地方移住×テレワークで生きる私の地元自慢【奄美大島編】〜島暮らしで知った自然・人との向き合い方〜 くらしと仕事

地方移住×テレワークで生きる私の地元自慢【奄美大島編】〜島暮らしで知った自然・人との向き合い方〜

蒼い海、広い空、そして静かに時が流れる砂浜。
身近に海のない「海なし県」から、奄美大島に引っ越してきて、まず驚いたのがどこまでも続く海と空でした。

天気がいいときには、思わず海に走り出したくなるほどの開放感。そんな大自然に囲まれた日々を送ることになるなんて、5年前の私はまったく想像もしていませんでした。

ライター

りっつ
新卒で入社した会社で、3度の産休育休を挟みながらも、16年間企画や営業を中心に働く。一方、縁があり憧れの島暮らしを家族で決意。島の暮らしに慣れるためにも、自宅で働ける場所を探して、2024年6月よりHELP YOUにジョイン。現在は、ライティングを中心に時間に縛られない働き方を実現。→執筆記事一覧

40代前半で地方移住、きっかけは夫の転職

※ 特集「地方移住×テレワークで生きる私の地元自慢」は、筆者個人の主観に基づいて執筆されたものであり、自治体による公式な発信やPRではありません。また、記事内で紹介されている施設や制度、取り組みは、執筆時点の情報をもとに書かれています。実際に移住をご検討の際には、最新情報をご確認のうえ、現地に足を運ぶなどしてご自身で確かめることをおすすめします。

新卒で前職に入社してから16年。途中、産休・育休を挟みながらも、その仕事をずっと続けることに何の疑問も不満も感じていなかった私。日々の子育ても夫や夫の両親と協力しながらなんとかやりくりし、それなりに充実した日々を送ってきました。

実際、5年ほど前に当時の上司から「あなたはずっとこの会社に勤め続けるの?」と聞かれて、「もちろんです!!」と自信を持って答えていたほど。それくらい会社が大好きでしたし、仕事も楽しくて仕方ありませんでした。

しかし、今私はそんな充実した日々を手放して、奄美大島の大自然に囲まれています。そして、そんな生活も悪くない……どころか、季節の移ろいを感じられる、都心では得がたい、ぜい沢な日々を過ごしています。

地方移住のきっかけは、夫が長年の夢だった職を奄美大島で見つけたことでした。なんでも、今ならその職に空きがある、というのです。これは「チャンス」とばかり、夫はその職に湧き立ちました。

そして私も、長期休暇の旅先には日本全国の「島」を選ぶほど島好きだったので、相談されて二つ返事で「一緒に行こう!」と答えました。

奄美大島を移住先におすすめする3つのポイント

気持ちのいい風を感じながら海を眺める時間は、最高のぜい沢です。

移住して気が付いたのは「暮らしの満足度」が想像以上に上がったことです。自然に囲まれた環境、ゆったりと流れる時間、そして何より──「島で暮らす人びとのあたたかい」こと!

最初に引っ越してきたときも、知り合いからそのまた知り合い、さらにはその知り合いの知り合いまで、たくさんの方が総出で手伝いに来てくれました。また、自宅の庭で採れたお野菜や果物、ときにはおかずやデザートまで届けてくださる方もいて、島に親戚がいない私たちにとって、ここは本当に「家族」がたくさんいるような心地よさを感じられる場所です。

移住前は、何人もの友人から「いいな!」「南の島!!憧れる!」と羨ましがられました。美しい景観や、あたたかな風土を想像してのことでしょう。しかし、それだけにとどまらない奄美での自慢の生活を、少しだけご紹介します。

移住先としてのおすすめポイント①:地域で育てる島の宝(子どもたち)

引っ越しの際の手助けや、野菜・果物のおすそ分け。そんな日常の優しさに加えて、島の人びとは子どもたちにもとことん親身に接してくれます。

ここには「子どもは島の『宝』」という考え方が根づいています。外で遊んでいれば散歩中の方が笑顔で見守ってくださったり、商店でアメ玉を分けていただいたり。そうした風土に包まれながら、子どもたちは毎日のびのびと過ごしています。

一方で、ただ優しいだけではありません。危ないことをすれば、本気で叱ってくれる場面もあります。都会ではあまり見かけなくなった光景かもしれませんが、親以外にも叱ってくれる大人がいる環境は、とてもありがたいものです。地域全体で子どもを育てている——そんな感覚があります。

こうした環境の中で、子どもたちにも変化がありました。わが家の長男は、奄美に来るまでは人見知りが激しく、年上の子どもたちを「こわい」と感じて一緒に遊ぶことができませんでした。

