【weekly 働き方改革ニュース】ハンコ業務廃止で日本人の休みが増える?

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。テレワークの導入が進む中、「テレワーク普及の壁」と言われるのがハンコ業務。ハンコを押すため・押してもらうためだけに出社するという話もよく見聞きします。一方、ハンコ業務の廃止で莫大な業務時間を削減しようとする大学があります。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

ハンコを廃止したら休みが増える?

新型コロナウイルス感染症拡大に伴って否応なしに広がったテレワーク。その一方で、ネット上では自粛期間中にハンコを押すために出社しなければならなかったという笑えない笑い話も目に付きました。

そんななか、ハンコの押印をやめるだけで莫大な労働時間が削減されるとする記事が。ITmedia ビジネスオンライン『印鑑業務を止めるだけで日本人が休暇を1週間増やせる深い訳』がそれです。

この記事では、学内の各種手続きに必要だった押印をすべて廃止してオンラインに切り替えた東北大学の例を紹介。同大学はこれによって年間約8万時間の業務削減につながると試算しているそうです。同大学の事務系職員は1600人おり、単純化すれば1人年間50時間、6日分の業務が削減できる計算に。これをもってこの記事は「ハンコをやめれば休暇を一週間増やせる」としています。

とはいえ、そうそうすんなりとなくならないのがハンコ業務。日経BizGate『文書・ハンコ・対面 テレワーク阻む「アナログ役所」3つの慣習』は、専門家が「役所との手続きでは文書・ハンコ・対面の3つがはびこっている。特に文書が多いのが不動産、金融、雇用などの分野だ」と指摘。「法律に基づいて押印が必要なものは仕方がないが、法的根拠もなく長年の慣習で続けているものも少なくない」と現状を一刀両断しています。

ではハンコ業務が全然減っていないのかと言えば、そうでもないようです。東海テレビ『「ハンコのために命懸けで出社するのです」…テレワーク拡大でハンコや名刺に“不要論” 新サービスに老舗業者は』によれば、シヤチハタの「電子印鑑システム」がいま急激に伸びているのだとか。3月の新規申込数は1万5000件だったのに、緊急事態宣言で在宅勤務が広がった4月にはその10倍以上が殺到したといいます。

しかも興味深いのは、今になって急激に売れている「電子印鑑システム」、実は25年も前から発売されていたという事実。必要に迫られない限り従来のやり方を変えるのは難しいということと、一方で必要に迫られれば人も会社も意外にすんなり変化することの両面を教えてくれるようです。今後、「ハンコ廃止」がどこまで広がるのか、ある程度の流れになっていくのかが注目されます。

ローソンが投げ掛けた「情報の見せ方」

最近SNSを騒がせたビジネス系の話題のひとつと言えば、ローソンの新パッケージ。統一感を持たせたシンプルなパッケージを評価する声もそれなりにあったものの、「絵も文字も小さくて中身がよくわからない」「同じ商品を2個買ったつもりだったのに別々の商品だった」「商品を探すのが大変で、なるべくローソンに行かないことにした」など、批判も殺到。

ローソンの社長もこうした事態を受け止め、「お詫び」を表明。Twitter上で配信しているライブ番組「ハフライブ」において、「色々なご不便やお手数をおかけしてしまっている」と非を認めました。

これを報じたハフポストの記事『ローソン社長、PB新パッケージを一部変更へ 賛否の声に「公共性あるコンビニとして解決していく」』によれば、社長は「意見を真摯に正面から受けて、そうした意見とともにPBを作り上げていきたい」とも発言。店舗に直接足を運んで高齢者を含む来店客の話を聞いたほか、店舗のスタッフやネット上での声なども踏まえてデザインを改良していくとしています。

ただ、同じ記事の中でパッケージリニューアルが「1年前からの社長直轄のプロジェクトだった」と明かされたことで、SNSではツッコミが再燃。高齢者やネットの声、店舗スタッフの声に耳を傾けるとしたことについても、「今まではしてなかったのだろうか」と疑問の声が上がりました。

これについてアサ芸Biz『「NATTO」表記に賛否両論!? ローソンがPB商品「デザイン変更」のワケ』は、「コンビニの利用者が売り場で求めているのは情報です。売り場で商品の情報を可能な限り取り込んで吟味し、選択するというのが消費者行動のメインストリームである中で、新デザインはわかりづらく消費者に訴えかける情報が少なすぎて購買意欲を大きく削ぐ結果になってしまいました」とする経済ライターの分析を紹介。「現代において、コンビニのような公共性の高い施設で求められているのはオシャレと機能性の両立かもしれない」と結んでいます。

今回の件は、顧客・場所・状況などに適した「情報の見せ方」について多くの人に考えさせる絶好のきっかけになったとは言えるかもしれません。