40代でリモートワーカーに転身。転勤族の妻が語る、地方就職をやめた理由とは
「リモートワークなんて、自分には関係ない世界の話だと思っていました」。HELP YOUでフリーランスライターとして活躍する小川舞子さんはそう語ります。パートナーの転勤が決まるたびに地元企業への転職を繰り返していた小川さんが、どのような経緯でリモートワーカーに転身したのかを聞きました。
目次
ライター
地方就職に苦戦し、専門職の道へ
HELP YOUにジョインする前は、どんな仕事をしていましたか?
広報、パラリーガル、婚礼司会……さまざまな仕事に挑戦しました。
幅広い分野に携わってきたんですね。
もともと東京の新聞社で広報として働いていて、結婚をきっかけに夫の職場がある愛知県に引っ越しました。しばらくは同じ会社の名古屋支社に勤めていたのですが、広報の場合は東京本社から離れてしまうと最前線の業務に携わることが難しく、もの足りなくなったのが最初の転職を決めた理由です。
その後、1年ほどショールームの説明員をしていましたが、夫が転職し、北海道帯広市へ移り住むことになりました。本当は同じ仕事を続けたかったのですが、引っ越し先には条件に合う求人がありませんでした。手に職をつけたら地方でも需要があるのではないかと考え、選んだのが法律の仕事です。
そこからなぜ婚礼司会へ?
法律事務所でパラリーガルとして働き始めてから3年ほど経った時に、夫の転職で今度は栃木県へ……。正直、ちょうど仕事が軌道に乗ってきた時期だったので、「このタイミングか……」と落ち込みましたね。
栃木県でも法律関係の求人を探してはみたのですが、通勤できる場所に法律事務所がなくて、別の道を探していた時に出会ったのが婚礼司会の仕事でした。学生時代に趣味でアナウンスの勉強をしていた背景もあり、この仕事なら活躍できるのではないかと思いました。
好きなことを仕事にしたんですね。
はい、今でも性に合っていたと思います。基本的に、出勤するのは結婚式が行われる土日だったので、子どもが生まれてからも夫に世話を頼んで続けることができました。「この仕事なら、どこに住んでいても、何歳になっても続けられる!」と当時は喜んだものです。
というと?
次の転勤先がタイだったんです。それまでは引っ越した先で仕事を探し、前向きに取り組んできましたが「さすがにもう無理だ」と思いました。せめて暖かく過ごしやすい場所だったのが救いです(笑)。
タイに滞在すること4年弱。気が付いたら40歳を超えていました。
10年のブランクを経て直面した現実
帰国してからはまた仕事を始めたのでしょうか?
日本に帰ってからも、すぐには復職しませんでした。子どもは初めて日本の学校に通うこともあり、一緒にいてケアしてあげたかったためです。
ようやく職を探し始めた頃には、最後に事務系の仕事をした時からさかのぼると10年ものブランクがありました。
仕事はすぐに決まりましたか?
それが、思った以上に苦戦してしまい……。不採用の通知が続くと「年齢のせいかな」と悩むこともありました。もちろん、スキルや性格的なアンマッチも要因の一つだったとは思います。ただ、40代の子持ちというだけで、ITリテラシーや仕事に対する姿勢を疑われることもあったので、もどかしかったですね。
結局、半年かかって、エステサロンを経営する会社の広報として雇ってもらえました。
このタイミングで、また広報の仕事に戻ったんですね。
広報の仕事には思い入れがあった分、決まった時の喜びもひとしおでした。何より、またビジネスの世界に戻れたことが嬉しかったです。
入社して少し経った頃に、正社員にならないかと打診されたのですが、そのままパート社員として働く道を選びました。
それはなぜでしょう?
幼稚園のお迎えがあったのと、何より自分に自信が持てなかったからです。私が仕事から離れている間に、世の中のワークスタイルは大きく変化しました。復職してそう経たないうちから、そこについていける自信がなかったんです。それでも限られた時間のなかで、どうにか自分の価値を発揮しようと試行錯誤し、のめり込んで仕事をしました。
リモートならもう仕事を諦めなくていい
広報の仕事を辞めてリモートワーカーになったのはなぜでしょう?
理由は2つあります。一つは、仕事に熱中するあまり、お迎えに行くのが遅れてしまい、子どもを待たせてしまうことが心苦しかったからです。おそらく時間で区切る働き方が、私には合っていなかったのだと思います。お迎えがあるからパート社員という雇用形態を選んだのに、結局、時間を忘れて仕事をしてしまうので。
もう一つは、コロナ禍でリモートワークが一般化していくなかで、「自分の仕事もリモートで十分可能なのでは?」と思うようになったのが理由です。前職では、リモートワークをする環境が整っていなかったため、勤務時間や人数を制限してでも物理的に出社せざるを得ませんでした。そんななかで小学校が休校になり、日中は子どもの世話をする必要が生じたため、さらに出勤日を減らしてもらうことに……。会社に行ける僅かな時間のなかで、いつもの仕事量をこなすのに苦労しました。
そうした状況下で、これまでは選択肢にすら入っていなかった「リモートワーク 」という働き方への関心が高まり、調べた結果たどり着いたのがHELP YOUです。
リモートワークの仕事は他にもありますが、なぜHELP YOUに?
