを解消してくれたのは、大好きなモンゴルでの生活で得た学び、そしてHELP YOUでの新しい働き方でした。この記事では、そんな学びと実践についてお話したいと思います。

ライター

鹿野詩織
コンサル、省庁等での勤務を経て、ナミビア旅行中に出会ったパートナーと共に現在旅暮らしをしている。世界中の美味しいものを食べ歩くという夢に描いていた生活を実践。2022年11月よりHELP YOUにジョイン。帰国後は「世界の居酒屋」というイベントを日本各地で開催したいと計画中。→執筆記事一覧

モンゴルとの出会い

モンゴルの遊牧民が暮らすゲル くらしと仕事

モンゴルの遊牧民が暮らす「ゲル」(=「家」という意味です。)

私がモンゴルという国を知ったのは、小学校3年生の頃。近隣の大学に通う留学生との交流会がきっかけでした。今でこそ色々な国籍の子どもたちが席を並べることは珍しくありませんが、当時「海外の人と出会うこと」はめったにないチャンス。初めて聞くモンゴルという国の話に夢中になっていた幼い私は、自分の未来がこんなにもモンゴル色に染まっていくことになるとは想像もしていませんでした。(大学ではモンゴルへ留学し、大学院ではモンゴルを研究し、ついにはモンゴルで働くことになったほど。)
「好き」という気持ちと好奇心は間違いなく人生を豊かにしてくれるものなんだと、モンゴルとの縁を振り返って実感しています

モンゴルってこんなところ

日本から5時間程のフライトで行けるモンゴルですが、行ったことがある人は多くないのではと思います。雑学も含めてざっくりモンゴルをご紹介するとこんな感じです。

  • 世界一人口密度が低い国(日本の約4倍の土地に人口は40分の1の約330万人)
  • 国民の約10%が遊牧民
  • 夏は30度、冬はマイナス40度にもなる厳しい環境
  • 平均寿命は70歳
  • 13世紀に世界最大規模のモンゴル帝国を築いたチンギスハーンは今でも英雄とされ、「チンギスビール」「チンギスウォッカ」等のお酒の銘柄にもなっているほど
  • モンゴル人はお酒とお肉とパーティーが大好き!
チンギスビール くらしと仕事

モンゴル人はお酒が大好き!昼間からチンギスビールで乾杯。

遊牧民からの学び その1「ひとつに縛られなくていいんだ」

モンゴルに「東大・京大卒の遊牧民兼大企業戦士」という、パワーワードを並べた肩書を持つ友人がいます。
まず前半の「東大・京大卒」の部分ですが、モンゴルは親日国で日本へ留学する人が多く、彼も国費留学生として日本で学んでいた一人。彼はその中でも日本のトップクラスの大学をダブルで卒業したという、異色の経歴の持ち主です。
次に後半の「遊牧民兼大企業戦士」についてですが、遊牧民の家庭で生まれ育った彼は、遊牧生活の豊かさや価値を伝えていきたいという夢を持ち、自分の乗馬キャンプを経営していました。

それがある日「最近、企業に就職したんです。毎日スーツで出勤ですよ~」と唐突な近況報告が。聞けば、モンゴルを代表する大企業にスカウトされ、「日本の技術を導入してモンゴルの精肉の質を高める」というミッションを任されたというのです。
ついこの間まで民族衣装を着て馬に乗っていたのに・・・「乗馬キャンプはどうするの!?」と聞くと、週末だけオープンさせてダブルワークをするとのこと。

あまりにも見事なキャリアチェンジ(?)で驚いてしまいましたが、他にも「大学教授、ときどき不動産屋さん」「政治家志望のコメディアン」など、モンゴル人のキャリアパスは無限大なのです。

「石の上にも三年」の国で生まれ育った私には衝撃的でしたが、「冷えた石にじっと座っている暇があったら、周りを見てもっと良い石を探しに行こうよ。身体冷えたら動けなくなるよ!」と言われ、思わず納得。

ひとつのことにじっくり向き合うことはもちろん大切ですが、自分の可能性を制限するのはもったいない!思い切って両手を伸ばしてみることで、思いがけないチャンスや出会いを掴めるかもしれません。

モンゴル牛 くらしと仕事

牛の仲良し親子。草原でのびのび暮らす動物たちはみんな優しい顔つきです。

遊牧民からの学び その2「自分を信じてトライしてみる」

「チャレンジして失敗することよりも、チャレンジせずにチャンスを逃す方がハイリスクだ」と言うのが、モンゴル思考の基本です。なぜなら厳しい気候の中、狼や自然災害の脅威と戦いながら生きる彼らは「2度目のチャンス」がそう簡単に来ないことを知っているから。

