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教育訓練給付制度とは? 

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今の仕事をスキルアップしたい、または、再就職に向けて求職中に資格を取りたいーーそう考たことのある方が多いのではないでしょうか。 そんなとき活用できるのが「教育訓練給付制度」です。 この制度を利用すれば、仕事に役立つさまざまな講座の受講費の一部を補助してもらえるのです。 補助の対象となる条件や受講できる講座を知って、お得にスキルアップしましょう。

教育訓練給付制度を使えるのは誰? 

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65歳未満で、1年以上「雇用保険の被保険者である/あった」ということが、受給資格となります。

「雇用保険の被保険者である/あった」とは、会社に雇われ、雇用保険料を支払っている/いた、ということです。自分が加入しているかどうかは、給料明細を見ればわかります。

労働者を雇用する会社は、その事業内容や規模にかかわらず(個人が経営する事務所などであっても)、雇用する労働者を雇用保険に加入させる義務があります。パートやアルバイトであっても、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合は、対象となります。

1年以上雇用保険に加入する(=働く)と、雇用保険の受給資格を得ます。転職の場合は、次の就職までの期間が1年以内であれば、それ以前の複数の会社で通算できます。逆に、一時期に複数の雇用保険適用事業所で働いている場合は、生計を立てる主な収入源となっている事業所1つのみで考えます。

受給資格を得てはじめて、教育訓練給付制度を使えるようになります。

「教育訓練給付制度」は、雇用保険法に定められている制度です。失業等給付金のひとつでもあります。在職者または離職者が、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その費用の一部が後で支給されます。ですので、修了できなければ支給されません。また、同時に複数の講座について受給することはできません。

一般教育訓練給付

教育訓練給付には、2つの種類があります。旧教育訓練給付を受け継ぐ一般教育訓練給付と、公的な職業資格を対象に平成26年に新設された専門実践教育訓練給付です。

まずは一般教育訓練給付から見ていきましょう。受給資格は次のとおりです。


1)受給が初めての場合、厚生労働大臣の指定する教育訓練の受講開始日に、雇用保険の被保険者であった期間が1年以上であること(2019年3月31日までの時限措置)。

2)離職者は、離職の翌日から受講開始日までが1年以内であること(※)
(※離職日の翌日以降1年間のうちに、妊娠、出産、疾病、負傷などの理由で引き続き30日以上教育訓練の受講を開始することができない場合は、ハローワークに申請することにより、離職日の翌日から受講開始日までの教育訓練給付金の対象となり得る期間を最大20年まで延長することができます(2018年1月1日以降))

3)2度目以降は、雇用保険の被保険者であった期間が3年以上であり、前回の受給から3年以上経過していること。


通学制の場合、講座出席日初日が受講開始日とならないこともあります(通信制の場合は、教材発送日が受講開始日となることが多いようです)。受講開始日の確認を、ハローワークと専門学校の両方に確認しておいたほうが良いでしょう。

専門実践教育訓練給付

専門実践教育訓練給付の受給資格は、2018年1月1日以降に受講開始する場合の要件が拡充されました。以下は拡充後の内容です。

次の1)または2)に該当し、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みで受講している方と修了した方。かつ、平成26年10月1日以降、教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の教育訓練給付金受給日から今回受講開始日前までに3年以上経過していること。
1)専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の被保険者で、支給要件期間3年以上(初めて教育訓練給付金の支給を受けようとする方については2年以上)あること
2)専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の被保険者でなく、離職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(※)であり、かつ支給要件期間3年以上(初めて教育訓練給付金の支給を受けようとする方については2年以上)あること
(※離職日の翌日以降1年間のうちに妊娠、出産、疾病、負傷などの理由で引き続き30日以上教育訓練の受講を開始することができない場合は、ハローワークに申請することにより、離職日の翌日から受講開始日までの教育訓練給付金の対象となり得る期間を最大20年まで延長することができます(2018年1月1日以降))

 

専門実践教育訓練の受給資格のある45歳未満の離職者に対して、訓練の受講を支援するために「教育訓練支援給付金」が支給されることも覚えておきましょう(こちらも2018年1月1日より、支給額が基本手当日額(雇用保険で受給できる1日当たりの金額)の50%から80%に拡充されています)。

教育訓練給付でいくらくらいお得になる? 

