【weekly 働き方改革ニュース】救世主のはずのテレワークに悲鳴が上がるワケ

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、かつてない規模でテレワークを導入する企業が拡大しています。一方で、「テレワーク地獄」なる新たな言葉が登場しました。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

テレワークは地獄なのか、救世主なのか

この一週間も、仕事や働き方に関するニュースは新型コロナウイルス感染症の影響に関するものがほとんどでした。特に、感染予防のためのテレワークに関する話題が非常に多くなっています。

 

ITmediaビジネスオンラインは3月9日、『新型コロナ対策で「テレワーク実施」は8割 「業務計画の見直し」を始めている企業は……』と題する記事を掲載しました。タイトルの通り、何らかの形で在宅勤務やテレワークを実施している企業が全体の8割に上るとの調査結果を紹介しています。

そのほか、9割の企業が「緊急性の低い国内外の出張を中止・延期」しており、8割が「時差出勤の許可・奨励」を実施しているとのデータも。社内研修や懇親会、採用関連イベントなど人が集まる行事の中止・延期や、オンライン会議への切り替えなどの対応をしている企業も多かったとされています。

 

ちなみにこの調査はコンサルティング会社のマーサージャパンが2月27日~3月4日に実施したもので、579社が回答したとのこと。サンプル数が少なく、地方の中小企業などを対象とすれば全く異なる数字になるとは思われますが、それでも相当な程度に感染防止の意識が企業に定着していることがうかがえます。

 

とはいえ、仕組みづくりが整わないままテレワークに突入した企業も少なくなく、社員から不満の声も上がり始めています。現代ビジネスは、『テレワークで「残業代が出ない」「給料激減」「クビに…」悲鳴の数々』と題する記事を9日に掲載。「在宅勤務中は残業代を出さない」と言われたある会社員の例などを挙げ、労働条件の整備が不十分なままでのテレワーク導入には問題があることを指摘しています。

 

TBSも11日にこの問題について、ネット上で「テレワーク、残業代が消えるだけ」「テレワーク、マジ地獄。残業代ゼロ」といった不満がささやかれていることを取り上げました。あわせて、実際にはテレワークで残業しても企業には支払いの義務があることを説明。「企業側の規程の整備が追いついていないのではないか」との東京労働局のコメントを紹介しています。

 

そんな問題も指摘されているテレワークですが、圧倒的大多数からは好評そのもの。ペーパーロジックが6日に発表した調査結果によれば、今後テレワーク制度の定着を望む人はなんと96%。「無駄が省ける」「満員電車に乗らなくて楽」「実際に在宅で仕事をしてみて、在宅でも仕事ができる環境こそ、働き方改革につながると感じた」「生産性が上がるのであれば実施すべき」「様々な人が、自分の都合のよい場所で、自分に合った働き方ができれば、もっと雇用の機会が増えると思う」など、好意的な意見が多数寄せられたとのことです。

 

こうした状況を踏まえて日刊SPA! は、「超少子高齢化を考えるとテレワークを導入しないという選択肢はあり得ません」とする専門家の予測を紹介。企業が今後競争力を保っていくためには、テレワークによって経験のある高齢者やフリーランサーなどを取り込むことが不可欠になるとの見方を示しています。

 

この記事は、『今回の「有事」である新型コロナウイルス騒動は、日本の働き方改革を後押しし、日本経済復活のきっかけとなったらいいのだが……』とする祈りにも似た願いで結ばれています。日本中のあらゆる分野が大打撃を受けている今回の騒動。なんとか、災い転じて福となす未来が来てほしいと願うばかりです。