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「MOMOE」 稲垣晴代さん

『MOMOE』は、自然栽培・有機栽培の食材にこだわり、味・色・香りを楽しめるフード・ケータリングユニット。撮影現場へのケータリングも多く、モデルさんにも大人気です。

『MOMOE』の主宰であり、夫と7歳の娘をもち、主婦業もされている稲垣晴代さん。飲食店勤務、カフェ料理長を経てからの『MOMOE』設立の経緯と、主婦業、育児との両立のコツ、今後やりたいことについてお聞きしました。

ケータリング業の経営と子育てに邁進する毎日

ケータリングの仕事の様子を教えてください

「MOMOE」ケータリング

業務時間は基本は日曜日以外の8時から19時までで、配達の時間帯は9時から19時まで。主にお昼の配達が多いですね。私は子どもがいて、18時には上がるので夜の配達はスタッフに任せています。1年ほどは一人でやっていたのですが、注文が増えてきたので、今はわたしと3人のスタッフで回しています。

仕入れ、スケジュール調整や発注は私がやっています。今後はそこもスタッフに任せていきたいですね。

『MOMOE』のこだわりとは?

味だけでなく、からだにも美味しいご飯をつくるので、そこを意識してもらえるよう、安全な食材や調味料を選んでいます。あとは木箱を開けた時に「わぁ!」と感動してもらえるよう、彩りと料理の香りからも感動を与えられたらと思っています。

子どもができたことと、震災のことがきっかけで、安全なものをより意識するようになりました。

家族のことを教えてください

サラリーマンの夫と、春から小学2年生になる娘との3人家族です。

娘は今学童に行っていますね。たまに早く迎えに行ける時は行っています。

公文(くもん)にも行っているので、その時は仕事を早めに上がって送り迎えもしています。保育園の時は、娘を早めにピックアップして車で一緒に配達をしていました。なので娘は私の仕事のことはよく分かっていますね。

夫は平日は残業も多いので、夜はわたしと娘の二人の時間が多いです。土日はお休みなので、私が仕事をしている土曜は、夫と娘が二人の時間を過ごしています。

レストランのシェフ、カフェ店長からケータリングで独立の道へ

ケータリングで独立の道へ

最初に飲食店で働きだしたのは、いずれ独立したいと思っていたのですか?

はい、自分でカフェがやりたいという思いで飲食店に入りました。でもここでの仕事をやりきったと感じたときに、「カフェはやりたくないな」と思ったんですね。

お店でお客さんをずっと待っているのが、もどかしくて辛かったんです。お客さんが来ても来なくてもお店は開けておかないといけないのが無駄だなと思って。だったらオーダーを取って入った時だけ作って持って行く方が楽しいじゃないですか。

ずっと同じ場所にいるのが苦痛になってきたので、ケータリングにシフトしてきました。

結婚して妊娠された時、専業主婦になろうとは思わなかったですか?

お弁当

その時はもう前職でケータリングを始めていて、かなり軌道に乗っていたし、ずっと働いていたいので専業主婦になろうとは思わなかったです。

妊娠中も、7ヶ月までバイクで配達していました。今考えたら恐ろしいですね(笑)

産休育休を取っている間に、そのお店がケータリングの他に食堂も始めていて、復帰後は両方こなしていました。でも体力的にきつかったのと、あらためて食堂よりもケータリングが好きだとハッキリしたんです。

子どもが生まれてからの変化と家族の協力

家族の協力

お子さんが生まれてから、仕事のやり方に変化はありましたか?

お店で働いている時は、最低人数で回しているので子どもが熱を出してもお店を抜けられないのが大変でした。夫のお母さんに連絡してお迎えをお願いした時もありましたが、なんとか抜けさせてもらい私がお迎えに行くことが多かったですね。

パパや両親の協力がないと、難しいですよね。病時保育などは空きが全然なかったり。

だから働き方を変えようと思ったんです。

『MOMOE』を始めるきっかけは? 当初の苦労はありましたか?