しかし今では、2学年、3学年と離れていても気にすることなく遊べるようになり、さらには7歳年上のお兄さんから釣りを教えてもらったり、泊まりに来てもらって一緒にお風呂に入ったりと、まるで兄弟のような関係を築いています。

その背景にあるのが、集落行事の存在です。年に数回の行事に参加するたびに、ご近所との距離が少しずつ縮まっていきます。長男だけでなく、実は私自身も人見知りですが、「行事をやり遂げる」という共通の目的を通じて自然と打ち解けていきました。

大きなお祭りだけでなく集落行事でも花火が打ち上げられます。

そして、島暮らしならではの体験も増えていきました。わが家の子どもたちは、奄美に来て初めて打ち上げ花火を見ました。移住前は、小さな子どもを連れて長時間電車に乗り、混雑の中で花火を見ることにハードルを感じていたのですが、奄美では大きなお祭りだけでなく、集落行事の最後にも花火が打ち上げられます。

そのため、今まで見たことのなかった打ち上げ花火を、移住して最初の1年で3回も楽しむ機会があり、子どもたちも花火を心ゆくまで堪能できました。

同じものを食べ、同じ景色を見て、同じ時間を共有する。そんな経験を積み重ねることで、人と人との距離は自然と近づいていくのだと感じています。島での暮らしは、子どもだけでなく、大人にとっても「人とのつながり」を思い出させてくれる環境なのかもしれません。

移住先としてのおすすめポイント②:心と体を整える、ゆるやかな「島時間」

次にご紹介したいのが、奄美の自然がもたらす心と体への変化(※1)です。
奄美に来てまず驚いたのは、その湿度の高さでした。晴れていたと思っても急に雨が降るシーンも多く、折りたたみ傘は手放せません。気象庁によると、奄美大島は亜熱帯海洋性気候に属し、年間を通して温暖である一方、降水量も多い地域とされています。

参考:気象庁・名瀬測候所ホームページ「奄美地方の気候特性」 https://www.jma-net.go.jp/naze/shosai/kikotokusei.html、2026年5月閲覧

その影響なのか、私は以前よりも肌の乾燥を感じにくくなったように思います。実際に、義理の母が10日ほど滞在した際にも「こちらに来てから肌の調子が違う気がする!」と驚いていました。内地に戻るとまた元の状態に戻ってしまい、その違いを実感したようです。暮らす場所や気候によって、体感にもさまざまな違いがあるのだと感じた出来事でした。
また、私はこれまで春先になると花粉を気にしながら過ごすことが多かったのですが、奄美にはスギやヒノキが少ないとされていることもあり、以前より春でも窓を開けることに抵抗がなくなりました。気が付けば、花粉対策として使っていたメガネやマスクの出番も少なくなっています。

参考:国土交通省「平成18年度奄美群島振興開発事業概要」https://www.mlit.go.jp/common/000012229.pdf、P7、2026年5月閲覧

こうした変化は、暮らしてみて初めて気付くものばかりです。奄美の自然は、ただ美しいだけでなく、私たちの体や日々の過ごし方にも、ゆっくりと影響を与えてくれているのだと感じています。
時間がゆるやかに流れるこの場所で過ごすうちに、いつの間にか自分自身もそのリズムに馴染んでいく——それが「島時間」の魅力なのかもしれません。

(※1) あくまで個人の感想で、医学的根拠に基づくものではありません。

移住先としてのおすすめポイント③:毎日変わる大自然

太陽が地平線に沈むまでが勝負です。出会えた日は、何かいいことがありそうな予感。

最後に、奄美をおすすめするうえで欠かせないのが、冒頭でも触れた「蒼い海、広い空、そして静かに時が流れる砂浜」。そう、大自然の存在です。

海や空の色は、天候や時間、季節によって驚くほど表情を変えます。少し近所をドライブするだけでも、昨日とはまったく違う景色に出会えることも珍しくありません。移住して2年が経った今でも、奄美の自然が見せるその一瞬一瞬に、思わず足を止めてしまうほどの「ワクワク」を感じています。

なかでも印象的なのは、夕暮れ時の風景です。昼間の海ももちろん美しいのですが、夕日が沈むほんのわずかな時間は、言葉では言い表せないほどの特別なひととき。「今日は間に合うかも!」と思った日には、少し小高い丘にある夕日スポットまで車を走らせることもあります。刻一刻と色を変えていく空と海を眺めていると、自然の大きさと美しさに、ただただ見入ってしまいます。

