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ままいる代表 三好真代さん

大学卒業後、英会話スクールにてマネジメント職を経験。4年間の完全専業主婦時代を経てフリーランスに。3人の子育てから多くを学び、2016年より人材ビジネスに参画。パラレルキャリアこそ自己実現を加速させると考え、企業に所属しながらもフリーランスを継続する働き方を選択している。現在はキャリアコンサルタントとして、「ワークライフマネジメント」の視点をもって、1人ひとりの自己実現を促すサポートに従事。
ママ応援団体「ままいる」代表の他、地域の委員も複数兼任。

ママが笑顔になれる場所づくりを。2013年に「ままいる」スタート

-ままいるがスタートした経緯は?


三好真代さん(以下、三好):ままいるが誕生する前に、男女共同推進センター主催の「ママの未来チャレンジ」という講座があったんですね。4回連続で、自分の名刺を作ったり、リスタートして活躍されているロールモデルの方の話を聞いたり。そこで出会った人たちで、講座終了後に「また集まりませんか」と呼び掛けてくれた方がいて。その時手を挙げたメンバーで、2013年にままいるを結成しました。

-立ち上げの方向性は、即仕事につなげる訳ではなく、子育て中のお母さんたちが集まって、いろいろなことができる場作りだったのですか?


三好:そうですね、皆さん小さなお子さんがいる方たちで、託児を利用して参加しています。私自身もそうでしたが、子どもの入園などで少し時間に余裕ができるから、「何か自分自身のことをできないかな」と探しているんですよね。でも、働くことにはそこまで自信がない。まずは自分たちでできることから始めてみようか、と。


ままいるという名前を作り、ロゴやホームページを制作して……。自分たちが楽しめることをやりながら公開講座にして、同じ思いの人たちも来てくれると良いよね、という気持ちでした。



-現在の組織構成というのは、運営メンバーと登録講師ですか?


三好:その他に、ままいる主催のイベントを優先的にご案内して、優待もあるイベントグループがあります。グループにはイベント時のお手伝いを呼びかけることも。
それから、運営メンバーでも講師業をしていて、両方に登録している方もいます。



-ままいるは、助成金を受けての事業もされているのですね。組織形態はどういうものなのでしょうか?


三好任意団体になります。ままいるに興味を持ってくれる方がいたら、誰でも気軽に運営に参加してもらえるよう、あえて法人化していないんです。「どんな関わり方でもできるよ」と門戸を広げておきたかったので。

-イベント開催時にはいつも託児を設けているのですか?


三好私たちのイベントでは、託児を利用できる環境を整えることにしています。託児がないとママのリフレッシュは叶いにくいと思っていて。離れないと集中できないとか、自分のために過ごす時間なのだから、その間は子どもと離れて、という側面があると思うんです。


そこで託児システムとして、株式会社アズママの子育てシェアを利用させてもらっています。あらかじめアズママのアプリで登録をしてもらうと、ユーザー同士で託児を利用できる、というシステムで、昔ながらの、お友達同士、ご近所での頼り合いの現代版、というイメージです。ままいるでは、元保育士やアズママの研修を受けたママサポーターのネットワークを持っていて、子育てシェア利用初心者の方への利用サポートもおこなっています。アプリを使って利用する託児は、1時間500円~で、保険も適用になります。ままいるのイベントに限らず、普段託児をお願いしたいということがあれば利用ができますね。

また、助成金を受けて開く講座では、行政の施設で託児を付けられるようになっていて、使用させていただく施設によって託児料が変わってきます。

-活動の主軸は、定期講座の開催、不定期でのイベント開催、コワーキングスペース運営の3つですか?


三好現在は月2、3回のコワーキングスペースの開催が定期講座のような位置づけですね。それに不定期でのイベント開催、これは主催と出展があります。



-登録講師の方たちは、どういう位置づけなのでしょう?


三好:登録制度を整えたのは今年度からなのですが、他団体が主催するイベントや仕事の依頼が来た時にご紹介したり、ままいるが出展するイベントに出たい方を募ったり。私たちが助成金事業で開催する講座でも、登録されている方から講師を選んだりします。

登録講師と言っても、特に厳しい条件はありません。ベテランの方よりも、やってみたいけれどまだ経験が浅いという方の、お試しの場にしていただけたら。

託児料のみで利用できるコワーキングスペース「ままいるーむ」とは?

-コワーキングスペース「ままいるーむ」の運営は、いつから?利用状況はどうですか?


三好:今年の1月から始めました。まだ始めたばかりなので、毎回10名前後というところですね。



-利用者の方の反応は?


三好リピーターは、ままいるに何かしら関わってくれている人が多いです。たまに、「こういう場所がある」と探して来てくれる方もいるんですよ。まだコワーキングスペース自体の周知が定着していないようなので、そこは課題だと思っています。



-例えば働いているお母さんが多い、共働き家庭が多いといった、大野城市の地域的な特色はどうなのでしょうか?


三好大野城市は博多・福岡・天神の南側に位置していて、近年子育て世代の人口が伸びてきています。ただ、転勤族が多いので、専業主婦層が多い気がしますね。おうち起業的に何かしらされている方も多いようです。



-そうすると、コワーキングスペースの需要は今後伸びてきそうですね。


三好:伸びてくると見込んでいます。パソコンやスマホを使って、以前より手軽に収入を得られる環境が整ってきたので、それを子育てしながらおうちで、ということに私は危険性を感じています。

私自身が13年前から在宅ワークを行ってきた経験上思うのですが、自宅で小さな子どもと2人きり、それでパソコン仕事を、となると子どもが作業を邪魔したりしてストレスになりやすいですよね。また、他に人がいない状態だと時間の区切りなく仕事にのめり込んでしまって、お母さんにかまってほしいお子さんを待たせがちになる可能性も。

やはりひとりの世界の中でできることというのは限られていると思いますし、コワーキングスペースに来てもらえれば、情報交換の場にもなります。ぜひ利用して欲しいですね。



-目下の目標は、コワーキングスペース事業の安定と拡大でしょうか?


