『本気で社員を幸せにする会社』の出版記念「子育て世代と考える幸せな働き方」 【イベントレポート】

6月29日、初代「くらしと仕事」編集長であるやつづかえりさんの『本気で社員を幸せにする会社』の出版記念イベントがサイボウズ社で行われました。「幸せ」な働きかたとはどんなものなのか、グループディスカッションを通して、みなさんひとりひとりが自分の答えを探し出そうとする姿がとても印象的なイベントでした。

ライター

しゃゆーん
「HELP YOU」「くらしと仕事」の立ち上げに携わる。2019年5月より編集長。「HELP YOU」では、年間100人以上の採用面談を対応し、400人強のリモートワークチームの組成・組織開発・人材育成を一手に担っていた。

これからの”働き方”は社員ひとりひとりが主役!自分の未来を見つめ直そう

登壇者 やつづかえり さん(働き方専門ライター/フリーランス/1児の母)

コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立。2013年に組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』開始。『くらしと仕事』編集長(2016〜2018.3)。Yahoo!ニュース(個人)オーサー。各種ウェブメディアで働き方、組織、ICT、イノベーションなどをテーマとした記事を執筆中。著書に『本気で社員を幸せにする会社』(2019年、日本実業出版社)がある。

 

開放的でありながらもカラフルでエネルギッシュなスペースでイベントはスタート!スペース横には、お子さんづれの参加者のための子どもの遊び場やシッターさんがいます。「子育て世代と考える」というタイトルを思い返して、なんとも微笑ましい気持ちに。働き方を考えるイベントだからこその主催者の心配りです。

終身雇用の限界、年金制度の崩壊に関する報道が世間を騒がせているのと同時に、副(複)業やリモートワークといった新しい働き方にも社会の関心が向けられています。いま、社会は大きな転換期にさしかかっています。テクノロジーの進歩により、私たちは人生の選択肢が無限に広がりました。その選択の多様性を互いに尊重しあうことは、つまり、「働き方」の多様性をみなが尊重しあうことにつながります。

自分にとって「幸せ」な働き方ってなんだろう?その問いと答えが組織をつくり、企業をつくり、そして社会のカルチャーをつくりだします。ぜひ、みなさんもこのイベントレポートを通して、自分の「幸せ」な働き方について考えてみてください。

 

フリーランスVS会社員はちょっぴりヘン?会社員でも働き方の自由は追求できる

イベントの冒頭ではやつづかさんがなぜ「働き方」に興味を持つようになったのか、そして書籍の執筆にいたったのか語られました。

フリーランスになってまず実感したのが、「働く場所と時間が自分で決められる働き方」というのはとっても「本質的で効率がよい」ということだったのだとか。家事や育児との折り合いをみながら、あるいは自分の都合のよい場所や時間で働ける、ということが結果的に「自分が一番パフォーマンス発揮して働くことができる」につながるのでしょう。

やつづかさんがフリーランスとして独立したのが2010年。その頃「ノマドワーカー」という言葉がにわかに流行し、「フリーランス VS 会社員」といった二者択一的な論争が巻き起こりました。しかし、この対立構造の文脈に疑問を持ったやつづかさん。自由な働き方は本当にフリーランスしか享受できないのか?会社に属していてももっとできたのではないか?その疑問をきっかけに、「 My Desk and Team」というウェブサイトを立ち上げ、組織人でありながらも自由な働き方を実践するかたにインタビューをするように。

取材を続けていくうちに、世の中には面白いことを実践しているかたがたくさんいらっしゃるということに気づき、まだまだ”発見”できていないのかもしれない、と思うようになったやつづかさん。最近の関心ごとは「組織運営」とのこと。組織のなかで人が成長するとはどういうことなのか?企業が地域社会とどのように関わり合い、そして社会の複雑な課題を解決していくのか?企業が社会に存続する意義は何か?を、企業を運営する経営者、そこで働く従業員、これから社会に羽ばたく若者、みなが考えなくてはいけません。働き方が多様化するにつれて、雇用の流動化が進んでいく現代だからこそ重要な問いかけです。『本気で社員を幸せにする会社』の執筆にいたった重要なエッセンスを感じました。

