ワークではなく、キャリア? 会社員も新しい生き方を始めよう!「パラレルキャリア」の実践方法

「パラレルキャリア」の実践入門のセミナーが開催されました。今すぐ実践できる内容と、実践している講師の方へのインタビューのレポートです。

パラレルキャリア…最近よく耳にする言葉ですが、実践している方のお話を聞く機会って意外とありません。「パラレルキャリアに興味はあるが、何から始めればいいか分からない。」そんな会社員を対象に、大阪市中央区にあるコワーキングスペースOBPアカデミアで開催された「実践!パラレルキャリアの始め方入門編セミナー」のレポートと、実際にパラレルキャリアを実践する崎山てつやさんへのインタビューを紹介します。

LifeShift Lab.(ライフシフトラボ) http://www.lifeshiftlab.com/
イベント情報FBページ https://www.facebook.com/LifeShiftLab/

京橋駅すぐの大阪ビジネスパークの中心にあるコワーキングスペース。「大人のためのサードプレイス」がコンセプトで、合計155坪の空間に約1300冊の蔵書を誇るライブラリー、カフェラウンジ、さらに4つの会議室を持っています。ドロップインで気軽なご利用が可能です。また、年間1,000回以上のイベントが開催されています。

 

住所 大阪市中央区城見2-1-61 ツイン21 MIDタワー9階
定休日 なし
営業時間 平日・土曜 7:00~22:50
日曜・祝日 9:00~18:00
URL OBPアカデミア

ライター

くらしと仕事 編集部
こちらの記事は「くらしと仕事 編集部」によって執筆・編集を行っております。記事の内容について修正・加筆を希望されるかたはお問い合わせよりご連絡ください。

ワークではなく、キャリア? パラレルキャリアとは何か。

働き方改革が進められる今、これからきっと増えていくパラレルキャリアという働き方。会社員の方にとっては「副業」の方が聞き覚えがあるかもしれませんが、パラレルキャリアとは、「パラレルワーク」「ダブルワーク」のように本業以外に別の仕事をすることだけに留まりません。もっと広く、地域で関わる活動やボランティアなどの非営利の社会的活動や、稼ぐことを目的としない、本業以外の活動も該当します。キャリア形成を複数実践していれば、「パラレルキャリア」と言えるとのこと。「仕事と子育てを両立することもパラレルキャリアですね。」と崎山さん。実際に、会社員として働きながら「パラレルキャリア」を継続させている崎山さんのセミナーは、今すぐパラレルキャリアを始められるよう構成された、会社員以外の方にも実践してもらいたい内容でした。

 

働き方改革、「副業解禁」、パラレルキャリアの潮流

始めに「人生100年時代」の元である『LIFE SHIFT』という本から、「これから(特に団塊ジュニア世代)は、マルチステージの人生モデルが必要。しかし、危機感を感じていない人が会社員には多い。」と崎山さんは言います。そして、会社員にこそ「ポートフォリオ・ワーカー(リスク分散)としてのパラレルキャリア」という生き方や「見えない資産(スキル・知識や人脈など)」が今後は必要になるとのこと。

 

崎山さん自身が「パラレルキャリア」をスタートしたのも、『Who Will Cry When You Die?』という本を読み、人生の最期のシーンを想像したことがきっかけでした。それから、定年後に向けてライフシフトを行っていくにあたり、職場や家族以外の人的ネットワークづくりのために読書会の開催を開始したそうです。

 

パラレルキャリアの潮流について、崎山さんはこういう見解をされています。「現在、少子高齢化、価値観の多様化といった不安定な状況の中で、著書LIFESHIFTのベストセラー化が示すように、人生や働き方に対する意識が個人の中で変化しつつあり、パラレルキャリアへの注目も高まっています。しかし、個人で悩んでも大きな流れにはならない。」崎山さんは、パラレルキャリアの波を加速に向けていくためにも、コミュニティ作り(交流会や読書会)を行っています。

 

また、もうひとつの潮流は、制度改定により、今年2018年が働き方改革の元年であるということ。これからは「パラレルキャリア」をしていることが、評価対象となったり、本業が芳しくない場合でもパラレルキャリアによって巻き返しの機会を得られる可能性があるとのお話でした。何より、働き方の価値観がシフトしていく流れにいる今、乗り遅れず、巻き込まれないためにも「パラレルキャリア」を実践していくことが必要に感じました。

パラレルキャリアをスタートする前に

セミナーでは、まず、「パラレルキャリアの一歩を踏み出す3ステップ」として、好きなことや、やりたいことを確認していきます。「場、ひと、情報」がキーワード。最初に「自己発見ワーク」として、好きなこと・やりたいこと、そして自分の提供出来るスキルで人にニーズがあるものについて、とにかくリストアップしていくワークでした。自分のことを自分で棚卸しする作業は、崎山さん曰く「好きなことは自分の幼少期に好きだったこと、原体験まで遡って書いて良いです。」。書き出して、グループ内で発言し合うと、他の参加者の方のお話から、「そういえば私も好きだった。」「あなたのこれ、すごいスキル!」と新たな発見ばかりでした。

 

まずは1年とにかく様々な場所へ行き、沢山の人と会う。そして、情報を集めれば、自分の中にパラレルキャリアを思い描くための情報が蓄積され、そこからヒラメキが生まれるとのこと。「起業」や「副業」であれば、プランを練るために考えて立ち止まってしまうことも多いですが、「行動しながら考える」ことが出来るのが「パラレルキャリア」。「自分がしたいことをする」ことが出来るから、悩まなくてもいいのです!