変わりゆく天気と共にある暮らし

一方で、奄美の自然は穏やかなだけではありません。台風の多い地域でもあり、風の強さや雨の激しさに驚くこともあります。

ときには日常生活に影響が出るケースもありますが、島の人びとはそれを当たり前のものとして受け止め、備えながら暮らしています。天候の変化に敏感になり、自然と向き合いながら生活する——そんな感覚は、都会ではあまり意識してこなかったものかもしれません。

実際、奄美では「もうすぐ雨が降るよ」と声をかけてもらうシーンがよくあります。空の様子や空気の変化で、それがわかるのだそうです。まだその感覚をつかめていない私は、洗濯物をぬらしてしまうこともしばしば。それでも、山の天気のように移ろいやすく、表情を変える奄美の空を、どこか面白く、魅力的に感じています。

また、奄美大島は、ここでしか見られない固有種と、独自の進化を遂げた生態系が評価され、世界自然遺産に登録されました。珍しい動植物との出会いも多く、「これは何だろう」と足を止める瞬間が、日常の中に溶け込んでいます。

参考:奄美大島世界遺産センター「世界自然遺産 奄美大島とは」https://amami-whcc.jp/wnhs-amami/、2026年5月閲覧

美しさだけでなく、ときに厳しさも見せる自然。その両方を感じながら暮らすことで、自然との距離はぐっと近くなっていきます。奄美の大自然は、ただの風景ではなく、日々の暮らしの一部として息づいているのです

奄美最高峰の湯湾岳(標高694m)に登ったときにガイドの方が紹介してくださった植物。

地方移住はやめとけ?後悔しないための事前情報

「地方移住はやめとけ」「移住して後悔した」——そんな感想を目にして、不安に感じたことがある方もいるのではないでしょうか。

ここまで奄美大島の魅力を中心にご紹介してきましたが、実際に暮らしてみると、不便さを感じる場面があるのも事実です。都市部とは環境が大きく異なるからこそ、生活の中で戸惑うことや、想像していなかった課題に直面することもあります。

ただ、それらの多くは「知らなかったこと」や「事前に準備できたこと」である場合も少なくありません。あらかじめ情報を知っておくことで、不安を軽減し、自分に合った暮らし方を選択できます。

ここからは、実際に奄美で暮らしてみて感じた「不安」や「困ったこと」を中心に、リアルな側面もご紹介していきます。移住を検討するうえでの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

移住前に知っておきたいポイント①:自然との向き合い方

大自然の恩恵を受けながら暮らせる奄美ですが、その一方で、自然とともに生きるからこそ気をつけたい点もあります。
美しい景色や豊かな環境は、ときに私たちの想像以上の力を持っているもの。最初は戸惑うこともありますが、地域の方に教えていただいたり、少しずつ経験を重ねたりすることで、無理なく付き合っていけるようになります。
ここでは、実際に暮らしてみて感じた「自然との向き合い方」についてご紹介します。

▼ ハブ
奄美ならではの存在として気になるのがハブです。毒へびということで、最初は不安もありましたが、実際には日常生活の中で頻繁に見かけるわけではありません。出やすい場所や時間帯を知り、草むらに不用意に入らないといった基本的な対策を意識すれば、過度に心配する必要はないと感じています。

地域の方から注意点を教えていただくことも多く、正しく知ることで安心して暮らせるようになりました。

▼ 台風
奄美では台風も身近な存在ですが、その分、備えの意識がしっかりと根づいています。事前に食料や生活用品を準備したり、屋外にあるものを片付けたりと、台風の接近が予想される段階で対策を行うことが大切です。

停電に備えて懐中電灯やモバイルバッテリーを準備し、必要に応じて避難場所を家族で確認しておくなど、基本的な備えをしておけば落ち着いて過ごすことができます。

奄美は台風が年に何度も接近する地域ですが、経験を重ねるうちに「備えること」が自然と習慣になっていきました。

移住前に知っておきたいポイント②:住宅探しの困難さ

気に入った集落に移住したくて家が見つかるまで2年通い続けた、という友人も。

そして、奄美での暮らしを考えるうえで、住まい探しは一つのハードルになるかもしれません。

島内はもともと物件数が多くはなく、空きが出てもすぐに埋まってしまうケースも少なくありません。そのため、タイミングによっては「住みたい」と思ったときにすぐ理想の住まいが見つかるとは限らないのが現状です。

また、立地や間取り、築年数など、条件を細かく絞るほど選択肢は限られていきます。私自身も、いくつかの選択肢の中から「今の自分たちに合う暮らし」を基準に決めていく必要がありました。

