待機児童、小1の壁……ワーママが子育てと仕事を両立するための「働き方の選択肢」

デジタルハリウッド、KIDSLINE、タスカジ、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の4社によるワーキングマザーを対象としたセミナー「自分らしく子育て×働く主婦・ママMy Lifeフェスタ」をレポートします。

共働き家庭が増えている昨今、女性には育児や介護などの家庭環境と仕事の両立が求められる社会となってきています。それにともない、働く時間や場所を問わない在宅ワークやフリーランスという働き方が注目されるようになりました。しかし、フリーランスとして働くためにはどうすればいいのか、自分には独立するスキルはあるのか等、さまざまな疑問や不安もあります。

そこで、デジタルハリウッド、KIDSLINE、タスカジ、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の4社によるワーキングマザーを対象としたセミナー「自分らしく子育て×働く主婦・ママMy Lifeフェスタ」が、デジタルハリウッドSTUDIO渋谷で開催されました。実際に子育てをしながら第一線で働く女性4人をゲストに迎え、フリーランスとしての働き方をメインに子育てと仕事の両立などについてのディスカッショントークが行われました。

ワーママにとっての救世主?フリーランスという働き方のメリット・デメリット

前半は登壇者4人のトークライブが行われました。登壇者たちの経験なども踏まえ、子育てをしながらフリーランスとして働くことのメリットやデメリットなどを紹介。ファシリテーターはやつづかえりさんです。

 

やつづか:子育てをしながら働くフリーランスの女性は、具体的にどんな働き方をしているのだろうと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。今回は、尾関さんが、ご自身とお仲間の子育て中フリーランス女性の方の仕事の仕方や一日のスケジュールをまとめてきてくださいました。

 



やつづか:尾関さん、どうもありがとうございました! 平田さんは様々なフリーランスの方に接していらっしゃいますが、これを見てどう思われましたか?

平田:みなさん自分の生活に合わせたさまざまな働き方をしていますよね。昨今では場所や時間にとらわれず働くことが可能ですから、仕事と育児をシームレスに両立することもできます。家事や育児などで時間が限られている女性にとっては、フリーランスという働き方は効率よく、ワークライフバランスも取れると魅力的に捉えられているようです。

やつづか:私も4才の子どもがいるのですが、0才から保育園へ預けて仕事をしていますので、会社員のようなタイムスケジュールで働いています。でも、フリーランスは自分の時間、仕事の時間、子育ての時間をそれぞれ自分の都合で組めるのが魅力のひとつだと思います。ちなみに、みなさんは時間をうまく使うためにどのような工夫されていますか。

尾関:夫へ自分のことは自分でやるようにお願いしています。また、休日は土日のどちらかを子どもと一緒に遊んでもらったりして時間を作るようにしていますね。

藤井:我が家は夫の帰宅が遅く、私のワンオペ育児なので家事も育児も外注できる部分は積極的に利用しています。そこで作られた時間を子どもとのコミュニケーションへ充てるようにしています。

平田:私もタスカジさんがいなかったら生きていけないくらいお世話になっていますし、確定申告などもアウトソーシングサービスを活用しています。限られた時間の中でいかに生産性を上げるかという点で物事を考えた時に、自分が苦手なことを何時間もかけてやった時に機会損失になる自分の単価×時間や精神的ゆとりと、得意な人にお支払いする金額とを天秤にかけて、お任せした方が良いことはお任せした方がみんなハッピーだと思います。フリーランスだから何でも自分でやらなければいけないということではなく、餅は餅屋なんですよねやっぱり。自分の得意な仕事でいかに収入を上げていくかは大切な視点です。

やつづか:フリーランスという働き方の選択肢があることは大切だと思います。しかし、キャリアの構築や仕事をどうやって得るかなどは難しい部分ではないでしょうか。尾関さんは学校へ通うなどしていますが、独立するための準備期間にはどれくらいの時間と費用をかけましたか。

 

尾関:私の場合はデジタルハリウッドへ通っていた7カ月が準備期間にあたります。学費は決して安いものではありませんでしたから、吸収できるものはすべて吸収するという気概を持って通学していました。また、フリーランスになるにあたって、私はどんな仕事がしたいのか、そこへ需要はあるのか、さらに、10年20年先もWebサイトは存在するのかなど、遠い将来のことも考えていました

やつづか:学校は知識を学べるだけではなく、こうした仕事についての相談ができることもメリットですよね。平田さんはキャリア構築についてどのようなお考えをお持ちですか。

平田:キャリア構築については、自分の信じるものや生き方など大切な部分がぶれなければ、すべてが財産になると思います。あらゆることにアンテナを張っておくことが大切です。それらがすぐに収入に結びつかないこともありますが、目先の損得で動くのではなく常に挑戦し、期待値を超える結果を着実に積み上げていくことをおすすめしたいですね。

やつづか:ここで前半最後の質問になります。みなさんとってフリーランスでよかったことや大変だったことを教えてください。

平田:自分がやりたいこと、共感できること、信じられるものを仕事にできることが一番よかった点です。また、誰とどこでいつ仕事をするのかも選ぶことができる。この選択する自由度の高さが私には合っていました。しかし、会社員の時には意識が薄かった社会保障などについてはしっかり把握しておかなければなりません。協会ではフリーランスの環境がよりよくなるよう、女性の妊娠・出産に伴うセーフティネットを求めるために現在活動を行っています。

藤井:私は会社員ですので、キッズラインに登録されているサポーター(べビーシッタ ー)さんの場合でお話させていただきますが、フリーランスの一番のメリットは、自由に時間を采配できること。また、スキルや資格をしっかり評価されることもメリットです。大変なことは、当たり前のことですが仕事の進行や体調の自己管理ですね。自由な働き方ができる分、責任はすべて自分が負うことになりますから。それでもプロ意識を持って仕事に携わることができれは満足いく働き方ができると思います。

