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目次

語学習得のための海外滞在が、いつしか日常に。チェコ生活6年

-現在、どこの国にいらっしゃいますか?


久野明日香さん(以下、久野):チェコのピルゼンという街にいます。ピルスナー・ウルケルというビールの地元として有名です。


-チェコには、いつから?


久野:6年前の、2012年9月3日に来ました。

そこに至るまでをお話しますと、日本で高等専門学校(高専)に3年間通い、辞めた後アメリカへ1年語学留学をしました。

その後ワーキングホリデーでオーストラリア、カナダに1年ずつ。その時点でかなり英語が話せるようになっていたのですが、カナダで出会った友人たちは語学目的のワーキングホリデーで来ている子が多く、その影響でまた何か勉強したくなったんです。行き先を考えていた時に、知人から「デンマークは学費がタダだよ」と聞きました。フォルケホイスコーレという全寮制の教育機関で、寮費と食費を払うだけで学ぶことができます。そこで国際関係の学校に1年留学しました。


今度は、デンマークでできたチェコ人の友人たちから「チェコは良いよ!ヨーロッパの真ん中だから旅行しやすいし、物価が安い。日系企業があって日本語に興味のある人が多いから、仕事が簡単に見つかるよ」と誘われたんです。それで1年間日本でアルバイトをしてお金を貯めて、チェコに来たのが2012年 というわけです。


-6年とは、長くなりましたね。


久野:最初は1年の語学留学のつもりでした。思いがけず日系企業への就職が決まり、そのまま4年働きました。

いろいろあって会社を辞めようか考えていた時に、永住権が取れることに気付いたんです。①5年以上途切れることなくビザを更新している、②収入が確保できているというのがチェコの永住権の条件。永住権さえ取れたら、面白くない仕事にしがみつく必要もないと思って(笑)取得と同時に退職しました。


-永住権の審査はどのぐらい?


久野:私の場合は約2カ月でした。就労ビザで働いている場合でも、仕事を辞めてから60日間は滞在できる法律があって。その上私が申請する少し前の法改正で、申請の結果待ちの間にビザが切れても滞在できることになったんです。ですから、焦りはなかったですね。


-よほどチェコが気に入ったのでしょうか?


久野:確かにチェコは好きですけど、海外生活が長くなり日本での生活が「しんどい」と感じるようになったことが大きいです。私は大阪出身で、日本としてはフレンドリーな地域ですけど。海外では、ストレートに感情表現をしてもありのままの私を受け入れてもらえる。

チェコは旅に出る拠点としても良いですし、物価が安いので日本円やユーロなど外貨を稼げれば楽に暮らせます。ですが、もしも他の国で良い仕事があったり、他国の彼と出会って「僕の国においでよ」と言われたりしたら、行くと思います(笑)

仕事に疲れて退職を決意。HELP YOUとの出会いでフリーランスに転身

-HELP YOUは、どうやって知りましたか?


久野:転職を考えていた時に、偶然「くらしと仕事」のクロアチア在住・田口さんの記事を見つけました。
「オンラインアシスタント?そんな仕事があるんだ」と他の記事も見て、HELP YOUに興味が湧きました。

その時点では、他の職を探すかフリーランスになるか迷っていたんです。退職の決意が固まったあたりで、HELP YOUに応募しました。貯金はあるけど、お金を稼ぐ手段が何もなくなるのは不安だと思って。


-会社を辞められた後、すぐにHELP YOUで仕事をスタートされたのですか?


久野:採用されたのが2017年の9月半ばぐらいで、仕事を開始したのは10月から。退職する11月末までは、2カ月間Wワークでした。


-前職ではどのようなことを?


久野:製造業の調達部門です。簡単に言うと、プロジェクト管理の業務をしていました。最後の2年間はコストダウンに携わったので、交渉がメイン。


-HELP YOUではどういう業務を?


久野:ライティングやデータ入力から始めて、英語メディアのライティング・校正を担当していたことも。クライアントの専属ディレクターもやったのですが、他にもやりたいことがあるので仕事量を調整するため交代してもらいました。

今もライティングと、海外から日本に来られた方向けの日本料理教室の予約業務はレギュラーで担当しています。


-現在、HELP YOU以外にも仕事をしていますか?

久野:仕事というほどではありませんが、7月には過去に書いた小説をブラッシュアップして電子出版をしました。他にブログでチェコや海外一人旅の情報を発信しています。

最近始めたのが、チェコの移住・観光情報のポータルサイトを作る準備です。昨年日本とチェコでワーキングホリデー協定が結ばれたのに、全然まとまった情報がない。来る人が苦労するのでは?と思って。また、余裕ができたら本格的にプログラミングの勉強もしたいと思っています。

オンラインアシスタントをしながら、世界を巡りやりたいことを叶えていく

-HELP YOUでの仕事のメリットは?


