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新しい働き方を支援するプラットフォーム「Teamlancer (チームランサー)」のリニューアルを記念して行われたイベント「フリーランスやパラレルワーカーは “個人の時代” から “チームの時代”へ。チームランサーMeetup Vol.1」では、パラレルワークやフリーランスに大切なスキルや、フリーランス同士がチームを組むという、新しい働き方について語られました。

パラレルワークを行うゲスト2人からパラレルワークに至るまでの経緯や、フリーランスに大切なことなどが語られた前半に続き、後半では、パラレルワークやフリーランスとして「個」で活動するかたわら、実際にチームを組んで仕事をこなす3人のゲストによるライトニングトークが行われました。チームで必要とされるフリーランスは、どんなスキルを持っているのか、また、チームで働くことのメリットなどが語られました。

 

 

フリーランス同士が最強のチームを組むために大切なこととは(黒田悠介さん)

黒田 悠介さん(フリーランス研究家、ディスカッションパートナー)

「フリーランスを実験し、世に活かす」という活動ビジョンのもと自分自身を実験台にしているフリーランス研究家。帽子とメガネがトレードマーク。東京大学→ベンチャー社員×2→起業→キャリアカウンセラー→フリーランスというキャリア。経営者のディスカッションパートナーを生業とし、新規事業の立ち上げを支援。

最初の登壇者は、経営者のディスカッションパートナーとして、新規事業の立ち上げのための支援を行っている黒田悠介さん。現在は、年間で35社ほどの顧問やアドバイザーをしており、2017年2月にはFreelanceNowというフリーランスの互助組織を立ち上げ、現在では約1200人が所属しているそうです。

「私は、『Re:think Consulting』というチームを作っています。企業内の個人が何か新しいことを始めようとしても、業界が長ければ長いほど、常識や思考の枠にとらわれがちです。『Re:think Consulting』は、その枠を外してあげて、気づきにくいチャンスを発見することが仕事です。例えば、家電にAIを利用することで、どんな可能性があるのかを提案したり、業界の未来像から逆算した現在の打ち手を提案したりしています。依頼された企業から、『それは思いつきませんでした』と言われるのが一番嬉しい瞬間ですね。枠を外せた証ですから」

現在、多数のフリーランスが所属する互助組織「FreelanceNow」を立ち上げた黒田さんからは、「フリーランス同士でチームを組む時には、どんなチームが理想的なのか」について語られました。

「いつも一緒にいるのではなく、普段はそれぞれが強みを活かした仕事をしていて、何かのプロジェクトで集まった時に、ものすごい力を発揮するチームが理想的です。こうしたチームは、ひとつの目的について、全員が違う視点で同じ方向を見ることができるし、それぞれの弱みをカバーし合える関係でいられます」

「カバーし合う」というのは、人脈やスキルのことだそうです。

「私は、1対1のディスカッションは得意ですが、大勢に対してたくさんのアイデアを出しながら、全員の納得感を得るようなプレゼンテーションが苦手です。こういった案件については、チーム内の得意な人へ仕事を依頼します。自分では心もとない仕事を引き受けた時に、誰かと協力して仕事ができるのは、チームならではのこと。もちろん、私だけではなく、それぞれが仕事を受けて、それらをパスし合うことができる関係です」

さらに、「こうした人脈の補い合いをすることで、仕事もリンクする」と黒田さん。

「以前、とある企業と仕事をしていた時に、別件での仕事を依頼されたことがあるんです。私は専門外のものだったので、その分野に強い人物を紹介したところ、その人物が大風呂敷を広げて私を巻き込む組織にしてくれました。これは私だけでは決して取れなかったケースです」

また、こうした補い合いができるチーム作りには、いくつか必要なポイントがあるそうです。

「まずは自分の得意不得意をしっかり把握すること。そして、一緒に仕事をする人の得意不得意も把握することが必要です。私は現在、約1,200人のフリーランスをまとめる立場にいますが、できるだけそれぞれの得意不得意や意志を把握するようにしています。さらに、チーム全体でこれらを共有することが大切ですね。今後は、この補助組織が、仕事と仲間をつなげる拠り所になるようにしていきたいと考えています」

 

チームで取り組んだ方が面白い複業もある。チームで取り組むさまざまなメリット(三原菜央さん)

三原 菜央さん(先生の学校 代表)

大学卒業後、全国に専門学校や通信制高校を運営する学校法人に就職。専門学校の教員として8年間勤務した後、不動産の広報PRを経て、Webのプロモーションを行うベンチャー企業に転職。主に営業とオウンドメディアの立ち上げに従事。その後、学校広報やオウンドメディアの経験を活かして大手事業会社の社外広報に。本業に留まらず、「先生の学校」の開催や業務委託で広報PRを担うなど、複業家として幅広く活動中。

2人目の登壇者は、広報PRとして働きながら、先生に新しい視点を届けるというコンセプトで運営する「先生の学校」の主催者としても活動する複業家の三原菜央さん。

彼女は「先生の学校」の運営をチームで行っているそうですが、始めたきっかけは、専門学校の教員をしていた経験からだったそうです。

「『先生』と呼ばれる人たちは、多くの方が新卒からすぐに教員として働き始めるので、社会とつながる機会がとても少なく視野が狭くなりがちであると感じていました。そして、私だけではなく、他の先生方も、世の中の目まぐるしい変化に対して、知らないことが増えていくことに課題を感じていたんです。こうした課題を感じる先生たちへ、世の中で話題になっていること、大切にされている知見を届け、先生だけでなく、その先にいる子どもたちの人生も、より豊かにしていきたいというのが『先生の学校』の理念です」

