
女性を応援する会社が集結!Google Women Will プロジェクトとは
3月14日に開催された「Google Women Will プロジェクト 2016 年発表会」。働くママを応援する様々なアイデアや賛同する企業の活動が発表されました。
目次
ライター
「Google Women Will」とは?
「日本では、いまだに多くの女性が出産や育児などを理由に仕事を続けられない」「一度やめてしまうと復職しづらい」ーーこのような状況を解決しようと、グーグルは2014年10月に「Women Will」プロジェクトを立ち上げました。
課題の解決方法として、グーグル は以下の2つの柱を掲げています。
- テクノロジーで働き方を変えていく
- 働き方のカルチャーを変えていく
グーグルの岩村水樹さん(執行役員 CMO アジア太平洋地域 マネージングディレクター)によれば、日本の企業はテクノロジーインフラは整っているけれど、それを活用しきれていないとのこと。それはテクノロジーだけでなく、制度に関しても同じだと思います。例えば在宅勤務ができる制度やツールはあっても「在宅勤務します!」とは言いにくい、そんな会社が多いのではないでしょうか。
こちらは本プロジェクトの取り組みのひとつである「#HappyBackToWork WEEK」のコンセプトムービーです(テレビでも流れていますね)。
この中に出てくる「日本は、働くママを応援してくれる社会だと思う 38%」というフレーズ。このアンケートに答えた内、6割の人は「応援してくれない」と思っているわけで……、制度やツールがあってもやりづらい、そんな働くママたちの辛さが感じられる数字です。
5000のアイデアから見えてきたこと
「#HappyBackToWork」は、さまざまな理由で離職した女性の仕事復帰を応援するアイデアを広く募集し、それらをサポーター企業・団体が実践していこうという取り組みです。2015年3月に募集を始め、5000件ものアイデアが集まったそう。
グーグルでは集まったアイデアの内容を分析し、4つのカテゴリーに分類しました。
以下に、カテゴリーごとの代表的なアイデアを挙げます。
1.男性が働き方を変える
- 男性には2週間の育休より1年間の定時あがりを
- 18時以降の会議は原則禁止
- 帰社時のすみません禁止
2.男性が育児・家事を変える
- 育児家事って”手伝う”ものじゃない。当然”シェアする”ものなんです
- 男性が早く帰って子供をお風呂に入れる曜日を決める
- パパと子どもで作れる「パパ子お料理レシピ」を開発しよう
3.企業・社会が働き方を変える
- 在宅勤務が普通にできる社会に!
- 時間ではなく成果で正当な評価を
- 残業を勤務が始まる前にできる「前業制度」
4.企業・社会が育児・家事を変える
- 子連れ出勤ができる職場に!
- 社内託児所は難しいけど、ビルや区画でシェアできないかなぁ
- 親にヘルプを頼んだ時の費用は税金控除!
例えば「1.男性が働き方を変える」は、「働くママを早く帰らせてあげよう!」ということではなく、今まで残業が当たり前だった男性たちが早く帰る働き方にシフトすることで、全体の雰囲気を変え、ママも含めたみんなが早く帰りやすくなるようにしようというアイデアなのが、一歩進んでいますね。
「4.企業・社会が育児・家事を変える」についても、待機児童問題の解決がなかなか進まない中、ちょっと発想を変えれば子育てしながら働きやすい環境を作る方法はたくさんありそうだと気づかせてくれます。
賛同企業による「復職ママを応援」の動き
筆者は「新しい働き方」をテーマに取材をする中で、すでにこういったアイデアを実践している企業にいくつも出会いました。だから、寄せられた5000のアイデアの多くは単なる思いつきではなく、実践した上で良かったことや、それを知った他の会社の人が「うちでもやったらいいのにな」と感じるようなことなのだと思います。グーグルのプロジェクトの意義は、ごく一部の企業で実践されていた素敵な取り組みをたくさん集めて見える化し、社会に広めていく動きを作ったというところにあるでしょう。
実際にこのプロジェクトでは、700社がサポーター企業として「投稿されたアイデアを実践する」ことを表明しています。また、3月14日から4月末にかけては「#HappyBackToWork WEEKS」として、52社が個別に、またはコラボで「復職ママやその周りの人たちを応援する取り組みやサービス」を展開しています。
この52社のサービスの中には、新しく企画されたものもあれば既存のサービスの期間限定割引などもあり、正直、「グーグルのキャンペーンに乗っかって会社や商品をPRしよう」という雰囲気が感じられるところもあります。それでも、各社が「ママの復職を応援するという切り口で、うちの会社ができることってなんだろう」と考え、これだけのサービスを並べて見せたということに意味があるのではないでしょうか。キャンペーンが話題になれば、参加しなかった企業も「この動きに乗り遅れないように、うちでも何かしなければ」と考えるかもしれないし、そういう雰囲気が広がれば「日本は、働くママを応援してくれる社会だと思う 38%」も、もっとポジティブな数字に変わってくると期待できるからです。