【第4回】 ソフトバンク コマース&サービスの「ワークスタイル変革」 「地方とつながる、会社とつながる、未来に繋がる新しい働き方」

くらしから始まる働き方提案メディア「くらしと仕事」では、働き方に関する先進的な企業の取り組みを紹介していきます。

数々の新しい働き方制度を導入しているソフトバンクC&Sで、在宅勤務制度の推進プロジェクトを担当している島田かさねさん。普段は群馬県高崎市の自宅から新幹線で通勤、自らも在宅勤務制度を利用しているそうです。

第4回では、制度の実践者であり、推進する立場でもある島田さんに、それぞれの視点から見えてきたことを伺いました。

ライター

鈴木 せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

結婚を機に高崎へUターン 新幹線通勤に在宅制度がゆとりをもたらす。

島田さんは普段、群馬県高崎市の自宅から新幹線で通勤、自らも在宅勤務制度を利用しているそうです。数々の新しい働き方制度を導入しているソフトバンクC&Sで、在宅勤務制度の推進プロジェクトを担当されています。

島田さんが高崎に移住されたきっかけは?

島田かさねさん(以下、島田):高崎に移ったのは2014年の春で、結婚がきっかけでした。元々高崎は私の地元で、ちょうどその頃新築マンションの建設ラッシュがあって。高崎に住居を構えると新幹線で通勤することになりますけど、子供が生まれた場合、親の援助が受けられるほうが良いだろうと夫が勧めてくれたので決めました。私の場合、父も高崎から東京へ新幹線通勤をしていたので、あまり抵抗がありませんでした。新幹線は終電も23時台まであり、それほど不便は感じていません。それに、社内で他にも千葉や小田原ですとか、遠方に住んでいるという人はいます。

通勤の所要時間はどのぐらいですか?

島田:通勤にかかる所要時間は片道1時間40分ですが、私が保育園の送り迎えをしているので、ドアtoドアでは2時間かかっています。

高崎に移られたメリットは?

島田:やはり高崎にいると自然が豊かですし、広い公園もたくさんある。人が多すぎないので、東京に比べると、ゆったり暮らすことができています。休日は家族で外へ出かけて遊ぶことが多いですね。

いつから在宅勤務を利用していらっしゃいますか?

島田:第一子出産後に復帰した2015年10月からです。その時は週1回の在宅勤務利用でした。第二子出産後に復帰して半年後からは、週2回のペースで利用を継続しています。第一子出産後、復職先の課長から「トライアルをしてみよう」との一言が在宅勤務制度利用のきっかけでした。第二子出産後から現在の課に配属になり、制度を推進している立場から「率先して利用していこう」ということで在宅勤務を週2回に増やしました。同じ課の中でも在宅を利用している人はいますね。

制度が導入された頃、世間的にも「テレワーク」の走りはじめだったんです。当社では、まずは育児・介護の必要がある人を対象に、トライアルから開始しました。今後さらに全社員を対象に展開していく方針なのですが、中には新しい働き方のスタイルに抵抗がある人もいます。在宅勤務に適した業務から、順次進めている状況ですね。

子育てをしながら効率的に業務をこなす日々。 「今日もおうちで仕事して」と子どもから言われることも。

在宅勤務には、具体的にどんな業務を行っていますか?

島田:1人で集中して仕事に取り組むことができるので、資料作成や企画などが多いです。私の担当する業務では人と人との調整であったり、会議など、出社時にしかできない内容のものもあるので、仕事の切り分けをしていますね。また、私は出社時は9時45分~16時までの時短勤務で働いているのですが、在宅の日は9時30分~17時まで時間を延長して働くことができます。業務を回す上でも、在宅勤務によるメリットが生まれています。

在宅勤務を実践して感じるメリットには、どんなことがありますか?

島田:やはり通勤による疲労感がないのは大きいですね。家事もできますし。子どもたちにとっても、良かったことがあって。通常勤務の日は、朝早めに子どもたちに起きてもらっているんですけど、在宅だと比較的ゆっくりすることができるので、朝、子供達とのコミュニケーションが普段より取れます。

我が家の場合どうしても通勤に時間がかかる、それは子どもを保育園に預けている時間が長いということでもあります。子どもたちのストレスが軽減されているようですし、在宅後に病院や園の行事にも行くことができて、メリットが多いですね。「今日もおうちで仕事して」と子どもから言われることも。

ご夫婦で家事育児の分担は特にしていない?