三好:とにかく今は続けることに注力したいです。そこがいちばん肝なので、やったりやらなかったりじゃなく、ひたすら続ける。その実績を作っていくことだと思います。


コワーキングスペース運営は、持続可能な事業にするべきだと考えています。お母さんたちの利用が徐々に増えれば必要とされる場所になっていくはずなのに、運営が大変だから終了となったら、その方たちは行き場を失ってしまいますよね。そういうことは絶対にしたくないんです。

運営が定着してきたら、民間企業のCSR活動にエントリーをして、助成金をいただけるよう目指すことも考えています。

ままいるは「やりたい」を叶える場所。インストラクターデビューした城戸みどりさん

ままいるのサイトでは、大野城市で活動する多彩なジャンルの講師を紹介しています。その中で、ままいるで定期講座を開催し、現在は独立してレッスンを行っているというバランスボールインストラクターの城戸みどりさんにお話を伺いました。

-ままいるに講師登録された経緯を教えてください。


城戸みどりさん(以下、城戸):登録は今年ですが、私はもともと、設立時からの運営メンバーでした。

最初の頃、ままいるでどんなイベントをやろうか?と話し合っていた時に、「中村洋子先生のバランスボールの講座に参加したことがあって、面白かったよ」とアイディアを出してくれた人がいて。実際に中村先生をお呼びして、ままいるで単発の講座を開いていただきました。

私は独身時代、高校の体育の非常勤講師をしていたのですが、結婚する頃に契約が切れて、専業主婦として3人の子育てをしていました。それで中村先生に「子育てしながら私にできる仕事がないでしょうか?」と相談に乗っていただいて。その後、北九州から月2回講師の方を招いて、バランスボールはままいる初の定期講座に。そうしながら私もバランスボールインストラクターの養成講座に通い、2015年1月にままいるで講師デビュー、定期講座を引き継ぎました。



-現在もままいるで講座を行っていらっしゃる?


城戸:いえ、ままいるで2年ほど講座を続けているうちに、多方面からご依頼をいただくようになって。「活動の場を広げて、仕事としてバランスボールインストラクターをやってみたい!」と思ったんです。そのため、ままいるの定期講座は2017年でいったん終了させてもらいました。


ままいるは、「きっかけをもらえる場」。学びや楽しみ、目的はそれぞれですが、お母さんたち一人ひとりが笑顔になれるきっかけをもらえる。
私は現在、運営からも退いていますが、講座に参加したり、時々イベントのお手伝いをしたりと、良い形で関わりが続いています。



-講師として、今後の目標はありますか?


城戸:これからはバランスボールに限らず、様々なアプローチを通してお母さんたちの体作りや心のサポートができればと思っています。また、元々教員を目指していたので、教育関係にも携わりたいなと考えています。お母さんが笑顔だと子どもも幸せ、子どもが笑顔だとお母さんも幸せ。そこは切り離すことができない、相互作用の関係だと思うので。まずはお母さんたちに運動して元気になってもらって、それがまた誰かの背中を押してあげられるきっかけになれば、と思います。

自分のためにお金や時間を使えないママたちが、一歩踏み出すために。続けていくことの大切さ

-ままいるのイベントでは、ビジネス的なことと趣味的なこと、両方やっていらっしゃるようですが、今後どちらかにシフトしていくことは?


三好:ままいるはメンバーがやりたいことを実現できる場であれば良いと思っているんですよ。私がやりたいと言ってコワーキングスペースを作ったのですが、それは長年在宅ワークをしてきた中で、小さい子どもを育てながら仕事をする大変さを体感してきたからです。そこに課題を感じているからですね。人によって経験してきたことが違う、その中で苦しかったことがその人の解決していくべき課題であり、その後の仕事にも関わってくると思うんです。ですから、メンバーの一人ひとりが何をやりたいか実現していくことに尽きる。仕事寄り、趣味寄り、いずれであっても全部サポートしたいと思っています。


ただ、世の中の流れがお母さんたちの再就職を促すモードになっている、早く働きたいと思う方も増えている傾向にあると思います。ここで働き方をきちんと選んだ方が良いと私は思うんですよね。一度子育てで専業主婦になった、これを自分の生き方を見つめ直すきっかけにして、自分は何をやりたいのか見据えることがこれからは必要になってくるはず。そういったきっかけ作りをできる場所であれば良いですね。私は今年キャリアコンサルタントの資格を取得したのですが、ままいるーむの会場で無料相談の場を設けています。

私の中での課題に、専業主婦時代に自分のためにお金を使えなかったことがあります。ですから、できるだけ安価で、無料で利用していただけたらと思っているんです。

そして、私は子どもとの関係から得たものも大きいです。3人の子育てをしてきて現在進行形ですけど、苦しんだこともありました。でも、そこで得た学びが仕事やままいるの活動、すべてに活きていると思って。子育ての経験なくして今の私は存在しないですね。

取材後記

自分たちが子育ての中で苦労した、あるいは楽しかった体験を経て、そこで完結してしまうのではなく、他の人たちの「やりたい」を応援していく好循環が「ままいる」にはありました。そして、必要とされる場を作る以上、続けていくことが大事。お話を伺って、その素敵な思いが人から人へどんどん広がっていくと良いな、と思いました。