【weekly 働き方改革ニュース】フリーランスも労災保険に加入できることに?

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。今や働き手として大きな勢力となっているフリーランスを保護するため、政府が制度改正を目指していることが明らかになりました。その内容を見てみましょう。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

フリーランスの立場向上へ制度を整備

コロナの陰に隠れてあまり知られていませんが、個人事業主などフリーランスで働く人も労災保険に加入できるようになるようです。先週、報道各社が報じました。

共同通信の記事「フリーの労災加入、対象拡大へ 多様な働き方で保護強化」はこれについて、「政府は多様な働き方としてフリーランスを推進しており、仕事でけがや病気になった場合でも公的な補償を受けられるようにする」と報道。

政府はこれ以外にもフリーランスの立場を保護するための制度づくりを目指しており、時事通信は「発注側が契約書を渡さなかったり、取引条件を一方的に変更したりするなどの行為が、独占禁止法や下請法に照らして不適切であると明確化する」と報じています。

法律ができたからと言ってただちに状況が改善されるわけではないにせよ、立場の弱いフリーランスの足元を見るようなやり方に違法性があると明確にされれば、いくらか心強いのは確か。

時事通信の別の記事では、「形式的にフリーランスとして働いていても、実質的に雇用に当たるような場合は労働基準法など労働関係法令が適用されることも盛り込む」ともしています。

「実質的に雇用に当たるような場合」とは、フリーランスとして仕事を請け負っているものの、実際には発注側の指揮監督を受けており、仕事をする時間ややり方その他について自分自身に裁量がない場合などを指します。たとえば海外では「ウーバーイーツの配達員はフリーランスか雇用されているのか」が裁判で争われ、「配達員は独立した事業者ではなくウーバーの従業員である」との判決が複数出ています。今後日本でもこの点が問題になる可能性があります。

フリーランスとして仕事をしている方は、今後の政府の動向に注視していきましょう。

テレワーク中のケガはどこまでが労災?

労災といえば、ファイナンシャルフィールドにちょっとユニークな記事が掲載されました。タイトルは「テレワーク中のトイレ離席後、作業用椅子に座ろうとして転倒…これって労災になる?ならない?」。

これは言い換えると、「会社の業務として自宅で仕事をしている最中にケガなどをした場合、労災の対象になるのか」という問いかけです。そう言われてみれば考えたこともなかった……という方も少なくないのでは。

ところが、この問題の答えは案外あっさり明かされます。記事では、厚生労働省が用意した「テレワーク導入のための労務管理等Q&A集」を引用しています。それによると、パソコン作業を中断してトイレに立ち、戻って来た時に転倒したような場合は、「業務行為に付随する行為に起因して災害が発生しており、私的行為によるものとも認められないため、業務災害と認定」されるとのこと。テレワークも業務の一環である以上、当たり前といえば当たり前ではあります。

ただ、同じ記事には「テレワーク中であっても、私的行為が原因であれば、業務災害として認められません。業務上として認められるには、業務と私的行為の区別をきちんと明確に分けることが重要です」ともあります。

理屈はわかりますが、ではお昼にカップラーメンのお湯を沸かして誤ってやけどした場合はどうなのか、席を立ったのがトイレに行くためではなく寝ている子どもの様子を見に行くためだったらどうなのか、など現実を考えた場合には疑問も湧いてきます。そもそも、ケガの原因が業務か私的行為なのかを誰が証明できるのか、という問題も。

運用面であいまいさが残るのは、これまではまだテレワーク中の労災について争われるケースが少なかったためと言えるのかもしれません。今後、テレワークにおける過労などが表面化すれば、テレワーク中の労災についてもっと明確な指針が示されていくのではないでしょうか。