リモートワークだけが正解じゃない。人と「会う」のが好きな20代が目指す、自由な働き方

「人と会って話すのが好きなんです」。そう語るのは、2022年5月、株式会社ニットに入社した中野由莉子さん。もともと広告代理店で企画営業をしていましたが、コロナ禍をきっかけに世の中の働き方に対して疑問を持つようになり、フルリモートワークを実践するニットへ広報としてジョインしました。

オフィス出社好きという中野さんが、なぜニットを選んだのでしょうか? 次世代を担う若手が語る「縛られない働き方」についてご紹介します。

▶︎ 時間や場所に縛られない働き方を実践したい方はこちら


ライター

三代知香
飛騨在住のフリー編集者。会社員時代はIT企業でマーケティングやPM、自社ブログの編集長を経験。メディアの立ち上げ経験を生かし、「くらしと仕事」のアクセス解析や新人育成を通して成果向上に取り組むほか、インタビューライターとして働き方や地方活性化をテーマとした記事を手がける。1児の母。→執筆記事一覧

コロナ禍で急速に変わる世の中の働き方

中野由莉子さん 明治学院大学を卒業後、広告代理店にてBtoBのIT企業をメインとしたマーケティング支援を担当。その後、2022年よりニットにジョイン。自社の活動を知ってもらう活動に従事したいと広報に転身。働き方・生き方が選べる世の中にしたいという思いを胸に活動中。趣味は、ダンス、DJ、芸術鑑賞。

もともと、広告代理店で企画営業の仕事をしていたとか?

はい、大手企業を中心としたお客様に、包括的なソリューションをご提案していました。例えば、お客様にてイベントを開催する際には企画段階から入り、イベント会社やデザイン会社など多岐にわたる企業を巻き込みながら、当日の運営までご支援していましたね。お客様のご要望に応じて幅広い提案ができることにやりがいを感じる日々でした。

やりがいを持って仕事に取り組んでいたのですね。では、何をきっかけに転職を考えたのでしょう?

コロナ禍で世の中の情勢がガラリと変わったことが、きっかけとしては大きかったですね。会社の事業が立ち行かなくなり、仕事に困っている人の存在を知るほど「何とかしたい」という思いが強くなりました。

私自身が、リモートワークを体験したことも少なからず影響しています。新型コロナウイルスの感染者数が多かった時期には、前職でもリモートワークが許可されました。私は出社して人と会って話すのが好きなのですが、実際にリモートで働いてみるとメリットも多くあると気が付いたのです。

リモートか出社か、白黒付けないとダメ?

フルタイムで働きながら週3でダンスという、公私共に充実した生活を送る中野さん。

どのようなメリットを感じましたか?

通勤時間がなくなった分、学生時代から続けているダンスの活動に使える時間が増えました。仕事柄、どうしてもプライベートを犠牲にする働き方が求められていたように思うのですが、リモートワークに切り替えたことで仕事と私生活を両立しやすくなったんです。

私にとって、仕事とダンスの両立は人生において大切にしたいことの一つです。ダンスの調子が良いと、仕事もうまくいく。仕事が好調だと、ダンスもうまく踊れる。互いに相乗効果があるので、どちらが欠けてもダメなんです。リモートワークは「仕事かプライベートか」という二者択一を迫る従来の働き方とは異なり、どちらも大切にするうえで有効な手段の一つだと感じました。

しかしながら、感染者数が落ち着いてくるとリモートワークは全面的に撤廃され、毎日オフィスへ出社する生活に逆戻り……。その判断自体は決して間違いだとは言いません。一方で「リモートワークとオフィス出社、双方の良い部分を柔軟に取り入れる働き方ではダメなのか?」という疑問が浮かびました。

そうした出来事を背景に、自分の中で「個の働き方」に対する興味が増していき、情報収集をするうちに出会ったのがニットです。「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンを掲げ、自ら柔軟な働き方を実践していると知り、「これだ!」とピンときました。

世の中のワークスタイルをより良いものへ

このご時世、柔軟な働き方を取り入れている企業は少なくないかと思います。その中で、なぜニットだったのでしょう?

