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目次

(この記事は「LAXIC」より転載、編集しています。)

前回に引き続き、「自分らしく働き続けたい」ママデザイナー集団 mom.entが主催する初のセミナーイベント「WORK-RE PARTY(ワークリパーティ)」のレポートをお伝えします。

前編はキーノートスピーチ「MOM IS WOW♪ママは制約?とんでもない、飛躍人材です。」をお伝えしましたが、後編では異なる働き方をしている3名のママクリエイターたちによるトークセッションの様子をお伝えします。

会社員、公務員、フリーランス、それぞれ自分らしく働くために選んだ道、それぞれの長所や課題が見えてきました。

第2部:トークセッション
「自分らしく生きるために、現役ママクリエイターが選んだ働き方」

<登壇者>
●フルタイム会社員 笠原 美和さん(フリーランスデザイナー、元広告制作会社 アートディレクター・子ども中学生)
”多忙”という言葉が代名詞のような広告制作会社に19年勤務。30歳の産休の時も、仕事が楽しくなってきたタイミングだったので、4ヶ月育休をとり職場復帰。しかし2ヶ月後には体を壊して1ヶ月入院…… その後は反省を生かし、子どもの成長とともに都度、働き方を調整中。(今年の3月に退社し独立するも、今回は会社員勤務としての立場で登壇)

●時短公務員 並木 優さん(世田谷区役所 職員・子ども2歳半)
学生時代は建築や都市を学び、現在は世田谷区役所で技術職として勤務。自治体にしかできない可能性を感じつつも「自治体の働き方を内側からもっと変えていきたい」と言う使命感に燃えている。プライベートでは新宿区内に子育て世代が集まれる場づくりをプロジェクト中。

●フリーランス 三上 悠里さん(フリーランスデザイナー 兼 mom.entアートディレクター・子ども2歳)
笠原美和さんと同じ広告制作会社に勤務。子育てしながらパワフルに働いている先輩ママたちを見て「自分はあんなに頑張れるだろうか……?」と自信が持ちきれず、子どもを育てながらデザインを続けるため、デザイン事務所で2年間修行の後、独立。フリーになってからも自分の成長角度を下げないため、mom.entにも所属。週3は会社員、週2はフリーランスと言うパラレルワーク中。

ママクリエイターたちがそれぞれ選んだ働き方のリアル

(写真右から)フルタイム会社員の笠原美和さん、公務員の並木優さん

笠原美和さん(以下、敬称略。笠原):まず企業で働く上で良いところは、チームメンバーが大勢いるので、何かあった時にも助けてくれる人がいる点です。あと、仕事の幅も多いので、自分の状況に合わせて選ぶことができます。子どもが小さい頃は、年間スケジュールが見えているものを選ぶようにしていました。制度は年々充実していますが、まだ使いこなせていなかったです。管理職で女性は少ない現状でした。


並木優さん(以下、敬称略。並木):私の勤める自治体は、企業と違って利益を求めているわけではないので、同じ部署内で競争意識はありません。いい意味で協力しあって良いものを作っていこうという反面、空気はぬるいと感じることも。制度はとても充実しています。当たり前のように休みは取れるので、そういう意味では働き続けやすい環境です。女性のロールモデルも多く「子どもが5人います」みたいな女性管理職の人も。


三上悠里(以下、敬称略。三上):フリーランスの良いところは、クライアントに自分の状況を直接説明できる点です。その反面、何事も自分の調整次第なので、判断が難しい。私は仕事が好きなのでどんどん受けてしまって、体を壊してしまうこともありました…… そのため「仕事を断る」という選択肢が、私にとって本当に辛い決断なのです。(制度はないので)サポートとしては、実母と同居なので家族に甘えています。


笠原:私も1ヶ月のうち1週間以上は実母や義理の母が泊まり込みで来てもらっています。あとは子どもが小学生の間にPTAや地域の活動も積極的に参加していたら、ママ友のコミュニティができました。「今晩、私ちょっと遅くなりそう……」とママ友ラインに入れておくと「いいよ、ご飯食べさせておくから!」と。まさに“地域のみんなで子どもを育てる”関係ができたのが、本当に助かっています。


