仕事を休まず旅に出よう! 娘の成長を大切にできる、ワーケーションの時間

フリーランスのチームを組んでマーケティングリサーチのお仕事を手掛ける株式会社グローバル・カルテット代表の城みのりさん。ご家族でのワーケーションに度々出かけられているそうですが、仕事の調整は?メリットは?ワーケーションを成功に導くコツを教えていただきました。

インタビュアー(ライター)

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

ハワイと奄美大島へ計3回。バケーション8割・仕事2割で 力いっぱい子どもと遊ぶ!

ワーケーションをしようと思ったきっかけは?

 

城みのりさん(以下、城):ひとつには、私が普段出不精で4歳になる娘を国内旅行どころか、遊戯施設に積極的に連れて行くこともしていなくて。娘にとって新しい体験のインプットが少ないためか、テレビやタブレットで見たことを自分の実体験みたいに話すようになってしまったんです。それに昨年気付いて、「これはまずい!」と。もうひとつ、私は好きではないことを始めるのに抵抗を感じる性格なのですが、海外へ行くのは好きなんです。ですから、一緒に海外旅行へ行けば問題をクリアできると思いました。

 

ワーケーションにはいつ、どちらへ出かけられたのですか?

 

城:これまでに3回行っています。1回目のワーケーションは、2017年12月にハワイへ5泊。他にも行き先の候補はあったんですが、子どもが楽しめるアクティビティが充実しているので、ハワイに決めました。自分の中でテスト的な感じだったので、メールやチャットの返信、業務の進捗確認程度に仕事はとどめて、娘と遊ぶことに注力しました。8割バケーション、2割仕事ぐらいの感覚でしょうか。広々と過ごせて、ネット環境もしっかりしているので、宿泊先はコンドミニアムにしました。

 

2回目は、2018年2月に「行き先が海外じゃなくても楽しめるかもしれない」と思い、ちょうどお誘いを受けたので奄美大島へ。複数の家族が合同で、広い一軒家の宿「高倉のある宿」に泊まりました。子どもが4人いたので、家の中では子どもだけで遊んでいました。その間、大人たちは異業種交流のようにお互いの仕事について話す。ワーケーションを通して、ゆっくり過ごしながらいろいろな方と知り合えて、良い刺激になりました。

 

3回目は2018年8月、またハワイへ。これまで最長の10日間で、「こんなに長いと、仕事が詰まってしまうかな」と不安だったのですが、問題ありませんでした。いつもワーケーションの際は夫と娘の3人なのですが、今回は夫の両親も同行することに。せっかく日本の夏の湿気から離れるので、またハワイにしました。

 

ワーケーションの事前準備には、仕事の調整、周囲を巻き込むことも重要

普段の仕事場所はどこですか?

 

城:普段の仕事場所は自宅です。フリーランスなので、住所としてオフィスも借りていますが、ミーティング以外そこで作業することはほとんどないです。大体は自宅で仕事をしています。

 

ワーケーションに出掛けるにあたって、準備されたことは?

 

城:事前に早くから旅の計画を立てたことですね。部屋の予約はもちろん、行き先やそこに行く目的、期間を考えました。会社員の夫も一緒に行くので、あまり長いと難しい。それに子どもが飽きてしまうかもしれないので、面白そうなアクティビティを探したり。

 

「仕事が詰まってしまうかも?」と思われようですが、実際にはどうでしたか?

 

城:かなり前から旅の計画をしていたことが功を奏して、問題ありませんでした。普段、私はチームでクライアントの仕事を請け負い、クオリティコントロールの役目をしています。出発前に、業務委託で受ける仕事の量・納期をすべて調整して、留守中はチームメンバーが作業を動かしてくれていました。その中でも質問や確認事項は出てくるので、チャットで投げかけておいてもらうよう伝えておきました。私自身が作業をする仕事は、出発前に納品を済ませておきました。

 

ハワイでのワーケーションは、日中遊んで疲れた頃にコンドミニアムに戻ってきて、チャット連絡を確認するというスケジュール。というのも、ハワイで日中遊んでいる間、日本は夜なので時差の影響があまりなく、日本時間の夜の間に対応を要する依頼が飛んできていても対応が可能です。基本的には、前日に日本から来たメールの返信を早朝にして、夕食後の20時以降に作業をしていました。ワーケーション期間中は、大体1日合計4時間ぐらいの仕事量ですね。

 

ワーケーションの中で、予想外だったことはありますか?

 

城:私の仕事はパソコンが命。「途中で壊れたら…」という不安があります。可能であれば、2台持ちしても良いかも。というのも、今回パソコンの充電器を忘れて行ってしまったんです。タブレットとスマホを駆使して、パソコンの使用は最低限にして何とかしのぎました。ハワイで充電器を買えないか探しに行って、2~3時間費やして結局買えなかった!店はあるんですけど、私の機種の充電器だけなかったんですよ。いよいよとなったらパソコンを買っていたかもしれないですね。

 

ワーケションを通して改めて発見した日常では気付かなかった娘の好奇心

 

仕事の間は、旦那さまがお子さんの面倒をみられていたのですか?

