【weekly 働き方改革ニュース】盛り上がる「忘年会スルー」、飲み会は廃止すべき?

1週間のうちに起こった出来事やニュースの中から、仕事や働き方に関する話題をピックアップして紹介する「weekly 働き方改革ニュース」。NHKのニュース番組が「忘年会スルー」を取り上げたことをきっかけに、忘年会の是非を問う論議がSNSを中心に盛り上がりを見せました。

ライター

佐々木康弘
札幌市出身、函館市在住。大手旅行情報誌やニュースサイト、就活サイトなど多数の媒体と契約するフリーランスライター。店舗・商品・人物の取材記事やニュース・芸能記事作成、広告ライティングや企業紹介など幅広いジャンルで年間100万字以上を執筆するほか、校閲も行う。「HELP YOU」ではプロフェッショナルライターとして活動。

「忘年会スルー」発信源の真意は?

12月10日のNHK総合「ニュースウオッチ9」で取り上げられたことをきっかけに、忘年会に参加しないことを指す「忘年会スルー」がSNSを中心に一躍話題のキーワードとなりました。

番組ではChatWorkの社員が「自分で4,000~5,000円払って上司の話を聞くのはハードルが高い」とコメントする場面が流れ、それをキャプチャした画像があらゆる共感の言葉とともにSNSに投稿されています。

Twitterでは、「忘年会はお金も払って時間も無駄にする行事だよね」「会費払ってまでセクハラおやじの餌食になるくらいなら出ない」「会社の飲み会なんて、行きたい人だけ行けばいい」といった声が続出。忘年会を望んでいない、参加したくない人が相当な割合でいることがうかがえます。

一方で、「数千円で信頼と、同世代は行かないけど自分は行くという評価を得られるなら安いと思う」「年1回数千円払うだけで職場の人間と良好な関係を築けるなら行くしかないよな。忘年会来ないとか何なんだあいつはって考えの人はある程度いるし」など、会社での立場を悪くしない処世術として、年に一度くらいは参加したほうがいいのではないか、という声も少なくありません。

双方ともに一理ある意見ですが、実はこの話題の発信源となった「ニュースウオッチ9」の論調は、決して忘年会完全否定ではありませんでした。“自腹参加”が多くの人の不満の原因となっていることを踏まえ、会社が飲み会の費用を負担している会社として前述のChatWorkを紹介。ふたつに分かれたフロアの真ん中にバーカウンターを設けて終業後に酒を飲みながら交流できるようにしており、費用も一部負担していることを紹介しました。

SNSで拡散された社員のコメントはこのしくみに言及した発言の一部。実際には「社内で開かれているので仕事終わりでも来やすい」「(自腹でお金を払って上司の話を聞くのとは違い)お金も出るし、ごはんを食べられる感覚で来られるのは大きい」と話しており、勤務時間終了後の“飲みニュケーション”自体を否定した発言ではありませんでした。番組の内容をもとにしたNHK NEWS WEBは同社の取り組みについて「飲み会が頻繁に開かれ、多くの人が参加することで、部署を越えた横のつながりができ、お互いに仕事の相談などもしやすくなったといいます」とその効果を強調しています。

同番組では別の会社の役員も「若い人が上司と飲むのに抵抗がある気持ちもすごく分かります。飲み会の形にこだわらなくても同じテーブルで一緒になった人たちが、会話できる場所が作れればいいのかなとも思っています」とコメント。「忘年会スルー」と「我慢して忘年会に参加する」の2択ではない、第3の選択肢を模索する企業が現れつつあります。

 

兼業・副業する人にも労災の休業補償手厚く

厚生労働省は10日、副業や兼業をしている人が労災に遭った場合の休業補償について、複数の勤め先を合算して金額を決める方式に改めるとの方針を大枠で確認しました。来年1月から始まる通常国会に関連する法律の改正案を提出し、2020年度の施行を目指すとのことです。

現在は副業や兼業をしている人が労災で休業補償を受ける際、労災認定された職場での賃金のみが算定の基準となっています。このため、他の仕事を休まなければならない場合もその分は保証されず、生活が厳しくなってしまう問題がありました。今回の改正が成立すれば、複数の勤め先から得ている賃金を合算した額をもとに算定した給付金を得ることができるようになります。

厚労相はさらに、労災認定に際しても、1社ごとにみる方式から複数の勤め先の労働状況を総合して判断する方式に改めるとしています。現在はその人の残業時間が複数の職場を通算して月100時間の「過労死ライン」を上回っていたとしても、1社あたりの労働時間が法定労働時間内に収まっていれば労災認定されないことになっています。改正により、副業・兼業する人も労災認定を受けやすくなるはずです。

ただし運用に際しては、「副業・兼業する人の労働時間を会社側がどう把握するか」という問題も。従来とはまったく違う発想が必要になってくるのかもしれません。