モンゴルには、「明日の肉より今日の骨」ということわざがあります。狩りをしている最中に骨を見つけたら、たとえ身が少なくても迷わず取りに行くこと。「少し待てばもっと良い獲物が手に入るかも・・・」という希望はあまりにも不確定で、目の前の骨ですら明日にはもうなくなっている可能性があるからです。
目の前にチャンスが来たなら「誰がやっても成功率は100%じゃない。それなら自分でやってみよう。やれば絶対にできるはず!」と、自分のことを信じ切ることができる。それが彼らの強さなのです。

そんな強靭なハートは持ち合わせておらず、リスクヘッジをこっそりと頭の隅に用意しがちな私には、無条件で自分を「信じ切る」ことはハードルが高い・・・そんな私がモンゴルの文化や考え方に触れるなかで、一歩踏み出せば新しい景色が見れることに気づけたのです。

考えすぎる前にまずは自分を信じてトライしてみること。「見る前に跳べ」の精神を、モンゴルの遊牧民は背中で教えてくれました。

遊牧民からの学び その3「仲間を大切にすること、自分の責任を全うすること。それが自由への第一歩」

遊牧民は家畜に食べさせる新鮮な草を求めて、草原を移動しながら暮らします。道なき道を風に吹かれては気の向くまま進んでいく生活という遊牧生活のイメージは、私が憧れる「自由」の象徴でした。

でも、いざ草原暮らしをしてみると、私が思い描いていた「自由」とはかけ離れたものだと思い知らされたのです。遊牧生活は「住む場所が限定されない」と言う意味では確かに制限がありません。
しかし、家族という最小単位のチームで移動するため、一人一人の役割がしっかりと決まっていて、空を見上げて羊雲を数えている人は誰一人としていません。日が昇る前に起きて家畜を放牧し、日が沈む前に乳搾りを終えて料理を作る。夜中に狼が来れば犬と共に戦い、家族と家畜を守る。こんな日々を淡々と紡いでいくのです。

遊牧民にとって大切なのは、自分たちの財産である家畜を守り、増やしていくことです。日々やるべきことをやって、家畜に食べさせる草がなくなったらもっと美味しい草が生えている場所へ移動していく。こうして家畜を増やすことで、子どもを大学に進学させたり、良い馬を手に入れたりして自分たちの生活を豊かにしていきます。(遊牧民にとって馬は最も重要な家畜で、アパートを買うより高額になることもあるんです!)

遊牧民の生活は「いつでも何でもできる自由気ままな暮らし」という勝手なイメージを持っていましたが、実際は、各自の責任とチームワークによって「選択肢の自由」を手に入れているんだと感じました。
「選択肢の自由」があるというのは、複数の選択肢から自分の気持ちに寄り添った決断ができるということだと思います。選択肢の自由を増やして自分らしい人生を送るには、草原で家族みんなが支え合っていたように「誰かのために出来る何か」を考えてアウトプットし続けることが必要だということを学びました

羊の革からカーペットや毛布を作ります。 くらしと仕事

働き者のおばあちゃん。羊の革からカーペットや毛布を作ります。

私にとっての「最高の人生」を実践中!

大好きなモンゴルでの学びを胸に、現在私は「旅をしながら暮らす」という生活を実践しています。子どもの頃から憧れた海の向こうを自由に行き来する生活。その土地の文化を感じ、言葉を交わし、新しい世界と繋がる楽しさ。
このライフスタイルを選んでから、以前よりもっと素直で居心地の良い自分でいられる気がしています。

そして、この「しっくり感」を手に入れるのに必要不可欠だったのが、HELP YOUとの出会いです。正直に言ってしまうと、旅の途中から円安に耐えかねて「働かなきゃ!」と追い込まれた末での応募でした。
それが今や、HELP YOUにジョインしたことで日々新しい出会いやチャンスがあるだけでなく、これからやってみたいことが次々と心に浮かぶ毎日を送ることができています

目の前のチャンスに手を伸ばして、自分を信じてやってみること。チームメンバーと共に質の高いアウトプットを続けていくこと。これらは、まさにHELP YOUで日々実践していることです。

モンゴルの草原での学びが思いがけず今に繋がるなんて、これだから人生は楽しい!今現在の行動もきっと未来の自分を喜ばせることができると信じて、トライし続けたいと思います。

ゴビ砂漠でモンゴルラクダとライター くらしと仕事

夫と2人でゴビ砂漠へ。気持ちの良い風を感じることができる私のパワースポットです!

まとめ

憧れの国で学んだ人生のヒントは、ときに私の背中を押し、ときに肩の力を抜いてくれるお守りのような存在になっていました。働き方や生き方が多様化する時代、選択肢が多過ぎて正解を選ぶのが困難だと感じることもあると思います。先が見えない中で進むのは怖いけれど、「自分の選んだ道」を進んだ分だけきっと楽しいことが待っているはず。遠い草原でのエピソードが、読んで下さった誰かのお力になれば幸いです。

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