理由は2つあります。1つは、ニットの事業自体が「働き方」に軸足を置いているためです。私が出会ってきた会社の多くは事業ありきで、「働き方」はあくまでも副次的な立ち位置でした。しかし、ニットは事業を通じて人々の働き方をより良いものにしたいという思いから、ビジョンの実現に向かっています。その企業としてのあり方に強い共感を抱きました。

もう1つは、組織の内側から周囲を巻き込み、一つの目標に向かっていく働き方に挑戦したかったのが理由です。前職での仕事には、お客様の課題を解決する面白さがあったものの、次第に「代理店」という立場にもどかしさを感じるようになりました。お客様の企業成長を願うほど、組織の意思決定に関わりたいという思いが募っていったのです。事業会社であるニットなら、それができると考え入社を決めました。

実際にジョインしてみて、一社員の意見に対する受容性の高さと、意思決定のスピードに驚いています。周囲の方は、私が「こうしたらいいのではないか」と提案すると、どんな意見でも決して否定から入らず、やってみることを前提に検討してくれるのでありがたいですね。

「働き方」にも「役割」にもとらわれたくない

ニットの代表取締役、秋沢崇夫とディスカッションをする様子。

ベンチャー企業だからこそのスピード感ですね。ところで、もともと企画営業をしていたとのことですが、未経験で広報へジョブチェンジしたのはなぜでしょう?

広報という職種自体に強いこだわりがあったわけではありませんが、面談等を通じてニットの広報は実に幅広い業務を担っていると知り、役割にとらわれず自由に働けると感じました。

広報なら、メディアリレーションにおいて営業的な側面もありますし、一方でサービスブランディングの観点ではマーケティング的な要素もあります。採用広報も重要なミッションの一つです。「広報の業務はここからここまで」と決まっていないからこそ、力を発揮できるのではないかと思いました。業務範囲が幅広いという意味では前職での仕事も同様なので、企画営業時代に培ったスキルが生かせるのではないか、と。

お話を伺っていると、中野さんは何事においても「縛られない」ことを重要視しているように感じます。

そうですね。働き方や役割に縛られない方がモチベーションが上がるんです。

むかしからそうなんですよ(笑)。高校時代は陸上部だったのですが、練習カリキュラムがカチッと決まっていたためか、今思えばどこか「やらされている感」がありました。ところが、大学でダンスサークルに入って「自由に練習していいよ」と言われると、がぜんやる気が湧いてきたんです。

仕事でも同様です。ハードな働き方は嫌いではありませんが、残業を強要するような雰囲気があるとモチベーションは上がりません。オフィス出社は好きですが、業務内容やプライベートの状況によってはリモートワークも取り入れたい。

「週休3日」を設けている会社もありますが、ああいう形も私にはフィットしないだろうな、と。やりたい仕事があったとしても、余計に1日休まなければならないので……。

オフィスでしかわからない仲間の人となり

ニットの事業統括メンバーが集う合宿のひとコマ。

実際にニットに入社してみて、思うような働き方はできていますか?

はい! ニットで働く人のほとんどはフルリモート勤務ですが、私は東京の五反田オフィスに出社するケースの方が多いです。同時に、業務によってはリモートワークもうまく取り入れています。

フルコミットメンバーの中でも出社する人はそう多くはありませんが、会社に行くと誰かしらはいますし、フリーランスメンバーの方が立ち寄る場合もありますね。そのような機会に、対面での会話を通じて相手の人となりを知ることができるので、今は積極的に出社するようにしています。

やはり、オフィスに行かないとわからない要素ってあると思うんです。例えば、画面越しにやりとりをしていた時には気付かなかったけれど、この人実は背が高いんだ! とか……。見た目だけではなく、声や話し方、相手がまとう雰囲気から、人柄を推し量ることができます。相手の人柄を知っているのと知らないのとでは、リモートでやりとりをする際の円滑さも違うでしょう。

リモートワークとオフィス出社の良い部分を取り入れながら、今後も自分らしい働き方を続けていきたいですね。

ニットの働き方は他社の参考にならない?

