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3月8日は国連が定めた「国際女性の日」。イギリスのエコノミスト誌は、この日に際して第5回目となる「ガラスの天井指数(glass-ceiling index)」のランキングを発表しました。

女性にとって日本は働きやすい国なのでしょうか?

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「ガラスの天井指数」ランキング、日本は?

ガラスの天井とは「女性の社会進出を妨げる見えない障壁」のことを指し、今回のランキングでは経済協力開発機構(OECD)加盟国29ヶ国が対象となっています。この指数は、男女の高等教育、労働力率、賃金、育児費用、育休の権利、GMAT(ビジネススクールの候補生)、議員や管理職の占める割合など10項目を加重平均して算出したものです。

ガラスの天井指数ランキング

日本はこちらの通り下から2番目。残念ながら昨年の27位から1つランクを落としました。(昨年のランキングはこちら

それは、学歴としてはほぼ同じなのに経済参画には大きな格差があることや、12.5%という女性管理職の割合の低さが起因しています。

アイスランド・スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの北欧諸国は会社の役員や議席数においても女性が高い割合を占めており、このランキングにおいても上位にランクインした結果となっています。

全体としては過去と比べた改善度合いはゆるやかであり、依然として「ガラスの天井」が存在していることを明らかにしています。

 

トップに位置しても努力を続けるアイスランド

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このような各国との比較の中、日本の状況があまり良くないということは割と見慣れてしまった感じもあります。もともと制度が充実している北欧と比較しても…ともはや置かれた環境にあきらめの気持ちすら湧いてくるかもしれません。

しかし、エコノミスト誌は男女平等における進歩は「自分たちで切り開いていく傾向にある」ということを語っています。

昨年の10月、アイスランドでは働く女性たちが仕事を早く切り上げ、女性だけの集会に向かうという大きなデモが起きたのです。それは労働組合が主催して全国で行われ、男女の賃金差が14%あることに対しての改善を訴えるものでした。今回のランキングで1位につけているアイスランド、これだけ男女差が埋まってきたからもういいとは考えず、それでも待っているだけでは改善されない、アクションを起こさないと変わらない! という女性たちの強いメッセージが見えてくる気がします。

Twitterに投稿されたアイスランドのデモの様子です。

 

実は育休後進国アメリカ ママになったハリウッド女優の思い

女性、男性それぞれの有給育休取得期間のランキング

現在、日本では産休中に収入が減ってしまうことを補てんするために、産休前の給与の3分の2の金額(国民健康保険加入者の場合は42万円)を受けることができる他、社会保険料も免除される等の制度が整っています。

一方女性の進出が進んでいるイメージがあるアメリカですが、実は世界の先進国の中で稀な、有給の産前・産後休暇を法制化していない国なのです。

今回のランキングでも育休の権利についてはアメリカが最下位となっています。

このことに関して、女優で国連親善大使であるアン・ハサウェイさんは国際女性の日に際し、アメリカにおける有給の育児休暇拡大を訴えました。

アメリカでは産後12週間の休暇を取ることができますが、その期間所得の保障はありません。経済的に立ち行かずアメリカ人の女性の4人に1人は出産の2週間後にスピード復帰するそうです。また、経済的な余裕があったとしても昇進や他のキャリアアップを失うおそれからやはり早々に復帰する現状を語り、家庭と仕事がより両立できる社会へ向けた動きが必要であることを発信しました。

 

より働きやすい社会を目指して

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以前「保育園落ちた」という一つの声が共感を呼び、大きな声になりました。

個人の問題ではなく、社会的な問題として注目されるためにも身近で起きたこんなことがおかしい、こういう風になったらもっと働きやすいというような声が集まることで少しずつ改善されていくことは多いのかもしれません。

当たり前のように感じる現在の状況に疑問を持つことが、自分の中にある見えない壁を破り、ひいてはガラスの天井そのものを突き破るような大きいエネルギーになるのではないでしょうか。