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同一賃金同一労働とは?

iStock.com/hyejin kang
同一労働同一賃金の導入は、仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
近年、アルバイトやパート、派遣社員などの非正規労働者が増えることによって、同じ仕事をしているにも関わらず、給与や福利厚生、キャリアアップなどの待遇差があることが問題となっていました。同一賃金同一労働は、どんな雇用形態で働いても、納得ができる賃金や処遇を得られ、誰もが多様な働き方ができるようにと考えられたものです。仕事内容が同じ、または同程度と考えられる労働者には、雇用形態に関わらず同じ賃金を支払うことを原則としています。

今や日本では2000万人以上が非正規で働いています。これは労働人口全体の37.5%にも上ります。2016年2月には「同一労働同一賃金ガイドライン案」が作成され、「我が国から『非正規』という言葉を一掃することを目指す」と述べた安倍首相の言葉は大きな話題になりました。

同一労働同一賃金で地方の最低賃金格差も解消される?

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同一労働同一賃金で期待されているのが、地方の賃金格差の解消です。労働者に支払われる最低賃金は、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定めています。
2017年10月の改正で、最低賃金の全国平均は、時給848円です。これを見て、あなたは多いと思ったでしょうか、少ないと思ったでしょうか。

出典:『地域別最低賃金の全国一覧』厚生労働省
現在、最低賃金最高額の東京は、958円、最低の沖縄は737円と、なんと221円もの差があります。一日8時間、週5日、それぞれ働いたとすると、年間でなんと40万円以上もの差になるのです。同じ国内で同じ仕事をしていたとしても、どこで仕事をしているかというだけで、これほどまでに賃金差が発生しているのです。
同一賃金同一労働では、こうした地方の賃金格差の是正も期待されています。

また、日本の地域別に平均所得を見ると、平均所得が高いのは首都圏や一部の地方都市に限られ、その他の地域との差が広がっています
最低賃金の問題もありますが、生産性や経済構造などが原因として挙げられます。

出典:http://www.mlit.go.jp/common/000031981.pdf
こうした平均所得の格差による理由で首都圏に就職する人も少なくなく、大都市圏の人口集中や地域の人口流出の原因になっていると考えられます。この状態が続けば、若年層が首都圏や大都市へ集まることでさらに地方経済を担う若者が減り、地域経済が停滞するという悪循環に陥ります。また、賃金格差、人口格差だけでなく、教育や医療、インフラの格差という新たな問題も起こります。

同一労働同一賃金で地方の求人倍率も回復する?

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同一労働同一賃金で地方の賃金格差が是正されれば、地方で働きたいという人も増えてくるかもしれません。しかし、地方に移住したり、Uターンしたりしたいという人の最大の懸念は、住みたい土地に仕事があるかどうかです。

出典:『「東京都在住者の今後の移住に関する意向調査」結果概要』内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局
現在東京では、景気回復や労働者不足の影響もあり、求人倍率が2.07と地方では依然として高い数値が続いていますが、北海道や沖縄では1.0をようやく超えるか超えないかという状態が続いていて、まだまだ都心との差がある様子がみられます。もし同一労働同一賃金が実現したとしても、地方に求人がなければ、都心部への人口流出は避けられないでしょう。

出典:『職業紹介-都道府県別有効求人倍率』独立行政法人労働政策研究・研修機構

現代はさまざまな働き方の選択肢がある

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現在、地方で都心と同じ賃金を稼ぐことは難しいですが、現代はさまざまな働き方があるので、働き方をうまく活用すれば、自分で同一労働同一賃金を実現することも夢ではありません。

例えば、自宅でできるフリーランスの仕事や、オンラインアシスタント、クラウドソーシングなどです。こうした仕事は、地域に関係なく、どこにいても同じだけの労働=パフォーマンスをすれば同じだけの賃金を稼ぐことができます。
また、こうした働き方は、地方に居ながらにして都心や世界の人と関わりながら仕事ができる機会を持てることも魅力の1つです。

まとめ

働き方をめぐる改革が次々と行われている昨今。私たちの働き方や賃金の考え方も、以前とは違ったものとなってきています。同一労働同一賃金で、「正社員だから」「勤続年数が長いから」といった理由だけで、高い賃金をもらえなくなるかもしれないということは、逆に「若くても、経験が少なくても高い賃金をもらえる」チャンスかもしれません。自分はどのように働きたいのか、どのようなライフプランを描くのかを考えたうえで、私たちも時代にあった変化に対応していくことが必要とされています。