 

城:そうです。それに今回は、じいじとばあばが大活躍!(笑)。娘が私にまったく寄り着かないという、初めての体験をしました。家族でワーケーションへ出掛けてみて、人手が多いというのはこんなに良いことなんだ、と思いましたね。

 

普段日本では、お子さんを保育園に預けているのですか?

 

城:そうです。8時半~18時まで。

ワーケーションでお子さんは楽しかった様子ですか?

城:楽しかったと思います。1歳の時にもハワイに連れて行ってますが、まだ赤ちゃんで記憶にないですよね。今回は自分で「イルカに乗りたい」「プールで滑り台が滑れるようになりたい」と目標を持って行きました。そのほとんどがクリアできて、すごくうれしそう。帰るのを嫌がったぐらいです。帰ってきてからは、保育園の先生にもいろいろ話しているようです。「イルカをさわったんだよ!」とか。

 

普段お子さんを保育園に預けていらっしゃると、旅行中は長く一緒にいられる。その喜びや発見はありましたか?

 

城:娘が自発的に「あれがやりたい」「これがやりたい」と言ったことが発見でした。目に映るものすべてが珍しかったのだと思います。自分の気持ちで何かを決めることを、今まで日本では体験させていなかったと思いました。また、今回行き先がハワイだったので、英語に触れる機会になりました。何か英語らしきことを言っていたり、帰国後タブレットを見て英語の歌ばかり歌っていたり。英語に興味を持つ良いきっかけになったようです。

 

バケーションとワーケーションの違い。フリーランスにもワーケーションは必要?

ワーケーションを他の方にもすすめたいと思いますか?

 

城:はい、思います。ただ、セルフコントロールができないと結局ただのバケーションになってしまうので、事前にワーケーション期間の前後1カ月くらいまで、自分の仕事のボリュームを把握しておく必要があると思います。フリーランスだと単純にその期間の仕事を減らしたら、収入も減るので、事前に多めにやるか、後に多めにやるかまで考えておく。無計画だと、「遊んじゃった」と精神的に厳しくなる可能性もあると思います。

 

完全に仕事を休んで旅行に行くバケーションと、ワーケーションの違いは何でしょうか?

 

城:フリーランスが完全に「休む」と宣言して仕事から離れてしまうと、その間クライアントは「連絡もしてはいけないのでは」という意識になります。その間に、良い仕事を紹介してもらえる可能性だってあります。完全に休むというアクションは、私は取りにくいですね。ただ、重い仕事を持っていくのはおすすめしません。5~6時間集中しないと成果が上がらないような仕事を持って行くと、逆にストレスが溜まり、一緒に行く家族にも影響があるのではと思います。

 

完全に仕事をストップしないことが大事?

 

城:特にフリーランスだからそう思うのかもしれないですね。会社員の方がワーケーションをする場合でも、例えばチャットなどで連絡が入っているのに放置するのは、気持ちが苦しいと思います。やりやすいように自分の中でワーケーション中のルールを決めておけば、まる1日休暇にしなくてもやっていけるのでは?

 

普段業務が忙しい人ほど、ワーケーションに向いているのでしょうか?

 

城:私は頭の中をリセットできました。7月にボリュームのある案件をこなした後だったので、「やった甲斐があったな」と自分を承認できた。その時は仕事の評価まで考える余裕がなかったので、ワーケーション中にゆっくり振り返りができました。そういう意味でも、ワーケーションを行った意味は大きかったと思います。

 

今後、日本企業でワーケーションは広まっていくと思いますか?

 

城:私はフリーランスという立場ですが、企業でもできないことはないと思います。私の周囲で、積極的にワーケーションをされている大手企業の社員の方もいます。ただ、本人がそれをどうマネジメントできるかに尽きると思います。周りを巻き込む感じで、自分の仕事へのスタンスを発信していれば、会社員の方でも可能なのではないでしょうか。

 

今後も定期的にワーケーションに行きたいですか?行ってみたい場所、やってみたいことは?

 

城:そうですね。娘の成長と共に、場所は変えても良いのかなと。今後娘が大きくなっていくので、サマースクールに入れてみるのも良いなと考えています。将来的には、チームメンバーと一緒にワーケーションをしてみても楽しいんじゃないかな?とも思っています。

取材後記

これまで3回のワーケーションをご家族で楽しまれたという城さんのお話を聞いて、きちんと事前準備をしておけば自分にも実践できそうな気がしました。国内のワーキングスペースや海外のホテルなど、インターネット回線にさえアクセスできれば、場所を選ばず仕事はできるはず。フリーランスであっても会社員であっても、家族の時間を充実させ、新しい体験ができるワーケーションにはメリットが多いのではないでしょうか。