久野:自分のペースで仕事を受けるか決められること。私の場合は思いつきで旅行に行くので、スケジュール管理がしやすいですね。業務を前倒しに、あるいは他の方に振り替えで、とお願いできる環境です。

この夏も1週間休暇を取って、スペインのトマティーナ(トマト祭り)に行ってきました!
10年ぐらい前に存在を知ってから、一生のうちに見に行きたいと思っていたんです。思いついて検索したら、今年のトマト祭りは8月29日だと。1カ月あれば間に合うと思って、8月初旬から仕事を調整しました。



-トマト祭りは、一緒にトマトまみれになるんですか?


久野:トマトまみれになってきました(笑)

会場の中心に石鹸を塗りつけた直径15センチほどの木の棒を立てて、ハムをぶら下げるんです。誰かが登ってハムを落としたら祭りが始まりますが、できなければ11時に号砲が鳴り、それが開始の合図になります。
人が木に登る様子を見たくて、一番前まで行きました。男の人も女の人もガンガン登って。残念ながら今回は誰もハムを落とせなかったんですけど。
人でギュウギュウ詰めのところに、トマトを満載したトラックが入ってくるんですよ。最初はトラックの上にいる人がトマトを投げてきます。そのトマトを拾って相手かまわず投げ返す!以前テレビで紹介されたらしくて、日本人も多く来ていました。


-日本で普通に生活していたら、トマト祭りはテレビで観るものですよね。それから、世界一周旅行に出られたと聞きましたが?


久野:厳密には、チェコからニューヨークへという航路を取ったために、過去に旅行した経路がきれいに繋がって世界一周になったんです。
友達がニューヨークに住んでいて、遊びに行った帰りの飛行機で「あれ?今、大西洋を渡っている…ということは、きれいに一周繋がった?!」と気付いて(笑)
いずれは、本当に世界一周旅行もしたいと思っているんですけどね。

英語を学びたい自分を応援してくれた最愛の父。海外で活躍する私が父の誇り

-話が戻りますが、プログラミングを本格的にやりたいというのは、高専で電子情報系を学んでいた?


久野:学びたかったのですが、私が入学した頃はIT元年と言われる1999年あたり。電気情報工学科とは名ばかりで、勉強するのは電気のことだけ。それで次第に、通い始めた英会話スクールの方にのめりこんでいって。

ある日、父から「お前このまま5年間高専に通って仕事に就くのと、3年で高校卒業資格をもらったら辞めて、アメリカ留学して英語力を鍛えるのとどっちがいい?」って聞かれたんです。それで「これまで学費ありがとうございました。私、英語の道に進みます!」って。


-お父さん、理解がありますね!今も応援してくれている?


久野:父は2年前に亡くなりました。末期がんでした。うちは親が離婚していて、父一人娘一人。医師と看護師、ヘルパーさんと治療の相談をした時に「チェコの仕事を辞めて帰ってくることも考えてます」と言ったら、全員から「絶対だめです!」と猛反対されました。「娘さんがチェコで楽しく生活されていて、それを応援していることにお父さんは誇りを持っていらっしゃる。なのに娘さんが辞めたら、自責の念に苛まれてしまう」と。周りじゅうに私のことを自慢しまくっていた父。私も私で、お父ちゃん大好きっ子なので。


-ぜひこれからも、お父さんの自慢を続けてほしいです。


久野:本当に。うちの父は世界一です。

「自分が好きなことって何だろう?」100のリスト。挑戦や楽しみはどこまでも続く

久野:ちなみに今年の春は、フロリダで1カ月間ディズニーワールドなど12パークを回るテーマパーク巡りをやってきました。


-そういう旅のきっかけは?


久野:チェコの仕事を辞める前、今思うとウツになっていたと思うんです。父を亡くしたショックと、忙しかった仕事が父を亡くした翌年からスコンと暇になってしまった。心が枯れていったんですね。少し気持ちが持ち直してきて「今なら趣味も再開できるな。あれ……私って何をするのが楽しかったんだっけ?」と。

それで、昨年夏ごろから、「やりたいことリスト100」を作りました。トマト祭りも、子どもの頃の夢だったディズニーワールド訪問もそのひとつ。10月、11月の旅行ももう決めています。「好きって何だっけ?」を体感で思い出していこうと。


-100個実行した時はどんな気分でしょうね。


久野:やりたいことは、一生同じではないはず。きっと、どんどんアップデートしていくと思います。

取材後記

チェコを訪れたオンラインアシスタントの仲間を案内したこともあるという久野さん。
とてもフレンドリーな彼女の活躍を、お父さんは今も笑顔で見守っていることでしょう。自分が楽しいと思うことを追い求めていくうちに、それが多くの人のしあわせにも繋がると思います。100のリストがどんどん叶って、アップデートされていきますように。

HELP YOU オンラインアシスタントのインタビュー一覧