そして何より、好きなことを3つ以上掛け算すれば、自分に出来る「1,000,000分の1」が生み出せるということです。

次に「行動を具体化するワーク」では、先程のワークから、さらに具体的に4年後の自分を想像して、5W1Hを書き出していきます。好きなことをどんどん書き出すのに比べ、じっくり考えながら絞り出していく感覚でした。なかなか普段自分の内側のやりたいことを書き出す時間も機会も取ることがないので、新鮮で楽しいワークでした。やり始めると、「あれもしたい!これもしたい!」となるもので、こちらのワークでも他の参加者の方とお互いにフィードバックし合いました。家族でも友達でもない、その場に居合わせた「パラレルキャリア」を目指す方々だからこそ、自分の好きなこと・やりたいことを発信できることが分かりました。

 

最後の実践ワークとして、Facebookや2枚目の名刺を作成し、発信のためのツールを準備して、とにかく「やりたいことをどんどん発信する」ことが大切。崎山さん自身の経験から、特に会社員の方は、会社の名刺以外に自分の名刺を作ることがオススメとのことです。

 

パラレルキャリア 7つの心構え

セミナーの最後には、崎山さんが提唱する「パラレルキャリア7つの心構え」について教えて頂きました。

  • 好きな事をする
  • お金は考えない
  • 動きながら考える
  • 遠慮せずに言いふらす
  • 本業をおろそかにしない
  • 時間を無駄にしない
  • 無理しない

何より、「本業をおろそかにしないで無理せず、好きなことをする」ことがパラレルキャリアを継続するコツでもある、ということでした。

崎山さんにとっての「パラレルキャリア」これからのライフシフト

セミナー修了後、講師の崎山さんに「パラレルキャリア」について詳しくお聞きしました。

崎山さん:私の実家は和歌山県田辺市にあります。大阪と和歌山のパラレル生活が理想ですが、地方には情報や仕事が無いんです。大阪で働けるうちに、仕事を創り出せるスキルや人脈を作り、将来のUターンに備え、故郷に恩返しをしたい。親が所有する古民家を活用して仕事にしたいとも思っています。

現在のパラレルキャリアはその準備でもあります。セミナーの開催には、イベント企画や集客、そしてセミナーの進行まで自分が好きな作業が詰まっています。また、読書が好きなので読書会を開催したことが一番最初の集客で、パラレルキャリアのスタート地点です。元々取得していたリーディング・ファシリテーターという資格を活かして何ができるか考えて、2、3回やっていくうちに考えがまとまりました。他にも社内で読書会を開催し、そこに社外の人を呼ぶことで社外人脈作りの背中を押しています。

崎山さんが考える「パラレルキャリア」のメリットとデメリットとは?

パラレルキャリアのメリットとデメリットについて教えてください。

パラレルキャリアのメリットは、沢山あります。

 

  • 誰でも出来るし、変われる。
  • 自分のスキルに気づき、今の仕事が好きになる。
  • 視野や人脈が広がる。
  • 地域の活動や子どもの付き添いイベントへの参加が面倒でなくなる。
  • 好きなことをすることで、生き生きする。
  • 本業でチャレンジすることが出来るようになる。

 

逆にデメリットは、本当にありません。強いていうならば、自分を振り返り、好きな事を探す中で思うように見つからない場合、悩んで自信を無くしてしまうことです。その解決方法は、ひとりで悩まず誰かに話すことです。本業をおろそかにしないことが大前提なので、本業以外でキャリアを積み、それが自然と本業に還元されていきます。ただ単にキャリアを積むだけであれば、本業だけで問題ありません。しかし、パラレルキャリアをすることによって、視野が広がり、本業でのチャレンジにも抵抗がなくなりました。

 

会社員にとってのパラレルキャリアとは?

働き方改革により副業解禁が広まりつつあります。企業側は副業によるキャリア形成と本業へのフィードバックを期待する一方、働く側はお金儲けを強く意識しています。副業を解禁する企業と、副業をしたい社員。思惑が一致しているように見えますが、「副業」の目的にズレが生じています。副業解禁の流れを活かすためにも、お金だけではない「見えない資産」形成を意識して欲しいです。

 

また、本業や家庭が忙しくパラレルキャリアどころではない。という方も多いでしょう。本業に加えて時間を割くことに、家族の理解も必須です。働く=傍を楽にする。会社のため、家族のため、地域のために働くことも広義のパラレルキャリアであり、その活動が結果として自分の「見えない資産」になります。好きな事で他人の役に立つことから始めてみるといいです。パラレルキャリアを始めた当初は本業と副業という位置づけで区別していました。しかし、やっていくうちにボーダーレスになり、一緒になってきました。

 

さらに、仕事の中から好きなことが見つかるので、本業で感じていたストレスもなくなりました。今は「仕事」ではなく「志事」と呼んでいます。「志」を持ってしている事であれば、稼ぐことが重要ではなくなります。人の役に立つことを安請け合い出来るようになり、地域の活動やボランティア、そして家事も全て面倒なことではなくなりました。パラレルキャリアは、自分自身を知ること、そして人生を豊かにしてくれるものです。

取材後記

これからの働き方として注目される「パラレルキャリア」講師の?山さん曰く、デメリットがないこともパラレルキャリアのメリットとのこと。今後もパラレルキャリアを実行していく人が増えていくようにセミナーで発信し続けていくそうです。パラレルキャリアをする人が増えて、働き方改革の波が加速すれば、私たちも「くらしと仕事」の両立ではなく、「くらしと仕事」そのものがボーダーレスな状態になれるはずです。