並木:私は保育園以外に預けられる状態がないので、お二人が本当に羨ましいです。日中、外で働いていると、どこにコミュニティがあるのかもわからない。そう言うママたちが集まって来られるような場づくりをしたい、と今の活動が始まりました。都内では小1の壁で悩んでいる方が多いと聞き、私の子どもはまだ小さいですが、小学生なんてあっという間です。ですので、子どもが放課後、有意義に過ごせる場所を作りたいと考えています。すると先日、地元でPTAなどにも活発なママが私の思いを拡散してくれ、共感したママたちがたくさんアイデアを持って集まってきてくれました。先日物件も決まり、具体的に動き始めています。

自分が心地よく働くためにはどうしたら? 自分と社会との繋がりとは

並木:制度は整っているけれど、クリエイティブのクの字もない職場にいるので、もっとAI化が進むと公務員の仕事は無くなるのでは? と思っています。だからこそ可能性はあると思うので、若手同士で勉強会を開き、全国の公務員を集めて面白いことをやろう、という動きもあります。


三上:先ほども言いましたがフリーになると、クライアントが自分の状況を理解してくださっているかどうかが大事。例えば、電話に出られない時間帯がある、夜の打ち合わせはできない、データを今日の今日送ってくれとかはできない、とかとか…… 今の自分にとっての”社会”は、常にクライアントとの一対一の関係そのものなので、フリーになってすごく社会との繋がりも楽になりました。


笠原:企業という“社会”にいるとチームの中で「自分はどういう立ち位置か」みたいなことを常に意識して動かないといけない。自分の強みやパフォーマンスのみを考えられるフリーランスは、その点自由だと思います。あと、クライアントを決めるときにも、どうしても“ママ”というフィルターがかかる。それが外れていくともっといいな、と思います。


並木:子どもが生まれてからは地域や“社会”とのつながりに、より興味を持つようになりました。人との会話の中で発見やヒントがあり、色んな立場の人がいる中で考え方も変わってきて。社会の流れ的に、お金より人とのつながりや自分がワクワクできるところに価値を見出しているので、プライベートの活動を活かせて、それが結果お金に繋がるような社会になればいいな、と思います。

自分らしい生き方って、“優先順位”をつけること?

(写真左)フリーランスデザイナー兼mom.entアートディレクター・三上悠里さん

笠原:私は仕事と家族、どちらにも優先順位はつけられなかった。時間的には仕事に割いているけれど、仕事で得られたことも家族に還元されているので、そこはやはり繋がっていると思います。並木さん:私は家族に最優先順位をつけたいです。実家が自営業一家で、みんな家にいて家族仲良し、みたいな原体験があるので。あと家族によって視点が増えました。場づくりとか食とか学びとかについても、全て家族から派生しています。今後は建築にもそれを生かしていきたいと思っています。


三上:自分らしく働くこと=優先順位をつける、と言うのは違うなと思います。「自分がワクワクして、楽しく生きていける」そんな風に自分に正直に生きてきたら、点だったものが線になって繋がって…… だから優先順位はどこにもつけられない。子どもが寂しかったら私も悲しいし、そうならないようにしたいし、大事なのは「どういう状態が自分にとって心地いいのか」を考えることかな。長濱さんのキーノートにあった“ハピネス”につながっていると思います。

良いところも改善すべきところも、包み隠さず、率直な意見が聞けたのが印象的でした。自分と異なる環境の働き方に触れ「自分らしい働き方」「自分が心地よく感じる働き方」って…… と省みるきっかけにも。長濱さんのキーノートにもありました仕事も家族もプライベートも色々な要素に対して、優先順位を決めるのではなく、どれもバランスよく自分を取り巻くこと=ハピネスにつながる。この考え方が世の中にもっともっと浸透すると、今働くママたちが抱きがちな会社や子どもに対する罪悪感や周囲に理解されない、と言ったストレスが軽減されるのでは? この後、参加者同士の交流会も活発に行われ、最後にはこの笑顔! 充足した時間を過ごせたのではないでしょうか。またこの活動は今後も続いていくそうなのでぜひ参加してみてください。

