
意外と女性向き? 17歳女子インターン生が考えるITエンジニアとしての将来像
学校の長期休みを利用して企業でインターンをしている山下紗苗さん(国立明石工業高等専門学校3年)と、山下さんがインターンをする株式会社spice lifeのCTO五十嵐邦明さんにインタビューをしました。
就職活動というと、リクルートスーツを着て就活イベントを回って……、というイメージが強いですが、最近ではインターンをする大学生が増えているようです。今回インタビューしたのは、大学生よりさらに年下! 17歳のインターン生、山下紗苗さん(国立明石工業高等専門学校3年)。10代の女の子が、企業で社会人に混ざって仕事をしているワケは?山下さんがインターンをする株式会社spice lifeのCTO五十嵐邦明さんとインターン生の山下さん、おふたりからお話を伺いました。
目次
インタビュアー(ライター)
10代のインターン生が戦力に!
17歳で企業でインターンをしているなんて、びっくりです。spice lifeさんでのインターンの期間、内容は?
山下さん(以下、山下) :春休みを利用しているので、期間は3月初めから4月の初めまで、平日は毎日来ています。内容はTMIX(ティーミックス)というオリジナルTシャツを作れるサイトの開発です。
五十嵐さん(以下、五十嵐) :山下さんはすごく優秀なので、インターンというよりバイトで来てもらっている感じです。実際にプロダクトコードを書いてもらい、ちゃんとバイト代もお支払いしています。僕らの仕事の中で、山下さんができることを課題、タスクとしてやってもらっていて、実際に山下さんのプログラムが、すでTMIX上で動いているんですよ。かなり戦力になってくれています。
ITエンジニアの仕事をしているんですね。これが初めてのインターンですか?
山下 :去年も東京の他の会社で、同じようなことをさせていただいていました。今よりも少人数の会社で、そこでもインターンというよりはバイトと同じ働き方でした。
学校は高専ということですが、どんな学校なんですか?
山下 :明石高専の電気情報工学科で、電気のことも勉強しながらプログラムを作ったりしています。
同級生でインターンをしている人はいるんですか? 将来のこととか、話します?
山下 :みんなバイトや部活をしていて、インターンしているのは私だけですね。高専からは大学に編入ができるので、将来のことは編入してから考えようという人が多いです。
インターンの目的は、経験値を積むこと
山下さんと、spice lifeの五十嵐CTO
山下さんはどうしてインターンをするようになったんですか?
山下 :学校のサークル「Code for KOSEN」の先輩も同じようにインターンの経験をされていて、「基礎はだいたい教えたから、山下さんもインターンで外で学んでおいで」と。それで応募したら採用してもらえたんです。今回は勉強会で五十嵐さんと知り合って、お声掛けいただきました。業務では1人でやっていたら絶対ぶつからないような難しい課題も多く、とても勉強になります。
インターンのために東京まで来ているんですね。
山下 :はい。友達のうちに泊めてもらってます。東京は関西よりも会社も多いですし、サービスを作っている人に会えて、実際にその人たちの身近で一緒に働けるというのは魅力ですね。
去年と今年で、別の会社を選んだのは何か理由が?
山下 :同じ会社で働くのもいいのですが、まだ若いので色んな会社を見てみるのも許されるだろうなという気持ちもあって、「渡り鳥」をさせてもらっています。
卒業まであと3年ありますが、今インターンをやっているのは、就職を意識してのことなのでしょうか?
山下 :うーん、就職のことは、まだそんなに考えてないですね。サービスを作っている会社をいろいろ見てみたいということと、やっぱりサークルや一人でやっているのでは得られない経験をしてスキルを上げたいな、と思って。
五十嵐 :山下さんは、最新の経験値稼ぎの方法を知ってるんですね(笑)企業としては、インターンで来てもらうことで、早い時期に優秀な人とつながりを作っておけるというメリットがあります。うちは高専出身の社員が多いので、そのつながりで高専生がインターンに来ることも多いんですよ。
インターンをしてみて、戸惑ったこととか、新たに学んだことはありましたか?
山下 :開発の流れとかはサークルでやっていたのと基本は同じだったので、それほど困らなかったです。でも、ここでは一緒に開発する人数が多いので、誰がどんなことをやっているのか、それを把握するのが大変ですね。
五十嵐: ITの開発の場合は業界標準みたいなものがあるので、他の業界よりは分かりやすいのかもしれません。でもスムーズに進められているのは、山下さんの理解力が高いからということもあると思いますよ。
技術的なこと以外で学んだことはありますか?
山下 :さっきも皆さんとお昼をご一緒したんですけど、エンジニアさんと、カスタマーサポートなどの他の部門の方との間に壁がなくて、みんなでサービスを運営しているんだな、と思いました。皆で集まって振り返りをしたりする雰囲気がいいですね。
将来の就職については、インターンをしたことで何か考えが変わったりしましたか?
山下 :大学生がリクルートスーツを着て何百社も回って……、というのを見ていて、就職活動ってそういうものだと思っていたんですけど、インターンをしてみると皆さんフランクに受け入れてくださって。案外敷居はそんなに高くないなと思いました。
在宅勤務も可能なITエンジニアなら、ずっと働いていけそう
そもそもどうして高専に入ろうと思ったんですか?
山下 :子どもの頃、うちにはパソコンがなかったんですけど、友達のお家には当たり前にあるのが羨ましくて。
なので我が家にパソコンが来た時にすごく嬉しくかったんです。もっと使えるようになりたいと思ったし、どうせ使うならパソコンに遊ばれるんじゃなくて遊べるようになりたい、それでプログラミングを勉強したいと思ったんです。入学してみて、思ったよりプログラムを作る授業は少ないですが、その分イベントに出たりして、学校以外の場所でも勉強できると知りました。イベントでは社会人の方が多いので、そういう方と知り合う機会も増えました。
ITエンジニアって、今は男性の方が圧倒的に多いですよね。高専も男子が多いイメージです。
山下 :私のクラスは40人中35人が男子です。ITエンジニアも9割が男性ですけど、女性にも関心をもってもらえたらいいですね。この業界だとリモートワーク(在宅勤務・テレワーク)で出社しなくても仕事ができるから、そういう点では結婚して子どもができたりしても働き続けたい女性にも向いているんじゃないでしょうか。
リモートだったら海外の仕事なんかもできますよね。
山下 :はい。英語の勉強もしています。
五十嵐 :英語は勉強しておいたほうがいいですよ。私の友人もアメリカの会社で働いていますが、向こうだと給料は倍になります。アメリカの企業がリモートで働く他国の優秀な人を雇うということも増えてきているし、そういうところを狙っていけたら可能性が拡がりますね。
長期休暇中のインターンはこれからもやっていきたいですか?
山下 :はい。今回は管理画面のデザイン部分のお手伝いもさせてもらって楽しかったので、今後はデザインの仕事も経験してみたいです。
五十嵐 :山下さんは、もう少し頑張ればフリーランスで仕事することもできますよ。学生でも、優秀なら月に40~60万、それ以上も稼げたりして、プログラミングのスキルがあれば色んな働き方できるんです。ここでの経験も売りになりますしね。
将来就職するとしたらどんな会社がいいですか?
山下 :spice lifeさんみたいにリモートワークをしているところはいいですね。住む場所を選ばすに仕事ができるのはありがたいです。