尾関:子どものそばにいながらやりたい仕事をやりたいペースでできる部分ですね。自分の性格に合っていたと思います。会社やデスクに缶詰になって仕事をするのが苦痛だったのですが、フリーランスは自由に考えて自由に動くことができます。また、どんな仕事でも大変な部分はあるので、フリーランスだから大変だと感じることはあまりありません。独立した時には、「家の中でずっと一人でパソコンを叩く暮らしはできるかな」と不安もありましたが、家にいてもオンラインで顔を見ながら仕事をしたり飲み会をしたり、チャットツールで案件や技術の相談をよくしたり、時にふざけ合ったりしながら仕事ができて、同じフリーランス仲間もできてとても充実しています。

 

時間の捻出よりも生産性の向上を――ワーママが効率よく働くために必要なこととは

後半は、参加者からあがった質問へ登壇者が答えるパネルディスカッションです。そこでは、育児や仕事に対する不安や疑問などたくさんの質問があがりました。

やつづか:「家事代行やシッターを頼んでみたいけれど、家の中をどのくらい片づけておけばいいのか」という質問がありますが、こちらはいかがでしょうか。

藤井:ごはんを用意しておいたほうがいいのか、家はどの程度片づけておけばいいのか、みなさんすごく気にされる部分ですよね。私の場合、朝食で使った食器などはそのまま置いておき、「夕飯の片づけと一緒に洗っておいてください」とシッターさんへお願いしています。家もそこまで整えておく必要もなく、むしろそこへ労力を使うべきではないのではないでしょうか。

平田:私も最初の頃は「きっちり掃除してタスカジさんをお迎えしなきゃ」と思っていましたが、現在は定期的にお願いしていることもあって、タスカジさんはいわゆる「拡大家族」のような存在になっています。妊娠中からずっとお世話になっているので、子どもの成長もずっと見てもらって、懐いています。タスカジさんに聞くと、最初はやはり片づけが行き届いていないのを気にして「リビングだけで大丈夫です」という依頼主もけっこう多いようですが、定期的に通ううちに徐々に「開かずの扉」が開いて掃除を任されるのか、信頼していただいている喜びややりがいになるそうです。

やつづか:ありがとうございます。私も家事代行をお願いすることがあるのですが、まだ「開かずの扉」があります…(笑)。次は「フリーランスになってから、仕事の獲得や人脈作りにはどのようにすればいいか」という質問がありますね。

平田:いきなりフリーランスになるのではなく、まずは就職して実績を積んでから独立するほうがいいのではないでしょうか。それができない場合には、とにかく頂いたご縁を大切に、片っ端から何でもやってみること。最近ではフリーランス向けのコミュニティやマッチングサービスなどもありますから、これらを利用すると初心者の方は足を踏み入れやすいかもしれません。ただし、種まき期間は必要なので、仕事をしてすぐに成果が返ってくることばかりではありません。 これはいつもお伝えしていることなのですが、フリーランスは自由度が高いぶん、すごくシビアな世界です。会社員は組織で仕事をするため、そこまで責任は問われませんし、収入も激しく変動することはありません。対して、フリーランスは時間を切り売りしているわけではなく、パフォーマンスで評価されますから、それによって収入が変わります。育成のためにフィードバックをくれる人もなく、できないと判断されたらクライアントは笑顔で去っていきます。ですから、仲間を作ったり自己投資したりすることは欠かせないですし、専門性を高めていくことが必要です。

「自分には専門性がない」と自信を持てない人もいらっしゃると思いますが、自分ができることを掛け合わせていくことで、その人ならではのオリジナル配合の強みになって、需要が発生する場合もあります。ヒザスクのスポットコンサルで活躍する方を見ていると、ご本人があまり価値を感じていなかったニッチな知識に意外とニーズが高かったりして、面白いですよ。

やつづか:仕事の獲得や人脈だけではなく、フリーランスについてかなり広い範囲でお答えいただけました。そろそろお時間なのですが、最後に「『小1の壁』をどう克服するか」という質問をさせていただきたいと思います。ワーキングマザーにとって、子どもが小学生になると預け先がぐっと少なくなって働き方を変更せざるを得ないという深刻な問題があります。藤井さんは小学生のお子様がいらっしゃいますが、いかがでしょうか。

藤井:子どもが小学生になるにあたって、私もこれはすごく不安でした。しかし、幸いにも学童へ入れることができたので恵まれた環境だったと思います。また、私の暮らしている地域では、専業主婦よりも共働きが多いため、授業参観などの行事は土日などに行われることが多いですね。それでも参加が難しい行事や集まりもありますから、それは無理せず不参加にしています。実は今回、PTAになってしまったのですが、役職も働きながらできる役職を選んだこともあり月1回くらい出番はあるものの、稼働も土日に設定されることが多く、思っていたり拘束されることはないようです。

やつづか:そこまで不安を抱かなくても大丈夫そうですね。皆さん、とても参考になるお話をどうもありがとうございました。

働き方を選ぶことは、自分らしさを見つける第一歩でもある

ワーキングマザーはどうしても子どもを中心としたライフスタイルになってしまいます。それをうまくカバーする働き方として、在宅ワークやフリーランスはとても有効な手段ではないでしょうか。しかし、会社員とは違う責任を求められる仕事でもあります。自分にはどんな仕事が向いているのか、どんな知識があるのか、キャリアの棚卸しをすることがフリーランスの第一歩。そこには、ワーキングマザーとしてだけではなく、自分らしさを発揮できる働き方を発見するカギがあるかもしれません。