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前回に引き続き、島根で子育てママ向けキャリアカウンセリングや地元企業応援事業を行っている株式会社Cocoro Ribbonの取り組みを紹介します。

今回は、Cocoro Ribbonが定期的に開催している子育てママ向けのキャリアセミナー「らしさ見つけ塾」についてお話を伺いました。毎回すぐに定員になるという人気のセミナー「らしさ見つけ塾」とは、どんなものなのでしょうか。そして、Cocoro Ribbonの目指すところは?

Cocoro Ribbonのキャリアカウンセリング「らしさ見つけ塾」とは?

-「らしさ見つけ塾」の話を詳しくお聞きしたいのですが、個人の方にキャリアカウンセリングをした後、お仕事紹介まで行うのでしょうか?


大川 真美さん(以下、大川):「らしさ見つけ塾」の目標は、必ずしもお母さんたちが仕事を見つけて働くことではないんです。ハローワークの相談だと、働くことが前提ですよね。でも、お母さんたちの話を聞くと、本当はただ不安で「働かなくちゃいけないんだろうか」と焦りがあって。その焦りで働き出すと、何か違うなと感じて、「やっぱり私には働くことは無理なんだ」と余計遠のいてしまう。私は、少しずつで良いからお母さんたちに自信をつけてほしいんです。


それというのも、私の保育士のキャリアに起因していて。
私は1歳児の担任で、お母さんたちに面接をする係だったんです。これから復帰します、久しぶりに仕事を始めますというお母さんたちがすごく不安そうで。子どもが1歳になったら働いた方がいいんでしょう?という風潮に動かされていたんだと思います。

だからみんな暗い顔をしている。そういうお母さんをずっと見てきたので、働くことを急がせるのではなく、自分にとっての優先順位が何なのか、自分は今納得して専業主婦なんだ、いや自分はやっぱりお金を稼ぎたいから子どもを預けて働きたい、何を選んでも良いからそれぞれ自分で納得しないとうまくいかないと思うんです。本当にあの時のお母さんたちの顔が忘れられなくて。


ですから、まだ迷っているお母さんのためにステップを作りたい。「らしさ見つけ塾」をきっかけに、自分はこうしたいんだ、というものを見つけてほしい。結果をすぐに求めませんね。

お母さんを元気にしたら、いつか子どもたちへ。Cocoro Ribbonの目指すところ

-企業向けのサービスも提供されていますか?


大川:企業向けサービスとしては、業務改善のコンサルティングを行っています。企業の業務を見える化することによって、時給単価の高い正社員の方がしなくても良いような仕事を外注しませんか?というご提案をしています。単純なスキャン作業や入力、宛名書き、そういうことに正社員の方が時間を取られているんですよね。


あとは、営業代行サービスも提供しています。例えば、住宅メーカーさんが集客に困っているとします。お母さんたちはどういう媒体を見て、どんなことしたらイベントに来てくれるのか分からない。ママモニターがSNSで発信をしたり、フライヤーをCocoro Ribbonのサポーターさんにメールでお送りすることによって、集客の問題が解決されるんです。そうすれば営業さんも、苦手な集客は代行に任せて、成約までの業務を頑張ることができますよね。



-合理的ですね。Cocoro Ribbonとして、中長期的に目指しているところはありますか?


大川:今はお母さんのみ向け対象で開催していますが、将来的には子どもの「らしさ見つけ塾」みたいな、子どもたちの居場所を作りたいなと思っています。何で学校に行かないといけないんだろう、何で勉強しないといけないんだろうって疑問に思うのはすごく良いことで。でも今は、学校しか行くところがありませんよね。子どもが自分で勉強したり、やりたいことを見つけられる環境作りをしたいです。


どうして今、お母さんと企業向けにコンサルティングをしているかと言うと、まずは子どもたちに影響を与える大人が、元気がないと説得力ありませんよね。ですから、お母さんはこういうスタイルでやってるよ、あなたはどうなの?という感じで、子どもに価値観を押しつけずに「自分」があるお母さんを目指す。

企業も働き方や外側のスキルだけを見るんじゃなくて、いかに社員が楽しく働いて成果も挙げているか。そんな会社がたくさんあれば、子どもは「この仕事やってみたい」「こんな会社に入りたい」「そのためには勉強が必要だよね」となると思っています。将来がワクワクしないから、勉強する気が起きないんだと思います。ですから、企業とお母さん、親世代への働きかけがある程度できたら、今度は子どものための場所を作る。生まれてから働くまで一貫したキャリアデザインのお手伝いをできる、というのが最終目標です。


私自身も上の子どもたちの子育て中は、悩んで泣いたりしていました。

今でこそ「仕事が好きです」と自分の価値観に自信を持っていますけど。保育園の参観日に大事な商談が入って、当日の朝になってもどちらへ行こうと悩んでいたことがありました。その時、バリバリ働いている憧れの先輩ママに電話したんです。参観日に行こうと思ったけど、やっぱり仕事に行くべきか、どう思う?って。その人が「あなたはどうしたいの?」って聞いてくれたんですよ。「いや……仕事に行きたい……」「じゃあそうしたら?」って。

結局、キャリアカウンセリングってそうなんです。アドバイスじゃなく、質問してあげるだけでその人の本当の気持ちが引き出せる。そういう経験から、実は会社を設立すると同時に3人目を妊娠しました(笑)それまで働きながら3人目なんて無理だよね、って自分に言い聞かせていたけれど、本当はそういう生活がしたいんだって気付いたから。3人目の子育てはのびのびやっています。

編集後記

Cocoro Ribbon代表大川さんのお話は、終始楽しくパワーをもらいました。子育て中のお母さんが苦しい思いをして働くことが正解ではない、それぞれに合った働き方、あるいは働かないことを選んでも良いのだというメッセージが伝わってきました。
そしていつか、Cocoro Ribbonが子どもたちに向けて、大人になることがどんなに楽しくワクワクすることなのか伝えられる場所ができると良いなと思います。