クリエイターとして、ママとして。<br />「自分らしい生き方」について考えてみよう(イベントレポート・後編)

前回に引き続き、「自分らしく働き続けたい」ママデザイナー集団 mom.entが主催する初のセミナーイベント「WORK-RE PARTY(ワークリパーティ)」のレポートをお伝えします。

前編はキーノートスピーチ「MOM IS WOW♪ママは制約?とんでもない、飛躍人材です。」をお伝えしましたが、後編では異なる働き方をしている3名のママクリエイターたちによるトークセッションの様子をお伝えします。

会社員、公務員、フリーランス、それぞれ自分らしく働くために選んだ道、それぞれの長所や課題が見えてきました。

第2部:トークセッション

「自分らしく生きるために、現役ママクリエイターが選んだ働き方」

 

<登壇者>

●フルタイム会社員 笠原 美和さん(フリーランスデザイナー、元広告制作会社 アートディレクター・子ども中学生)

”多忙”という言葉が代名詞のような広告制作会社に19年勤務。30歳の産休の時も、仕事が楽しくなってきたタイミングだったので、4ヶ月育休をとり職場復帰。しかし2ヶ月後には体を壊して1ヶ月入院…… その後は反省を生かし、子どもの成長とともに都度、働き方を調整中。(今年の3月に退社し独立するも、今回は会社員勤務としての立場で登壇)

●時短公務員 並木 優さん(世田谷区役所 職員・子ども2歳半)

学生時代は建築や都市を学び、現在は世田谷区役所で技術職として勤務。自治体にしかできない可能性を感じつつも「自治体の働き方を内側からもっと変えていきたい」と言う使命感に燃えている。プライベートでは新宿区内に子育て世代が集まれる場づくりをプロジェクト中。

●フリーランス 三上 悠里さん(フリーランスデザイナー 兼 mom.entアートディレクター・子ども2歳)

笠原美和さんと同じ広告制作会社に勤務。子育てしながらパワフルに働いている先輩ママたちを見て「自分はあんなに頑張れるだろうか……?」と自信が持ちきれず、子どもを育てながらデザインを続けるため、デザイン事務所で2年間修行の後、独立。フリーになってからも自分の成長角度を下げないため、mom.entにも所属。週3は会社員、週2はフリーランスと言うパラレルワーク中。

ママクリエイターたちがそれぞれ選んだ働き方のリアル

(写真右から)フルタイム会社員の笠原美和さん、公務員の並木優さん

笠原美和さん(以下、敬称略。笠原):まず企業で働く上で良いところは、チームメンバーが大勢いるので、何かあった時にも助けてくれる人がいる点です。あと、仕事の幅も多いので、自分の状況に合わせて選ぶことができます。子どもが小さい頃は、年間スケジュールが見えているものを選ぶようにしていました。制度は年々充実していますが、まだ使いこなせていなかったです。管理職で女性は少ない現状でした。

 

並木優さん(以下、敬称略。並木):私の勤める自治体は、企業と違って利益を求めているわけではないので、同じ部署内で競争意識はありません。いい意味で協力しあって良いものを作っていこうという反面、空気はぬるいと感じることも。制度はとても充実しています。当たり前のように休みは取れるので、そういう意味では働き続けやすい環境です。女性のロールモデルも多く「子どもが5人います」みたいな女性管理職の人も。

 

三上悠里(以下、敬称略。三上):フリーランスの良いところは、クライアントに自分の状況を直接説明できる点です。その反面、何事も自分の調整次第なので、判断が難しい。私は仕事が好きなのでどんどん受けてしまって、体を壊してしまうこともありました…… そのため「仕事を断る」という選択肢が、私にとって本当に辛い決断なのです。(制度はないので)サポートとしては、実母と同居なので家族に甘えています。

