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リモートワーク、副業OKの株式会社プリンシプルで働く堀井さん

「働き方改革」により、副業や在宅による働き方を取り入れる企業が少しずつ見られるようになりました。

株式会社プリンシプルは、「自分自身、家族、同僚、顧客、世界がWin-Winであること」を企業理念に掲げ、かなり早い段階から社員のリモートワークや副業の許可を取り入れていた会社です。

そこで、実際に株式会社プリンシプルでリモートワーク制度を利用しながら副業もこなしている堀井由紀さんへ、インタビューを実施。「女性のライフステージを考えて入社を決めた」という堀井さんから、リモートワークと副業(複業)をする理由、メリットやデメリットなどをお話いただきました。

堀井 由紀さん(株式会社プリンシプル/フリーランス)

短期大学卒業後、デジタルハリウッドVFX(ビジュアルエフェクツ)専門課程卒業。
TVCM制作会社、Web制作会社にて、Macで業務をハードにこなす”マッカー”として活躍。女性のライフワークバランスを強く意識し始め、"家庭"、"お金"、"自分の時間"のバランスを試行錯誤した結果、リモート制度を取り入れ、また副業を認める株式会社プリンシプルと出会う。パートタイマーとして働きながら、個人でWebコンテンツや動画編集などの制作周りの仕事を兼業。デジタル制作の経験を活かし、社内にて広告デザインの講師としても活躍。

ずっと働き続けるために、リモートワークで「ひとり働き方改革」

- 株式会社プリンシプルと副業について、勤務形態や業務内容などを教えて下さい。

プリンシプルでは、週3回の固定勤務で雇用形態はアルバイトとして働いています。仕事は基本的にリモートで行っていますが、週に1回は会社に顔を出すようにしています。業務内容は、主にウェブ広告運営周りのサポート。副業は、個人でメディアコンテンツサポート、動画編集などを請け負っています。こちらは、基本的にフルリモートで対応していて、打ち合わせなど必要があれば出社するという形です。

- どんな経緯で入社したのでしょうか。

20代の頃は、大手の動画制作会社で正社員として勤務していました。やりがいもあって、とても楽しく働いていたのですが、仕事内容はかなりハードでした。年齡を重ねるうちに、結婚や出産といった女性のライフステージを意識するようになって、「このままずっと働き続けることは難しいのではないか」と考えるようになったのです。そこで、どんな環境でも仕事を続けられるような働き方を探すようになりました。いわゆる「ひとり働き方改革」です(笑)。

その後、動画制作会社を退社し、何社か転々としたのちに株式会社プリンシプルへたどり着きました。「働き方改革」という言葉がまだまだ浸透していなかった当時、リモートワークを実施していることはかなり画期的でしたし、これなら私のライフステージがどんなに変わっても仕事は続けられると入社を決めました。

- リモートワークが魅力的だったということですね。副業の方は、いつ頃から始められたのでしょうか。

プリンシプルで働きだしてからですね。私は2017年に結婚をしたのですが、家事を効率よくこなせるようになり、時間に余裕もできたので始めたんです。副業のほとんどは、知人からの紹介です。また、社内でも私と同じように副業をしていたり、会社を経営していたりする人たちがたくさんいるので、その人達と常に情報交換もしています。

社会的自立を実感。リモートワークと副業のメリット・デメリット

- 副業を容認して、情報交換をしているというのは、かなり風通しのよい社風だと思います。堀井さんは、どんな部分に副業のメリットを感じていますか。

気持ちに余裕が生まれることと、社会的自立ができたことです。ひとつの企業で、いわゆる「歯車のひとつ」として働いていた頃は、人間関係や仕事の失敗があるとすぐにいっぱいいっぱいになってしまい、気持ちに余裕がない状態でいることが多かったんです。それに比べると、さまざまな会社、つまり社会をかけもちして働く複業は、そこから刺激をもらえたり、新しい発想も芽生えたりするので、自然と気持ちに余裕を持って働くことができるようになりました。

あとは、仕事との向き合い方、特に責任の持ち方について意識が大きく変わりました。会社員としてだけ働いていた頃は、自動的に仕事が振ってくるため、受け身で仕事をしていましたし、嫌なことがあると、環境や上司のせいにして納得していました。しかし、個人でも仕事をしていると、自分の取った行動に対して、責任がダイレクトに自分へ返ってきます。言い訳ができない環境に立って、初めて社会的自立ができたと実感しました。

- 堀井さんにとって、副業は人間的成長を促してくれる機会でもあったんですね。ちなみに、デメリットを感じる部分はありますか。

時間の使い方ですね。基本的に自宅でリモートワークを行っているのですが、ひとりで仕事をしていると、ついダラダラしてしまったり、目についた家事をしたくなってしまったり……。自分で自分を管理しなければいけない部分は大変だと思います。

- これらを防ぐために、何か工夫していることはありますか?