 

「幸せ」のかたちはひとぞれぞれ 実現のしかたも会社それぞれ

次に書籍の概要を説明いただきました。『本気で社員を幸せにする会社』は5つの切り口であ「社員の幸せ」を願っている企業の実例の取り組みについて紹介しています。

「ワークスタイル」の見直しで、会社も社員も幸せになる

ユニリーバ・ジャパン

「いつ、どこで働くのも自由」にしたら、生産性も人生の充実度も向上

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パプアニューギニア海産

いつ出勤するのも「自由」で、パート従業員の働きやすさを追求する

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人に優しい働き方への挑戦の記録。パプアニューギニア海産工場長の『生きる職場』

信じればうまくいく?「性善説」が成り立つ組織を実現するには

ソニックガーデン

独自の採用システムで自律型人材が集まり、管理も評価も不要に

ネットプロテクションズ

内発的同期の重視と成長機会の創出で、若手がのびのび力を発揮

ひとりでも仕事ができる時代に組織に属する意味とは

Automatic

世界60カ国以上の同僚との助け合い、会社の支援があるから安心して働き続けられる

プリンシプル

いづれ独立しても、優秀で主体的な人材が貢献してくれる利益は大きい

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職場にプライベートや個人の全体性を持ち込むとどうなるのか

ソウ・エクスペリエンス

「子連れ出勤」が本人、会社だけでなく同僚にも好評

ウィルド

毎週一度の「おやつタイム」でワークライフバランスと業績アップが両立

ディスコ

社内通貨による個人採算性が社員の可能性を最大化

ダイヤモンドメディア

すべてをコミュニケーションで決めることで自然、公平、合理的な組織を実現

「やりたいこと重視」で職場を選ぶ「プロジェクト型」の働き方

フローレンス

「社会課題の解決」を持続可能な仕事にする「働き方革命」

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フード・ハブプロジェクト

都会からの移住者が「適材適所+適時」で力を発揮

 

 

 

先進的な働き方に取り組んでいる企業について、「企業規模が小さいから何のしがらみもなく、新しいことができるんだよ」とおっしゃるかたもいるかもしれません。しかし、企業規模が大きくても小さくてもできることは何かあるはずです。幸せの定義や方法はひとそれぞれ。企業のビジョンに自分自身がフィットするかしないか。正解はどこにもなく自分たちの正解はどこにあるのか、みなが模索しています。

ライフステージは自分の状況によって変化し、自分の「幸せ」のかたちも、その時々によって様相を変えるでしょう。どんな働き方がしたいのかを短いスパンで見つめ直し、トライしていくこと、選択肢を増やしていくこと、が大切だというやつづかさんの言葉が印象的でした。

 

イベント後半は、新しい働き方を実践する企業とやつづかさんの対談がありました!サイボウズ社長室の渡辺清美さん、ディスコの大関仁美さん、パプアニューギニア海産の武藤さんも飛び入り参加!

 

 

まずは自分自身の振り返りから ワークショップを通して「幸せな働き方」を考える

イベントの最後に参加者が自分たちの「幸せな働き方」について考えていただくワークショップがありました。みなさんのコメントを抜粋してお伝えいたします!

 

  • 社員主体の人事制度を実施して、きちんと利益をあげられることに驚いた
  • 成功している生の事例を知れた
  • 働き方の選択肢があることを知ることができた
  • 従業員に実際にヒアリングをして、すぐに取り入れて実践したいと思った

 

私たちはどこかで「働く」ということが、辛いことに耐えぬき「我慢」することだと感じています。しかし、本来「働く」は、もっと自由に、そしてもっと楽しくできることなのだとこのイベントで勇気をいただきました。そして、私たちひとりひとりが「いま自分って幸せかな?」「幸せってどんな状況なのかな?」「どうしたら幸せになるのかな?」といったことをターニングポイントで振り返り、互いに共有し、幸せのビジョンにむかってトライ&エラーを企業と個人が一体となって継続し続けることが重要ですね。