 

笠原:私も1ヶ月のうち1週間以上は実母や義理の母が泊まり込みで来てもらっています。あとは子どもが小学生の間にPTAや地域の活動も積極的に参加していたら、ママ友のコミュニティができました。「今晩、私ちょっと遅くなりそう……」とママ友ラインに入れておくと「いいよ、ご飯食べさせておくから!」と。まさに“地域のみんなで子どもを育てる”関係ができたのが、本当に助かっています。

 

並木:私は保育園以外に預けられる状態がないので、お二人が本当に羨ましいです。日中、外で働いていると、どこにコミュニティがあるのかもわからない。そう言うママたちが集まって来られるような場づくりをしたい、と今の活動が始まりました。都内では小1の壁で悩んでいる方が多いと聞き、私の子どもはまだ小さいですが、小学生なんてあっという間です。ですので、子どもが放課後、有意義に過ごせる場所を作りたいと考えています。すると先日、地元でPTAなどにも活発なママが私の思いを拡散してくれ、共感したママたちがたくさんアイデアを持って集まってきてくれました。先日物件も決まり、具体的に動き始めています。

自分が心地よく働くためにはどうしたら? 自分と社会との繋がりとは


並木:制度は整っているけれど、クリエイティブのクの字もない職場にいるので、もっとAI化が進むと公務員の仕事は無くなるのでは? と思っています。だからこそ可能性はあると思うので、若手同士で勉強会を開き、全国の公務員を集めて面白いことをやろう、という動きもあります。

 

三上:先ほども言いましたがフリーになると、クライアントが自分の状況を理解してくださっているかどうかが大事。例えば、電話に出られない時間帯がある、夜の打ち合わせはできない、データを今日の今日送ってくれとかはできない、とかとか…… 今の自分にとっての”社会”は、常にクライアントとの一対一の関係そのものなので、フリーになってすごく社会との繋がりも楽になりました。

 

笠原:企業という“社会”にいるとチームの中で「自分はどういう立ち位置か」みたいなことを常に意識して動かないといけない。自分の強みやパフォーマンスのみを考えられるフリーランスは、その点自由だと思います。あと、クライアントを決めるときにも、どうしても“ママ”というフィルターがかかる。それが外れていくともっといいな、と思います。

 

並木:子どもが生まれてからは地域や“社会”とのつながりに、より興味を持つようになりました。人との会話の中で発見やヒントがあり、色んな立場の人がいる中で考え方も変わってきて。社会の流れ的に、お金より人とのつながりや自分がワクワクできるところに価値を見出しているので、プライベートの活動を活かせて、それが結果お金に繋がるような社会になればいいな、と思います。

自分らしい生き方って、“優先順位”をつけること?

(写真左)フリーランスデザイナー兼mom.entアートディレクター・三上悠里さん

笠原:私は仕事と家族、どちらにも優先順位はつけられなかった。時間的には仕事に割いているけれど、仕事で得られたことも家族に還元されているので、そこはやはり繋がっていると思います。並木さん:私は家族に最優先順位をつけたいです。実家が自営業一家で、みんな家にいて家族仲良し、みたいな原体験があるので。あと家族によって視点が増えました。場づくりとか食とか学びとかについても、全て家族から派生しています。今後は建築にもそれを生かしていきたいと思っています。

 

三上:自分らしく働くこと=優先順位をつける、と言うのは違うなと思います。「自分がワクワクして、楽しく生きていける」そんな風に自分に正直に生きてきたら、点だったものが線になって繋がって…… だから優先順位はどこにもつけられない。子どもが寂しかったら私も悲しいし、そうならないようにしたいし、大事なのは「どういう状態が自分にとって心地いいのか」を考えることかな。長濱さんのキーノートにあった“ハピネス”につながっていると思います。