一番は、時間の融通が効く点です。パート社員時代には、物理的に仕事を切り上げる必要があったため「あと10分」ができませんでした。しかし、HELP YOUならお迎えや家事を終わらせた後に、業務の続きに取り組むことも可能です。
HELP YOUで活躍する人のインタビュー記事を読んで「この働き方なら、これまでキャリアを諦めていた分を取り返せる!」とすぐに応募しました。
これまでも前向きにキャリアを積み上げてきたつもりでしたが「地方に住んでいるから」と心のどこかで諦めていました。本当はもっと貪欲に仕事をしたかったけれど、その気持ちを押さえつけていたんです。でもHELP YOUなら、もう諦めなくていい。
夫の転勤についていくのを選んだのは私ですが、釈然としない気持ちはありました。「何で私ばかり仕事も人間関係もリセットしなければならないのだろう」と。
夫も、私が仕事に対して真剣に向き合ってきたことを誰よりも理解してくれています。だからこそ、HELP YOUで働けると決まった時には、私以上に喜んでくれました。
大事なのは自分の選択を信じること
小川さんは、これまでもパラリーガルや婚礼司会など新しいことにチャレンジしてきましたが、知らない世界に飛び込むのは怖くないのでしょうか?
怖いですよ(笑)。HELP YOUにはライターとしてジョインしましたが、自信満々というわけにはいきません。これまでの経験で言葉を扱うスキルを磨いてきた自負はありますが、ライターという職種自体には初挑戦なので。
初めて婚礼司会の仕事をした時も、マイクを持つ手が震えました。会場の方に緊張を悟られないようにするので精一杯でした。
どのように乗り越えましたか?
この仕事を好きで選んだのは自分自身なのだと言い聞かせるようにしています。あとは自信がつくまで、ひたすら勉強です。司会などの本番一発勝負の仕事をする時には、徹底的に準備をし、ノートを持参するようにしていました。一度やると決めた以上、やり抜くしかありません。
HELP YOUではどんな新しいことを始めましたか?
ライティングの他に、RSSファイルの作成業務を担当しています。
RSSファイル?
私も最初は全くわかりませんでした(笑)。Webサイトの更新情報を案内するためのファイルです。それを作るためにHTMLの知識が必要なのですが、これまでに触れたことのない分野なので最初は戸惑いました。「40にもなって、どうして未知の領域に踏み込んでしまったのだろう……」と過去の自分を恨んだことも一度や二度ではありません。
そんな時に支えてくれたのが、HELP YOUで一緒に働く仲間です。わからないところを丁寧に教えてくれて……チャット越しでしたが、優しい声が聞こえてくるようでした。フリーランスは孤独だけれど、HELP YOUなら誰かが助けてくれる。そんなところも気に入っています。他の方がそうしてくれたように、私も新しく入ってきたメンバーの支えになれるような存在を目指します。
各転職先で得た複合スキルを生かす
これまで幾度となくキャリアを諦めるタイミングはあったかと思います。それでも続けてこられた理由は何でしょうか?
単純に仕事が好きだからです。頑張ったら頑張った分だけ結果として残る。それが段々と積み重なっていって自信になります。
結果が目に見えるという意味では育児も似ています。大切に育てた子どもが、大きく成長していく姿を見るたびに嬉しくてたまりません。一方で、仕事にはまた違った楽しさもあるんです。これまでに培ったスキルを他人のために生かせていると実感できた時に、大きなやりがいを感じます。「〇〇ちゃん、〇〇君のお母さん」としての私、ビジネスパーソンとしての私、どちらの人生も全力で楽しんできたからこそ、ここまで続けてくることができました。
あとは学生時代の友人の存在も大きかったですね。各業界で活躍している人が多くて、仲間内で集まるたびに良い刺激をもらっていました。働くに働けなかった時は、もどかしい思いをすることもありましたが……。
実は、リモートワーカーになる後押しをしてくれたのも、その友人の一人でした。大手の出版社に勤めている人で、本社が地方に移転したことをきっかけにリモートワークに切り替えたそうです。地方在住だからと諦めていた私に「近いうちに舞ちゃんにもチャンスがくるよ!」と声をかけてくれました。その人には感謝してもしきれません。
今後はどんなことにチャレンジしたいと思いますか?
きっかけこそ夫の転勤でしたが、結果的にさまざまな仕事を経験できたので、そこで身につけたスキルを生かしていきたいと思います。例えば、イベントレポートを作成する時に、実際に自分も司会者として参加して、その様子を記事にできたら、より臨場感のある内容になるはずです。これまでの経験を何一つ無駄にせず、未来へとつなげていきます。
まとめ
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