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では、給付を受けることができるのは、どのくらいの額なのでしょうか。ケースごとに見ていきましょう。

 

一般教育訓練給付の場合

10万円を上限に、学費の20%に相当する額が支給されます。学費が4千円未満の場合は支給されません。

専門実践教育訓練給付の場合(2018年1月1日以降に受講開始する場合)

終了すると学費の50%に相当する額が支給されます(上限あり)。また、資格取得等をし、修了後1年以内に就職している場合は、20%に相当する額が追加して支給され、合計で70%の支給になります(上限あり)。 4千円未満では支給されません。

上限については、以下のようになります。


・50%の場合:支給額は1年間で40万円が上限となります(訓練期間は最大3年なので、40万円×3年=120万円が上限)。

・70%の場合:支給額は1年間で56万円が上限となります(56万円×3年=168万円が総額の上限)。

・50%分を先に受給し、その後に70%の受給資格を得た場合には、差額の20%分が追加で支給とされます。合計で70%ということになります。


具体的な数字にあてはめてみましょう。

例)入学金30万円と授業料120万円の合計が150万円の場合

A)2年で修了のみの場合:

1年目:(授業料60万円+入学金30万円)×0.5=45万円
          →超過しているので、上限の40万円

2年目;授業料60万円×0.5=30万円

合計:45万円+30万円=75万円が支給額

 

B)終了後、資格を取得し、就職している場合:

1年目:90万円×0.7=63万円
          →超過しているので、上限の56万円

2年目:60万円×0.7=42万円

支給額:56万円+42万円=98万円。A)との差額の23万円(※)が追加給付となります。

※支給額に上限があるため、単純に150万円×20%=30万円の追加とはなりません。

支給対象になる経費に含まれるものについては、各専門学校に問い合わせてください。

教育訓練給付の対象となる講座は? 

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以下のようなものが相当します。

一般教育訓練給付の対象講座

法律系:行政書士/社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー/ 税理士

医療・福祉系:医療事務/歯科助手

動産:宅建/管理業務主任者

技術系:危険物取扱者

語学系:TOEIC

専門実践教育訓練給付の対象資格

専門実践教育訓練給付の対象講座には、資格を持たずに業務を行うことが法令で禁止されている「業務独占資格」と、資格がなくても業務を行えますが、その名称を使用することが法令で禁止されている「名称独占資格」の二種類があります。

・対象となる業務独占資格

助産師、看護師、准看護師、 診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、歯科衛生士、歯科技工士、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師、柔道整復師、美容師、理容師、測量士、電気工事士、建築士、海技士、水先人、航空機操縦士、航空整備士

・対象となる名称独占資格

保健師、調理師、栄養士、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、製菓衛生師

どうやって探せば良い? 

該当講座については、お近くのハローワークで一覧表が閲覧できます。インターネットであれば、厚生労働省の教育訓練講座検索システムを参照すると良いでしょう。

また、大学・大学院/専門学校/自動車教習所/病院などでも開講している場合があります。もちろん厚生労働大臣の指定を受けている必要があります。

指定講座であるかどうかの確実なところは、ハローワークと開講機関に問い合わせることになりますが、ハローワークへの問い合わせは、代理・郵送は認められていませんので、注意しましょう。

まとめ

雇用保険の被保険者であることが、第一条件の「教育訓練給付制度」。もし、あなたが該当しているのに加入していないのであれば、雇用主に責任があります。労働基準監督署に相談する等の対処をしましょう。雇用保険は失業保険と呼ばれることもあります。失業保険の給付にもかかわる重大なことなのです! 

なお、給付金の支給の申請は、講座修了後1ヶ月以内です。どういった書類が必要であるか、前もってチェックして段取りを整えておきましょう。