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2017年7月24日に、「働き方改革」政策の一環として「テレワーク・デイ」が実施されます。
(参考:7月24日はテレワーク・デイ そのねらいと効果は)

今回は、テレワーク・デイをテーマに、既にテレワークを実施している6つの企業の方が「テレワークのリアル」について語ったイベント「テレワークって実際どうなの?テレワーク実施企業が語るテレワークのリアル」(主催:株式会社ガイアックス、スマートキャンプ株式会社)の様子をお伝えします。これからテレワーク制度を導入しようと検討している方や、テレワーク制度を活用して働こうと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

なぜテレワークを始めたの? スマートキャンプとオプトの事例

株式会社パソナ及び株式会社パソナテックの湯田健一郎さん

第一部では、「やっぱり導入って大変でしょう?〜導入検討からトライアル導入、導入決定までのリアル〜」というテーマで3名の方が登壇されました。

モデレーターは株式会社パソナ及び株式会社パソナテックにてマネージャーを務める傍ら、経済産業省「雇用関係によらない働き方に関する研究会」委員の湯田健一郎さん。ゲストは株式会社オプトで人事戦略部部長を務める高部賢一さん、そしてスマートキャンプ株式会社 代表取締役の古橋智史さんです。

 

テレワークを考えるきっかけは自分や社員の「育児」だった

株式会社オプトの高部賢一さん

スマートキャンプの古橋さんがテレワーク制度を導入しようと思ったきっかけは、ご自身のお子さんの面倒を見ることができていなかったという状況があり、これまでの働き方に疑問を持ったこと。「成果を出せるのであれば、場所や時間にとらわれない働き方でも良いのではないか」と考え、ご自身の会社の働き方を変えていったのだそうです。まずは週1回からスタートし、現在では水曜日をリモートデ―としたり、フレックス制度を導入したりと、職種に関わらず場所や時間にとらわれない働き方を実現する制度を導入しています。

オプトの高部さんは、「子育てをする女性社員の職場復帰が転機だった」と語ります。育児と仕事を両立しながら、今までどおりのパフォーマンスを維持しながら働いてもらうためにはどうしたらいいか……と考えた結果、テレワークを導入することとなったそうです。その結果、現在出産後の復帰率は9割に。しかし、実はまだきちんと制度化されていなかったり、成果を可視化できるメンバー以外には在宅勤務が浸透していないといった課題があったりと、これからクリアすべき点があるそうです。

 

初めてテレワークを始めるには、トライアルが重要

スマートキャンプ株式会社 代表取締役 古橋智史さん

皆さんの話によれば、テレワーク制度を導入する際、「では来月から実施しましょう!」といきなり運用するのは難しいので、まずはトライアル期間を設けることがベターとのこと。

スマートキャンプでは、「水曜日の午後に電話線を抜くこと」からスタートしました。クライアントには、急を要するときは営業担当の携帯に直接連絡をしてもらうよう事前にアナウンスした上でまずはやってみて、何も問題が起きなければ必ずしもオフィスにいなくても良いと判断しようと決めて始めたそうです。

結果的に特に問題はなく、かかってくる電話営業などへの対応がなくなったおかげでより一層集中して業務にあたれるようになったので、そのまま水曜日をテレワーク実施日として定着させていったそうです。

オプトでは、テレワークの実施に際して、まずは海外のオペレーション拠点メンバーと共にトライアルしたそうです。今後はテレワークをきちんと制度化して、「この人にはテレワークで仕事をしてもらおう」と言える文化を醸成していきたいともおっしゃっていました。

 

まずは小さく始め、自社なりのテレワーク制度を

古橋さんは、テレワークを導入することで優秀な人を採用できるようになったという利点を挙げました。今後については、ライフステージだけではなくキャリアステージにあわせて働き方が選べるようになることにも期待を寄せつつ、「介護や育児など、物理的に遠いところにいなければならない状況以外では、『家やカフェで仕事をするんだったら会社に行ってやろうかな』とテレワーク制度があっても、好きで会社に来るようになってほしい」とおっしゃいました。そして、これからテレワーク制度を導入しようとされている方に対しては「まずはライトなところから始めて、それを仕組化していくのが良い」とアドバイスされました。

高部さんも、まずは小さく始めること、さらに「ただ単に始めるのではなく、従業員のニーズに合わせてスタートしていく」ことが必要だとおっしゃっていました。

湯田さんからは「とりあえずやってみよう、というのが大切」というメッセージが。導入前には色々不安はありますが、今回ご紹介したトライアル事例などを参考に、まずは小さく始めて成功体験を積みながら、自社に合った制度をつくっていくのがポイントになりそうです。

 

