育休期間が最大2年に。働く女性たちの意見は?

育休期間が延びることのメリット・デメリットとは

先日、育児休業期間を最長2年まで延長できるとする雇用保険関連法が、国会で可決・成立しました。

これまでの制度では、育休期間は原則1年となっており、保育所に空きがなく子どもの預け先が見つからないなどの場合は最長6ヶ月間まで延長できることになっていました。2017年10月から延長できる期間が1年になり、最長2年まで育休がとれるようになります。(制度についての詳しい解説はこちら:働く女性は必読!「育児・介護休業法」の改正内容

ライター

あん☆な
子育て奮闘中のママではあるものの、何かチャレンジしてみたい、社会に役立てることがしたい意欲に駆られ在宅ワークを決意!育児の合間に執筆活動を行う専業主婦。1日1楽がモットー。

働く主婦は育休2年に賛成? 反対?

法案の可決前の1-2月にかけて、調査機関しゅふJOB総研が『育児休業の期間延長について』をテーマにアンケート調査を行っています。
働く主婦は育休の延長を歓迎するのか否か? その結果を見てみましょう。

このグラフ見ると、54.4%と過半数が賛成のようです。次から、賛成・反対それぞれの理由を見ていきましょう。

「育休2年」に賛成する理由

上のグラフを見ると、育休期間を延長した分、子育てに専念できるという意見が77.5%と多数を占めています。仕事ももちろん大切ですが、子どもの時間を大切にしたいというワーキングマザーの気持ちの表れではないでしょうか。
次いで、保育所探し、いわゆる保活の時間が長く取れることで入所の可能性が高まることなども、期待されているようです。

次に、賛成理由として寄せられたコメントをご紹介します(フリーコメントより抜粋。括弧内は、年代と子どもの有無を表す)。

子どもやお母さんのために良い

  • 初期に「お母さん」との健全な愛着形成されると子供のメンタルが強くなるから(40代:いない)
  • 子育て中にしか体験できないことを、多くの方に体験してほしいから(40代:いる)
  • 子供が丈夫になってからの復帰になる(40代:いない)
  • 子供を産みやすくなる(50代:いない)
  • 2才までは子供の病気が多いので頻繁に休むのはやりづらく、病気の時こそ子供も親にそばにいてほしいはず
    (40代:いる)

保育園不足への対応として必要

  • 保育園には入りたくても入れない激戦区が沢山あるからこんな配慮は配慮じゃなくて当たり前の話(40代:いる)
  • 実際、保育所に入れなくて困っている声をよく聞きます(30代:いない)
  • ブランクは、キャリアに響くと思いますが、預け先が確保できないことには復帰も難しいので(40代:いる)

選択肢が増えるのは良いこと

  • 海外(例えば以前住んでいたオーストラリア)では育休3年取れた。2年でも短いくらい(50代:いる)
  • 選択肢の幅が増えるのは良いことだと思います(30代:いる)
  • 仕事・会社第一主義からの脱却。育休を権利として行使しやすくなる(50代:いる)
  • 選択の幅が広がることは良いこと。実際に利用出来るかどうか難しくとも(50代:いる)
  • 休める人は休めばいい(50代:いない)
  • 長く休む人やすぐ戻る人などいろんな人がいていいと思います(40代:いる)

「育休2年」に反対する理由

反対理由のトップは、時代の変化が早く、スキルが追いつかなくなるというものでした。

子育ての2年はあっという間に過ぎていきますが、その間に時代も目まぐるしく変わっていきます。職場から離れる期間が長ければ長いほど、スキルも追いつかなくなってしまうのではないかという不安を感じている人が多いという結果になりました。次いで、自分のポジションがなくなるといった、キャリアへの影響を不安視する声も多くあがっています。次に、反対理由として寄せられたコメントをご紹介します(フリーコメントより抜粋。括弧内は、年代と子どもの有無を表す)。

職場の負担が大きい

  • 以前の職場で、子供を2名生むからと、1年育休とって、戻ってきたら、1年もしないうちにまた育休を1年を
    取った方がいて、私はそのフォローで大変苦労したことがあります(50代:いる)
  • その間誰かに迷惑が必ずかかっている(40代:いない)
  • そんなに休むんだったら、退職するべき(50代:いる)
  • 2年も休んで、時短で戻ってこられても歓迎できない。結局、穴埋めをしなければならないのは不公平だ
    (30代:いない)
  • 育休終了後退職や転職するケースが多いので反対(50代:いない)

キャリアに悪影響

  • 2年も延長したら会社にとって不要だということが露呈する(40代:いない)
  • 会社内の雰囲気、その間の収入や補助の問題が解決しなければ手放しで賛成は出来ない(30代:いる)

かえって女性が働きにくい社会につながる

  • 延長措置をとると今後の保育施設建設に勢いがなくなりそうだから(40代:いない)
  • 根本的な解決と思えない(30代:いる)
  • 保育園に入れない(30代:いる)
  • 短時間勤務などでも仕事を続けながら育児をするというバランスが取れるのが一番良い(30代:いる)
  • 子育ては母親がするものという風潮が強まってしまう。企業が女性を採用するのに慎重になりそう(40代:いる)

安心して復帰できる職場環境が大切

フリーコメントには、「客観的に見ても、育休は甘えとしか思わない(40代:いる)」、「たったの2年で子育てを他人に任せること事態が、子を育てるという大切な仕事を成し遂げられないと思います(50代:いる)」など、小さい子どもを育てながら働き続けることを否定するような意見もありました。

多様な意見を見ると、子育てと仕事の両立には、制度だけでなく周りの人達の理解や復帰後に気持ちよく働ける職場、安心して預けられる場所も必要不可欠であることが分かります。育児休業への理解が深まることと、あたたかい職場環境づくりを進める企業が増えることを願います。

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