島田:我が家の場合は、いわゆるワンオペ育児です(苦笑)私の方は時短勤務で働いているので。現在1歳の下の子が小学6年生になるまで時短勤務が使えるので、すごく助かっています。それから、高崎に移り住んだおかげで私の実家が近いので、子どもが病気になった時は親に助けてもらえる点も良かったです。

今後も在宅利用を続けたいと思いますか?

島田:週2回の現在のペースで続けたい考えです。週4回でもいいぐらい……ただ、私の場合は人と人を調整する仕事があるので、そこまで増やすのはちょっと難しい。会って、会話をすることで生まれる仕事もありますから。

個人として家庭と仕事を考えたとき、ワークライフバランスの比重は?

島田:もちろん自分の仕事には真剣に取り組んでいますが、気持ちとしては子どもを中心に考えたい思いも。子どもたちはまだ1歳と3歳なので、今しかない親子のふれあいを大切にしたい。きっと小学校に上がるようになれば、子どもはお友だち中心の生活になりますよね。

今後は、さらに在宅勤務を広めていくための制度の立て直しが課題に。 社内制度の整備や導入ツールを検討中。

在宅勤務制度の導入によって、職場としてどのような影響がありましたか?

島田:効率的に働けるようになった、時間が有効活用できる、通勤の負担が減ったというような声が挙がっています。

その一方で、例えばお客さま対応のための電話などは、在宅時にはできません。そういった担当業務の内容によって制度が利用できなかったり、育児・介護の人を中心に利用を進めていたりすることから、不公平感が出てきています。導入したからこその問題が出てきているんですね。ですから利用を全社的に拡大していけるよう、制度の立て直しをしているところです。

現状在宅勤務で対応できない受電業務に関しては、何か便利なツールを活用することで解決できないか検討しています。制度の導入は部署ごとの判断に左右されている部分もあります。そのため、「どうせ在宅勤務は使えないだろう」とあきらめてしまって、実はやりたいと思っている人がやれなくなっている可能性も。誰がどのように在宅勤務をするか、実施の条件を明確にして対象者を拡大しようとしています。もちろん現在もルールはあるのですが、うやむやになりがちなので。

また、導入のハードルになっている要因のひとつに、在宅勤務時のマネージメントの問題があります。それに関しても、良いツールの導入を検討している最中です。また、リモートであってもマネージメントができるよう、「管理側のマネージメントスキルを上げる」といったことも別の取り組みとして進められています。

在宅推進プロジェクトメンバーとして、在宅勤務を実践し、 社員一人一人の「仕事が楽しく」なる職場作りを目指して。

今後在宅を広げていきたい考えでしょうか?他にも進めていきたいと検討している制度はありますか?

島田:広げていきたいですね。行く行くは在宅制度に限らず、社員一人一人の「仕事が楽しく」なるよう仕掛けたいと思っています。まずは、この在宅制度をどうやって広げていくか。在宅の利用によって、効率化で浮いた時間を自己啓発などに使ってもらえたらと思います。

また、最近では地震や台風など天災時のBCP(Business continuity planning)の観点からも、社員全員が在宅勤務を行うことのできる環境整備が求められています。それはまた別の取り組みとして、進められています。

在宅制度を推進する中で、強く印象に残っているのが「世間一般で流行っているからやるのではなく、在宅勤務の導入が社にとって本当にメリットになるのか見極めてほしい」という社長の言葉。その言葉をいつも念頭に置いて、制度が社員みんなのためになるよう業務に取り組んでいます。

取材後記

在宅勤務を実践したからこそ見えてきたことを活かして。
在宅制度を利用するママとしての顔、社員が楽しく働けるよう真摯に制度づくりを進める社員としての顔。どちらに関しても、島田さんの実感のこもったお話をうかがうことができました。在宅制度の実践で助けられている方々の声を追い風に、自身の経験を今度は会社全体へ広めたい、そして在宅勤務制度が組織全体に制度が浸透する日も遠くないように思いました。