仕事をする部屋にはパソコン以外の余計なものを一切置かないようにして、集中できる環境を整えています。他には、タイマーを1時間ごとにセットして行動すること。例えば、1時間仕事をしたら、次の1時間は家事や休憩をするというように、必ず時間を区切っています。すると、「時間内で終わらせないといけない」という程よい緊張感を持つことができるんです。

また、週3回の勤務のうち、1回は必ず出社していると言いましたが、これは、担当者とおしゃべりすることが目的です。リモートワークを始めて感じたのは、人間関係の大切さ。ふだん担当者とは別々の空間で仕事をしているため、ささいなことで肌感覚がずれてしまう可能性があります。そこを埋めるために、直接会ってたくさん会話をして、信頼関係を築くようにしています。

- お話をおうかがいしていると、リモートワークや副業には自発的な行動がすごく大切だと感じました。また、副業には企業の協力も無くてはならないものですが、今後、副業の許可を考える企業には、どんな制度や考え方が必要だと思いますか?

リモートや副業に関するメリットとデメリットを経営者がしっかりと把握し、深く理解をしていないと成り立たないのではないでしょうか。また、副業には社員への信頼感が必要ですから、採用時にいかに人材を見極められるかも重要になってくると思います。

理想の働き方は、ライフステージのどんな変化にも仕事を奪われないこと

- 2017年にご結婚されたそうですが、結婚前後で生活スタイルや仕事に変化はありましたか。

変化はありましたが、ある程度は想像していました。それは、制作会社で働いていた時に、女性の先輩たちの生き方を見てきていたからです。家庭を優先する人、結婚や出産を犠牲にしてキャリアを積む人とさまざまでしたが、納得している人もいれば、後悔している人もいました。ですから、「自分は何を選択するべきなのか。この選択をしたら、仕事はこうなるし、プライベートはこうなるのかな……」と想像して行動に移すことができたんです。

唯一、想定範囲外だったのは家事の多さでした。現在は効率化することができましたが、結婚当初はやってもやっても家事が減らない。こんなに時間取られるものなのかと驚きました。

- 確かに、家事はいくらでもやることがありますよね。旦那さまと家事の分担などはしているのでしょうか。

夫は仕事が忙しくて帰宅が遅いので、家事全般は私が請け負っています。将来的には子どもも欲しいので、仕事や家事に加えて育児も……となると、さらに忙しくなりますよね。それを考えると、やはりリモートワークは、ライフステージの変化に振り回されることなく一定の収入が得られるので、私にはとても適していると感じています。

私は家族が大好きで何より家庭を優先したいし、家族のために働きたい。そのためには、家庭にどんな変化があっても仕事ができる働き方を確立したいと考えています。今後、出産以外にも、例えば介護が発生したとしても、リモートワークなら働き続けられる。将来の思わぬ変化にも、仕事を奪われないという希望が持てます。

- 女性はライフステージに変化が起こりやすく、結果、それまでの仕事を諦める人も少なくありません。こうしたなかで、株式会社プリンシプルは、日経DUAL「共働き子育てしやすい企業ランキング2017」において7800社中45位に選ばれています。他企業との違いなどは実感されていますか。

まず、経営陣の意識がまったく違うと思います。会社の利益を追求することは大切だけれど、それ以外の幸せもおろそかにしてはいけないという考えが根本にあるんです。ここが大きな違いではないでしょうか。

また、株式会社プリンシプルは、ベンチャー企業ということもあり、社会の変化に対して素早く柔軟に対応をしています。それが強みですが、この変化にリモートワーカーがどうついていくのかが課題。会社としては、ミーティングで話されたことなどを動画で共有するなどの対策は取っていますが、リモートワーカーがこれを習慣的に確認するよう、どう浸透させていくのかが重要ではないでしょうか。

- 最後に、今後のライフステージの変化などを踏まえて、どんな暮らし方、働き方をしていきたいかを教えてください。

一生続けられる仕事を考えた時に、どんな分野であってもスキルは必要になってきます。そのためには、若い頃にしっかり働いて何らかのスキルを身に着けておくことが大切。ただし、何かひとつを極めなくても、少しずついろんなスキルを持っていれば、仕事は社会にたくさん存在しています。

女性はとにかく環境、年齡はもちろん、ホルモンバランスで体調まで変わってしまうもの。それに応じて何かを犠牲にするのではなく、また、変化にも振り回されることもなく、一定の働き方ができることが私の理想でもあり、これからもずっと目指していきたいところでもあります。

優先したいことを優先できる。「犠牲」を必要としない働き方を

家族を第一に考え、そのためにできる働き方を模索して、確立することができた堀井さん。印象的だったのは、何も犠牲にすることなく、自分の納得できる働き方を見つけたことです。以前は、「何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない」という考え方が一般的だった社会から、堀井さんのような「何も犠牲にしない」働き方を実践する女性が生まれることは、「働き方改革」によって社会が変化しはじめている証なのかもしれません。