本業以外の仕事を始めたいと思った時に、思い出したのがこの課題だったそうです。そして、「これがパラレルワークの第一歩となった」と言います。

「『先生の学校』は、クラウドファンディングやアドラー心理学、フィンランド教育など、さまざまな分野からテーマを決め、設定したテーマに詳しいゲストを迎えて月に一回イベントを開催しています。運営メンバーは、教員時代の同僚や教え子、活動に興味を持ってくれた方など約10名です。先生だけでの運営だと視野が狭くなるという懸念から、まったく異なる分野で働かれている方にもメンバーとして参加してもらっています」

チームを組んで運営するにあたって、大切にしていることは「情景の共有」だそうです。

「私たちの理念も大切ですが、それ以上に大切にしていることは『情景の共有』です。月に一回のペースでイベントを開催をしていますが、その一回一回が参加者にとって心地の良い場であること、学びが多かったイベントだったと思ってもらえることが一番大切です。そのためにも、イベント前に必ず『参加者にとってどんなイベントだったら満足度が高いイベントだったと言えるのか』をそれぞれ考えてもらうようにしています。例えば『イベント後に隣同士になった参加者が楽しそうに話をしているといいな』など、理念ではなく情景で共有することを意識しています。私自身は、チームで働くことがあまり得意ではないのですが、チームを組むことのメリットを非常に感じています」

それは、他の複業にも活かされているそうです。

「広報PRの業務委託も複業でやっているのですが、依頼された案件の中には、一人でやるよりも複数人でやった方が価値があったり、面白い案件もあります。先日もそういったケースがあったので、勇気をふりしぼりSNSで呼びかけてみました。すると8名くらいの方からご連絡をいただき、最終的には私含め6名で活動することになったのですが、アイデアは人数分増えるし、人脈も人数分増える、実現スピードも速くなるし、喜びも分かち合うことができることを実感しました」

一方で、チームで働くために気をつけていることもあると言います。

「それぞれがアイデアや意見を出し合った時、結果が妥協案にならないように気をつけています。自分と相手のアイデアや意見が混じり合ってイノベーションが起こる、まったく新しい第三案をつくりだすことを理想としています」

 

複業が目的になってはいけない。フリーランスで働く意義とは(奥岡権人さん)

奥岡 権人さん(株式会社HARES 編集長)

平成生まれのライター、編集者。新卒メディアでの企画を経て、二兎を追って、二兎を得られる世界をつくるメディア『HARES.JP』編集長。その他、HR NOTE、UNLEASH、Co-mediaで執筆。採用、就職活動、複業、カレー、アイドルなど幅広いテーマに関心を持つ。

最後の登壇者は、ライターとして活躍するかたわら、株式会社HARES編集長も務める奥岡権人さんです。24才という若い視点から捉えた複業やフリーランスについて語られました。

「現在は、新卒で会社へ入社していても、すでに複業を考えているという人は多い」という奥岡さん。「スキルを会社で積み上げながら、自己実現のための活動をそれ以外の場に求めるというスタイルが増えている」と言います。

そんな奥岡さんが株式会社HERESへ入社したきっかけは、創業者の西村創一郎さんのブログとの出会いだったそうです。

「『ボランティアでも何でもいいので働かせてください』と直談判しました。まさに、第一部の対談で語られた『ギブ精神』ですね」

株式会社HARESで編集長をしている奥岡さんが複業について感じることは、「複業やフリーランスが目的になってはいけない」ということだそうです。

「複業やフリーランスを目的にしてしまうと、お金を稼ぐことに重きを置いてしまいがちです。私が思う複業家やフリーランスは、稼ぐことが重要なのではなく、2つの仕事をしたほうが自分のため、ひいては世の中のためになるという考え方であってほしいんです」

こうした「何かを広めるための手段」として複業を考える人たちをつなげるため、株式会社HARESではオンラインサロンの運営もしているそうです。

「編集部は、複業家とフリーランス、学生など約10名で活動をしているのですが、本業を別に持っている人を積極的にメンバーへ採用しています。それは、本気でやりたいと思っている素人のほうが、お金を稼ぎたいと思っている玄人よりも、いい企画を出してくれるからなんです。複業家は他に稼ぐ場所があるので、『お金を稼ぐ」よりも『やりたい」が起点になって働いてくれます」

これからも、本業を持ったフリーランスとどんどん仕事をしていきたいと語る奥岡さんは、「Teamlancer」がとても有効な手段であると言います。

「複業家というフリーランスが集まったチームは、流動的で名前がないものです。会社でもなければNPOでもありません。こうした曖昧なものを形づけてくれるのが、『Teamlancer』なのではないでしょうか。『やりたい』を起点としたプラットフォームだからこそ、今後も利用していきたいと思っています」

 

「新しい働き方」はこれからもどんどん増えていく

「働き方改革」により、一般的になりつつある複業という働き方は、「本業とは別にもうひとつの仕事を持つ」という意味にとどまらず、その内容は、どんどん発展をしているようです。

私たちの今ある仕事の中にも、もしかしたら、新しい可能性が眠っているのかもしれません。