テレワークを成功させるために。シックス・アパート、ガイアックス、ブイキューブの取り組み

右からSansan株式会社の角川素久さん、株式会社ブイキューブの佐藤岳さん

第二部では、「導入しても使われないんじゃない?〜導入後の人事制度や、文化作りのリアル〜」というテーマでモデレーターにSansan株式会社の角川素久さんを迎え、3名のゲストの方が登壇されました。

株式会社ブイキューブのマーケティング本部長を務める佐藤岳さん、シックス・アパート株式会社の事業開発 シニアコンサルタントの作村裕史さん、株式会社ガイアックスの管大輔さんです。

 

テレワークを導入すると、社員はサボるのか

シックス・アパート株式会社の作村裕史さん

テレワーク導入に際して、よく懸念点として挙げられるのが人事評価及び労務管理についてです。同じ空間で仕事をしていないため、本当に作業しているのか? サボっているのではないか? ……と懐疑的になることはないのでしょうか。

この点について、シックス・アパートの作村さんは「あまり生産性の高い議論とは言えない」とおっしゃいます。
さらに、「サボった・サボっていないは人事評価の1項目に過ぎません。あまりにサボりすぎて成果物を出せなかったり、その結果会社の評判を落としてしまったりするのは良くないですが、その1項目によってその人の全てを判断するのは好ましくないと思います」と続けました。

ガイアックスの管さんは、テレワーク制度の活用に限らず、どの組織・どの働き方においてもサボる人は存在するとした上で、「どういう体制でテレワークを実施するかや、組織文化をどのように作っていくかが大事」と指摘します。「リモートワークを通じて気づいたのは、お互いチームメンバーの信用を失いたくないので、例えばレスポンスが速くなるなど成果に対してより意識が向くようになったということです。働き方がサボる・サボらないに繋がるのではなく、どういう関係性で仕事をするのかが重要だと思います」と、人事評価・労務管理に先立つ人間関係の重要性に言及しました。

 

コミュニケーションを円滑にするために工夫していること

ブイキューブの佐藤さんは現在、岐阜県郡上市に旧紡績工場をリノベーションしたシェアオフィスを借りてリモートワークを実施されています。朝、出社すると同時に東京の中目黒オフィスとモニターを繋ぎ、常に双方が両オフィスの様子を見られるようにしています。個別でミーティングする場合は、別のモニターを利用しているそうです。これらのビデオ会議システムとチャットツールを使用すれば、遠く離れていてもコミュニケーションを円滑に図ることが可能だとおっしゃいます。

Sansanでも同じような方法でテレワークをしている人とコミュニケーションをとっているそうです。角川さんによると「リモートだけれども、あたかも自分のオフィスにいるような仮想的な空間を作るようにしている」とのことですが、その背景として、複数人ではなく1人だけテレワークをしている場合は疎外感が生まれないようにこのような工夫をしているそうです。

また、各社テキストベースのコミュニケーションも大切にされており、絵文字を使用したり、雑談専用のチャットルームを設けたりといった工夫は欠かせないようです。

 

テレワークを実践する上で大切なこと

株式会社ガイアックスの管大輔さん

第二部の最後に、テレワークを実践する上で大切なことについてそれぞれメッセージをいただきました。

佐藤さんからは、「私自身テレワークをやっていて、1日1回は顔を見て会話をすることが重要だと思います」と、実体験を通じてコミュニケーションの重要性をお伝えいただきました。

作村さんは、「面倒くさいと思われると、せっかく作った制度も使われなくなってしまうので、たくさんルールを作らないこと、かつシンプルにすることが大切だと思います。例えば、弊社ではテレワーク手当を導入しているのですが、だいたいこのくらいかかるよね、という金額を決めて、その範囲内で出たアイデアが共有化されると、単なる制度ではなく本当の組織のルールができてくると思います」と制度化するにあたって注意すべき点をアドバイスしてくださいました。

そして、管さんからは、「中途半端にやらないことが大切だと思います。弊社でリモートワークを始めたときは、まず上司の方々に思いを共有し、しっかりとサポート体制を作ってもらいました。また、セキュリティの遵守を社内で一番進んでいる部署にしようと決めたり、社員を100%信頼し切ると腹を括ったりして、赤字を出してもいいからまずは文化を作ることを意識しました。そのくらい覚悟をもって取り組むことが大事だと思います」とのメッセージをいただきました。

テレワークはあくまで働き方の選択肢のひとつ。導入するにあたっては、最初から細かく規定を作るのではなく、従業員のニーズに合わせて、文化を作りながら制度化していくいことが大切です。様々な不安や疑問点があるかもしれませんが、まずはスモールスタートし、成功体験を重ねていってみてはいかがでしょうか。そして、そのとっかかりとしてテレワーク・デイを活用すると良いでしょう。

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