独立して自宅でケータリングの仕事を始めたのですが、注文が増えてきて手狭になってきたのと、ちゃんと許可があるところで安心できるものをお客さまに提供したいと思って、アトリエを構えました。

始めた時から友達も進んで宣伝してくれて、営業面での苦労はなかったです。経営面でも、店長とシェフの経験からお店の回し方も分かっていたので、原価や利益のバランスを常に考えるアタマになっていました。

「五感で楽しむ」というコンセプトは最初から決めていて、そこはずっと変わりないですね。

家事育児と仕事を両立していて、大変だなと思うことはありますか?

最初はもどかしかったですね。1人だったらもっといろいろできるのにと。

でも今は、家族がいるからこそこの仕事ができてると思っています。

アトリエを構えた時、ちょうど夫の仕事も営業から企画に変わり、時間に余裕ができたんです。その頃から、夫が自分のお弁当を作ったり、家事もさらにしてくれるようになりました。

子どもに関しては、子どものメンタルをどう保つのかが大変ですね。朝ママがいなくてぐずったり、私が早朝から起きると一緒に起きてしまい、夜は疲れて寝てしまい宿題ができなかったり。でも最近は慣れてきて、宿題をやる時間を決めるようにしたらちゃんとやっていますね。 学童のない学年になったら、放課後は娘が職場に来てもいいなと思っています。

自分で仕事をしている方が色んな調整が出来るので、大変だと思うことは少なくなりました。子どもの体調が悪い時は注文を減らすとか、すべて自分でコントロールできますから。今は自分の責任の範囲で仕事を受け、無理はしないです。

稲垣さんが思う、料理の仕事と子どものこと

料理の仕事と子どものこと

フードコーディネーターなど、料理の仕事をしたい女性は多いようですが、アドバイスはありますか?

仕事の種類にもよると思いますが、フードコーデコーディネーターはいっぱいやらないと食べていくのは大変だと思います。コネクションがあれば仕事はいっぱい取れるとは思います。事務所に所属してやっていく方も多いですね。

好きなフードコーディネーターさんのアシスタントになるのはいいと思いますよ。一番近くで仕事が見られますからね。

お店を始めるとなると、原価の計算とか料理以外の仕事も出てきます。

でもお金の動きは単純だし、主婦の方なら家計簿をつけているから、利益などのバランスもわかりやすいかもしれません。

子どもがいても仕事をしたい女性へのアドバイスはありますか?

うーん……。子どもを連れていける環境をつくることですかね。料理だったら背負ってもできるし、それを見ても何とも思わない人たちと仕事ができたらいいですね。

料理教室だったら、子どもを背負っているくらいの方が安心感があるかもしれないですね。

保育士さんが見てくれる場を作って、自分の子も生徒さんの子どもも見てもらいながらレッスンとかもいいですね。

今は赤ちゃん背負ってセミナーをする講師の方も増えてきているみたいですね。

そうですね! 連載をしている『saita』 の撮影の時は、編集さんやヘアメイクさんも子どもを連れてきていますし。子どもたちでワーワーやっていますね。

働くママたちが集まれば、自然とそういう環境になってくるんでしょうね。

これからの『MOMOE』

これからの「MOMOE」

今後『MOMOE』でやっていきたいことは?

ケータリング以外にも、お客さんが自分で作るというのもやってみたくて。自炊をする人が増えたら、食に対する意識も高くなると思うし、作る楽しみを広げたいなと。

レシピ本もまた作りたいですね。

生産者さんを紹介してレシピとセットで販売したり、色々とやりたいことはあります。すでに、オリジナルのグラノーラの通販は始めています。

軸はブラさずに、自分の人生に働き方を合わせていく

「料理は生きがいだ!」と仰る稲垣さんの中のゆるぎない軸。

そして自分の人生の変化と共に、その働き方をシフトしていった柔軟さと行動力は、働く女性のお手本になりそうですね。『MOMOE』を通して自分の世界を表現する今後の稲垣さんの活動が、楽しみでなりません。

稲垣晴代(『MOMOE』主宰・料理人)

調理師学校卒業後、飲食店勤務、カフェ料理長を経て、フード・ケータリングユニット『MOMOE』を結成。化学調味料を使わず無農薬野菜を使った彩り鮮やかなお弁当が、人気を集めている。『常備菜のっけ弁当』(宝島社)『サラダみたいに作る、楽しむピクルス&マリネ』(グラフィック社)

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