だから、奄美での住まい探しにあたっては、少し余裕を持って動き出すこと、そして「完璧に条件が合う物件」にこだわりすぎない柔軟さも大切だと感じています。

移住前に知っておきたいポイント③:職の選択肢が限られる

さらに、仕事の選択肢についても、事前に考えておきたいポイントの一つです。

島内での求人は、どうしても職種に限りがあり、これまでの経験やスキルをそのまま活かせる仕事が見つからない場合もあります。タイミングによっては募集自体が少ないときもあり、都市部に比べれば働き方の選択肢が少ないと感じることもあるかもしれません。

私自身も、これまでの働き方にとらわれずテレワークを取り入れるなど、自分に合った形を模索する必要がありました。

だからこそ、奄美での暮らしを考える際には「どのように働くか」も含めて準備しておくのが大切だと感じています。

テレワークで活かす、ベンチャー仕込みのマルチスキル

冒頭で述べた通り、私は奄美大島に移住する以前は、大好きな会社に16年勤めていました。移住後もテレワークで仕事を続けられないか会社に相談しましたが、前職には完全テレワークの実績がなく、泣く泣く退職することに……。

現地就職も検討しましたが、「移住前に知っておきたいポイント」の一つに挙げたように、勤務地や条件など希望に合うものがなかなか見つかりませんでした。加えて、ベンチャー企業で企画や営業をしていた私のスキルや経験が、現地で求められている仕事とうまく重ならなかったのです。

悩んだ末にたどり着いたのが、個人事業主となってテレワークで働くという選択肢です。偶然、オンラインスクールで出会った知人の紹介で、オンラインアウトソーシング(※2)「HELP YOU」の存在を知り、600人全員がフルリモートワークを実践する環境に惹かれジョインを決めました。

HELP YOUは1,000社以上の業務コンサルティング・業務サポートを請け負っており、扱う案件の種類は実に多種多様。経理、秘書、営業事務、ライティングなどなど、業務内容は幅広く、ベンチャー勤務時代にオールラウンダー的な立ち回りをしてきた私にとっては新しい仕事にも挑戦できるワクワクするような理想の環境でした。

(※2) オンラインアウトソーシングとは在宅でインターネットを活用し、業務サポートを行うサービス。

▶︎ 全国各地どこにいても働ける、HELP YOUはこちら

台風に備えたBCP対策も重要に

奄美大島でテレワークを始めるにあたって、気にしなければならないのがインターネット環境です。

奄美は自然が豊かな分、場所によっては電波がつながりにくいエリアもあります。特に山間部や集落によっては、通信が不安定になることもあり、最初は戸惑う場面もありました。

日常生活において大きな支障を感じるシーンは少ないものの、オンラインでの仕事や連絡が多い場合は、事前に通信環境を確認しておくと安心です。

また、台風時には停電や通信障害が発生する可能性もあるため、複数の通信手段を検討したり、モバイルバッテリーを準備しておいたりといった、BCP(事業継続計画)の観点での備えも重要です。

移住前は、携帯会社ごとに多少の差はあっても、通信に困る場面はほとんどありませんでした。しかし、移住先ではエリアによって利用状況が異なるため、契約中の通信会社の回線が問題なく使えるかどうかを、事前に確認しておくことをおすすめします。必要に応じて、自治体などに相談してみるのもよいでしょう。

こうした違いも含めて、自然とともに暮らしていることを実感する場面の一つだと感じています。

▶︎ 停電で仕事がストップ…を防ぐ!台風シーズンの在宅ワーク

奄美島内で出会える、蒼い海、広い空、静かに時が流れる砂浜に心落ち着く日々。

まとめ

奄美大島での島暮らしは、人のあたたかさや豊かな自然、ゆったりと流れる島時間など、都会では得がたい魅力にあふれています。

一方で、住宅探しの難しさや仕事の選択肢の少なさ、電波状況の違いなど、移住前に知っておきたいデメリットがあるのも事実です。しかし、これらは事前に情報収集を行い、働き方や住む場所を工夫することで十分に対策できます。

テレワークや在宅ワークの普及により、「好きな場所で働く」という選択肢は、現実的なものになりました。奄美のような自然豊かな環境で暮らしながら、自分らしい働き方を実現することも可能です。

地方移住や島暮らしに興味がある方は、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、自分に合った暮らし方を検討してみてはいかがでしょうか。奄美での暮らしは、新しい価値観や生き方に出会える一つの選択肢になるかもしれません。

Link

おすすめリンク