ご自身が理想とする働き方を実現し、会社の良さを肌で感じているからこそ、対外的に発信できる魅力もあると思います。広報として、今後ニットをどのように伝えていきたいですか?

直近で伝えたいこと、数年後の未来に伝えたいことの2つあります。

直近では、リモートワークに対して敷居が高いと感じている企業に向けて、そうではないという事実を発信していきたいです。最近、他社の方から「ニットさんの働き方は、なかなか参考にしにくい」と言われたことがあります。

ニットは、2015年の創業当初からフルリモートを前提とした自由な働き方を実践しており、現在、世界各国・全国各地から集まった400人のメンバーが活躍しています。そのワークスタイルは、いわゆる”フル出社”の企業にとってだけではなく、コロナ禍でリモートワークを取り入れた企業にとっても極端なようで、「ニットさんだからできる」「ベンチャー企業だからできる」と思われがちです。

私自身が、リモートワークとオフィス出社というハイブリッドな働き方をしているからこそ、そうした企業とニットをつなぐ存在になりたいですね。

そして、数年後の未来には「リモートワーク」の枠組みを超えて、今よりさらに縛りのない働き方に挑戦している企業として伝えていきたいです。現代において、リモートワークはコロナ禍で普及が進んだとはいえ、まだまだ新しい働き方だといえます。そんな世の中で、リモートワークを中心としたハイブリッドな働き方を実践するニットはユニークな存在でしょう。

しかし、リモートワークをする企業が増えれば増えるほど、ニットのユニーク性は薄まっていきます。だからこそ、現状に留まることなく、真の意味で「未来を自分で選択できる社会」とは何か、そのために何が必要かを追求し続けていきたいですね。

ニットと外の世界をつなぐ広報でありたい

弾けるような笑顔が印象的。

社外への発信をしていくと同時に、社内に対してはどのような働きかけをしていきたいですか?

2つあります。まずは、ニットで働く人をもっと知ることです。会社の良さを伝えていくためには、会社を構成するメンバーの魅力を理解することが不可欠だといえます。

特に、ニットが提供するオンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」は、メンバーが持つ経験やスキルによって成り立っているため、サービスの価値=「人」といっても過言ではありません。だからこそ、広報として社外に向けた発信をしていくにあたって「人」への理解は大前提なのです。

そのためにも、現在、社内のメンバー100人に向けて任意のヒアリングを実施しています。一人ひとりとの会話を通じて何より素晴らしいと感動したのは、皆さんが持つ当事者意識の強さです。業務外にもかかわらず、私の問いかけ一つひとつに対して真摯に向き合ってくださっているのを肌で感じます。このような姿勢が、お客様へ提供するサービスの質につながっているのだと実感しました。

もう1つは、常に社外との交流を持ち、世間一般の声を社内に持ち帰ることです。会社にこもっていると、いつしか社内の文化や取り組みが「当たり前」になり、良いところも足りないところも客観視できなくなるでしょう。

私は人生において、できる限り多くの人と話そうと決めています。会話は私の趣味であり、ライフワークなんです。自分の好きなことを生かして、ニットと外の世界をつなぐ存在を目指します。

まとめ

コロナ禍における世の中の情勢や、自身の体験により「働き方」に対する関心が高まり、ビジョンへの共感からニットに入社した中野さん。リモートワークそのものに対して強いこだわりはなく、あくまでも「縛られない働き方」に重きを置いている様子が会話の端々から伺えました。

「ニット=フルリモートの会社」という印象を持っている方も多いかもしれませんが、リモートワークは一手段であり、私たちの本質ではありません。私たちは創業以来、一貫して「未来を自分で選択できる社会をつくる」というビジョンに向かい続けています。

オフィス出社も好きな中野さんだからこそ、広報としてニットの本質的な価値を伝えていってくれるのではないでしょうか。

▶︎ 「未来を自分で選択できる社会」を一緒につくりませんか? 詳しくはこちら

Link

おすすめリンク