• このエントリーをはてなブックマークに追加

男女雇用機会均等法の施行から約30年が経ち、現在は「働き方改革」の一環として「女性活躍推進法」が施行され、女性の働く環境がどんどん変化をしています。こうした背景のなかで、「いつまで働けるのか」「定年後はどうなっているのか」など、そう遠くない将来について考えをめぐらせたことは誰しもあるのではないでしょうか。

そこで、69才という年齡を迎えた現在でも複数の仕事をこなす一方、英会話やイタリア語、ソシアルダンスなど多才な趣味を持つ溝口あや子さんへ、現在にいたるまでの経歴や毎日の過ごし方などをおうかがいしました。

溝口あや子

勤めていた会社を結婚のため29歳で退社。
下の娘が小学校2年になったので社会復帰。
「健康管理も仕事のうち」をモットーに現在に至る。

仕事に趣味に毎日がパワフル。溝口さんの1週間のスケジュール

- 溝口さんは現在、学校給食調理員のパートタイマーとして働くかたわら、「マイシェフクイック」という出張レストランサービスのスタッフもこなしています。さらに、趣味や習い事にも通われていますが、どのようなスケジュールで1週間を過ごされているのでしょうか。

学校給食は月・木・金の3日間で、9時~15時までの勤務です。火曜日は英会話学校とソシアルダンスへ行き、水曜日は午前中にトレーニングジムへ行ってからイタリア語学校へ通っていますね。マイシェフクイックの仕事は主に土日や祝日に入るようにしていますが、仕事がない時には近くに暮らしている娘に会いに行くこともあります。

- 2つの仕事はいつ頃から始めたのでしょうか。

学校給食は2017年9月から、マイシェフクイックは春の終わり頃から始めました。

- マイシェフクイックでの具体的な仕事内容を教えてください。

レストランから4品目のメニューをお預かりして、注文されたお宅へお届けしています。さらに、そこで料理の仕上げと盛り付けをして提供、片づけなども行います。マイシェフクイックは、レストランの食事を自宅で楽しめることがコンセプト。ですから、小さな子どもがいて外食が難しい家庭や、ママ友とのホームパーティー、家族みんなでお祝いごとをする時などに利用される方が多いですね。

お客様から「美味しかった。ありがとう」という声をいただくのが、一番やりがいを感じる瞬間です。

 

社会とつながっていたい。結婚退職から再就職までの道のり

- 学校給食とマイシェフクイックはどちらも食に関わる仕事ですが、溝口さんは若い頃からこうしたお仕事に就いていらっしゃったのでしょうか。

いいえ。高校を卒業して初めて入社したのは、水産系の会社でした。そこで夫と知り合い、結婚を機に退職をしたんです。しばらくは専業主婦をしていましたが、子どもたちが小学生くらいの時に、夫の仕事の都合で大阪へ転居することが決まり、そこで大手保険会社の営業推進部へ入社をして社会復帰をしました。

- 再び仕事を始めた理由を教えてください。

「社会とつながっていたい」という思いはずっとあったので、40才までには復帰しようと決めていました。大手保険会社へ入社を決めたのは、全国に支店があることが大きかったです。継続できる仕事がしたいと思っていたものの、夫は転勤の多い仕事をしていたので、再び転勤となると、転勤先で一から仕事を探さなければなりません。しかし、全国に支店があれば、どんな地域に行っても同じ仕事を続けられると考えたんです。

仕事を始めた当時、夫はあまりいい顔をしませんでしたが、家庭のことはきっちりやっていましたし、続けていくうちに理解をしてくれるようになりましたね。

- 大阪への転勤に加えて、新しく仕事も始めるとなると、大変なこともあったのではないでしょうか。

周囲も転勤族の奥様が多かったので、お互いに助け合うことができましたし、そこまで大変だったことはありませんでした。ただし、地域交流を深めるために、子ども会や自治会などには積極的に参加をするようにはしていましたね。

- その後、大手保険会社を退職されて再び違う仕事へ就職をされていますが、退職した理由を教えてください。

大手保険会社は早期退職をしました。当時、早期退職者には退職金が多く払われる制度があったので、こちらを利用したんです。再就職に関しては、早期退職者向けの再就職支援もありましたが、1年ほど就職活動をして自分で探しました。大手新聞社の子会社にあたる企業で、そこでは、新聞にまつわるセミナーなどを行う提案営業をしていました。こちらは67才の定年まで勤めました。

 

定年後は「好き」を活かした仕事へ。毎日を楽しく過ごすコツとは

- 溝口さんの年代で、女性が定年まで働くことは珍しかったのではないでしょうか。辞めたいと思ったことはありませんでしたか。

特になかったですね。ただし、早期退職をした時はすでに50代だったので、1年間の就職活動をしていた時には、もう少し早く退職して違う分野に飛び込んでいてもよかったかな、という思いはありました。

- それは現在の「食」に関わる仕事ということですよね。料理への関心はいつ頃からあったのでしょうか。

子どもに美味しい料理を食べさせたくて、専業主婦をしていた頃から料理教室やパン教室などにずっと通っていたんです。当時はホームベーカリーもありませんでしたから、パンはすべて一から手作りでした。また、イタリア旅行で食べた生パスタがとても美味しかったので、自宅でも作れるように勉強もしましたね。もともと料理全般が好きでしたが、食に関わる仕事がしたいと思ったのは、フードコーディネーターとフードソムリエの資格の勉強を始めたあたりからです。ただし、「将来何かの役に立てばいいかな」くらいのもので、当時の仕事を辞めて転職するという気持ちまではありませんでした。

- 溝口さんは69才を迎えた現在でも、元気に楽しく生活をされていますが、健康維持のための運動などは昔からしていたのでしょうか。

そうですね。現在はトレーニングジムとソシアルダンスに通っていますが、ダンスは20代の頃からやっていました。音楽と一緒に体を動かすことが好きなんです。

- その他にも英会話やイタリア語にも通われていますよね。

英会話は以前から通っていたのですが、イタリア語を習うきっかけはイタリア旅行でした。以前は、旅行に使える会話を勉強していたのですが、現在は、来日したイタリア人のお手伝いができるような会話を中心に勉強しています。2020年の東京オリンピックでボランティアとして何かお手伝いできればいいなと思っているんです。

- 最後にこれからの目標や展望などを教えてください。

現在は、仕事と趣味のバランスがとてもよく充実した毎日を過ごしています。特に仕事は、これからもずっと続けていきたいですね。そのためにも、健康でいることが大切だと思います。

 

人生100年時代に参考にしたい「女性のロールモデル」

「人生100年時代」と言われる現代では、定年後も人生は長く続いていきます。充実した人生を送るためには、年齡に関係なく、興味があればどんどんチャレンジしていくことが大切だと感じました。インタビュー中もずっと笑顔で楽しそうに語っていた溝口さんは、私たちが今後の参考にしたい「人生100年時代の女性ロールモデル」の一人ではないでしょうか。